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病院は『病院だけの時計』で動いている
明日入院することは決まっているのに、病院からの連絡はまだない。何時に行けばいいのか、手術は何時に始まるのか。
詳しいことは何も知らされていない。
病院に電話したら「順番に電話連絡しているから待っているように」と。
順番に連絡するほど大勢の患者が17日に手術を受けるのだろうか。
そもそも、この病院に足を入れたときから、病院の『時間』は『あって無ききがごとし』ということが分かった。
市立病院に繋いでくれた町医者からもらったペーパーには「10時予約。早めに来るよう』と。で、私は9時に病院に着いた。
診察カードを作る所から始まって、延々と諸手続きをし、予約した先生の内科外来診察室にたどりついたのは1時ごろ~
入院してからも「外科外来でCT検査を受けます。午前10時ごろ迎えが来ます」と言われていたが、迎えの看護士が来たのは、な、なんと、午後3時!
係の検査技師が「外来患者が全部終わってからなので遅くなりました」
だったら最初から午後になります、と言ってくれたらいいのに。経験でそれは分かっていたはず。
内科の先生に「家族に説明しますから2時少し前にに来てください」
と言われ、夫と娘は1時45分に受付に行った。
すると受付前は大混乱だったとか。
警備員が「面会は2時からです」と言って、カードを渡してくれない。
やはり医者に「2時より早めに来るように」と医者に言われた家族がひしめいて、窓にカーテンを引いたまま返答もしない警備員に怒鳴り声が飛び交っていたらしい。
娘に電話をかけると「入れてもらえないの」。背後では怒声が飛び交っている。一体何が起こったのか、と驚いた。
2時以前に来るように言われている家族もいるのだから、頑なに時間までカードを渡さない、というのは警備会社と病院側とすり合わせが出来ていないということだ。
「時間のむちゃくちゃさ」に関してはあれこれあげるときりがない。
内科の主治医が言っていた。
「病院ではいろいろなことが起こるので、時間は予定通りにはいかないのです」
それは分かるけど……。
多かれ少なかれ、他の大病院でも似たり寄ったりなのか。
ふっと病院に不信感を抱く。だが、今更どうしようもない。
「なるようになる」と病院の時間の流れに身を任せるしかない。
『原則、一分の違いもなく授業開始、終了』という世界で働いて来た私には信じられない世界だ。
予測不可能な病人を扱っている場所だから、多分、部外者には分からない予測不可能なことが沢山あるのだろうなあ。
新型ウィルス騒ぎでも、検疫官が感染する、という予測不可能なことが起こったのだ。
おおらかに、なるようになる、とゆったりかまえていよう。
とはいえ、まるで旅行みたいに荷物を準備して、病院からの連絡を待っているだけ、というのは疲れる……
病気になるということは『体力と忍耐がなければ出来ない』ことだ!