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何年かかるか分からない長い道

昨日(厳密に言うと日を跨いだ深夜)放映されたフジボクシングで吉野修一郎の試合が行われた。

実際に試合が行われたのはそれよりも数日前なので当然録画放送であった。

時々テレビで観るこの吉野修一郎とは、日本ライト級王者でありながら未だ負け知らずでその間に東洋太平洋(OPBF)とWBOアジアパシフィックの各王座を取得している。

日本王座を防衛し続けるとほぼ漏れなくOPBFとWBOから地域王座を取らないかと打診され、タイトルマッチに託けることが出来る訳である。

当初はダウンしたものの逆転KO勝ちしたのでこれで5度目の防衛を果たすこととなった。

5度目である。

初めて取ったのは3年前の10月からでそこから国内の王座を維持し続けている。

尤もアマチュアの経歴が長いので裾野に当たる新人王の山道からは登らず途中から中腹に登るようになっていた。

吉野陣営からすれば国内で先ず無双することが前提なのだろう。

世界なら日本王座を返上して世界に焦点を当てるべきだが、世界が注目するまでどのくらいの時間がかかるのだろうか。

試合するだけなら少しづつランキングは上がることはないのだろうけど、維持はされるが王者陣営からはずっと無視が続くのだろう。

その間にずっと国内で試合を続けるのである。

同じ階級なのに「すごい」と言うのである。

この凄い相手とは勿論、ホルヘ・リナレスのことである。

リナレスは階級上げたロマチェンコにTKO負けを喫してから試合を離れていたが、復帰戦は原点である後楽園ホールから再出発した。

復帰戦は階級下相手に判定勝ちだったがアメリカでの試合はKO勝利することが出来たという。

再び世界を目指すとリナレスは宣言。

同じ階級で恐らくイベロ系の血も流れている二人なのだろうけど頭の大きさが違う…。

※イベロ系とはイベリア半島諸国を起源とした住民達のことで吉野もスペイン系が入っているとプロフィールに入れており、当然リナレスはベネズエラ出身ということもあって紛れもなくスペイン系の人々をルーツに持つであろうが、見た目もこうも差が出ているとは…。
※※勿論容姿と強さは別

吉野もリナレスも会話は日本語同士だろうけど。

リナレスは今年で35歳である。
昭和生まれのボクサーも殆ど居なくなっているのではなかろうか。
吉野は今年で29歳である。
平成生まれではあるが、トップで活躍するボクサーとしては当然ピークであることは間違いない。

それこそ「あと何年出来るのであろうか」である。

30歳までにどの地位にいるかと立ち位置を俯瞰するのだろう。

大体軽量級以外の選手が世界目指して具体的な目標を掲げるとするならば、試合数は短くほぼ最短で世界ランクに居続けることができるかということが重要になってくるのではなかろうか。

となると、新人王はすっ飛ばしてアマチュア王者から出発する他ない。
デビューも若いうちからする他ない。

ボクシングの世界王者への道のりは幾つかルートがあるようだ。

村田諒太のようにA級ライセンス取ってからの外国での試合から世界王座への挑戦まであったが、これでも時間と試合数が掛かってしまっている。

階級が重ければ重い程、外国で試合する他なく世界への挑戦が掴めない。

外国ルートと、B級からの出発と、新人王から目指すという最低でもこの3つのルートがあるようではある。

勅使河原弘晶はC級デビューではあるものの東日本新人王は逃しており、日本タイトルも獲得はしていない。
しかし、アジアパシフィック王者にもなったこともあり、階級上げてOPBF王者にもなってはいるが、国内にずっと拘りを見せているようではある。
勅使河原にしてみれば国内王者になったことがないから同じ国内の日本人達と試合して勝って国内最強を証明したいのだろうと思われる。
勅使河原も今年で30歳になる。
立ち位置としては全く十分ではあるが、世界をそろそろ目指すべきであろう。

何しろ日本はお金がないので各団体が指名挑戦させたり、王者がかませ犬として呼んだりしない限り日本人に御鉢が回ることはないからである。

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