いざ世界へ
前回但馬ミツロのことに関して記事を書いたら間もなく自身からプロへの転向が明らかにされた。
プロボクシングへの道に進むことになった。
ここまでは予想通りだった。
大半が予想通りで大半が外れた。
予想外のものもいくつかあった。
所詮素人考えだ。
重量級故にプロテストはヘビー級を選んだようだ。
しかもその時の体重が120kgだという。
180cmで何故そこまで増やしたのか、大体予想は付く。
今の内に重い体に慣れておくというものだろうか。
デビューする時には100kgまで落とし、世界を視野に入れた場合はクルーザー級の90kgまで落とすという。
日本ではスーパーミドル級からクルーザー級に至るまでのチャンピオンシップが存在しないのでデビューはヘビー級という形になるのだろう。
このある種の極端な傾向は日本ならではだと思う。
90kgくらいを拠点として減らせるならミドル級まで、増やせるのならヘビー級にという考えっぽい。
実際世界でも人気階級はミドル級で後の階級はみんなおまけみたいなものである。
勿論ヘビー級も人気ではあるが。
カネロも基本はミドル級を拠点としてそこから登ったという感じに見えなくもない。
ワイルダーもオリンピックはヘビー級だったがプロ転向はヘビー級のままだった。
※オリンピックのボクシングはヘビー級よりも上のスーパーヘビー級が存在しておりワイルダーのいたところは一つ軽いところだったので結局アメリカもヘビー級偏重の世界であることは間違いなさそうである。
デビュー戦は5月か6月くらいになり、海外でトレーニングを積むと言う。
上田龍や藤本京太郎を攻略することを当面の目標としているようだが、これはジムの方針とマスコミ向けではないかと思われる。
日本のベルトは所属する緑ジムが取れなかったものであり、但馬にそれを託しているようだ。
京太郎はその後ということになる、らしいがこの二人と当たる日は来るのだろうかと思う。
元々世界を視野に入れていて注目されるにはかなりの試合数をこなさなくてはならないと言っているのでこの辺りこそが真相だろう。
⭕️元々世界を視野に入れている
⭕️クルーザー級が自身の階級
⭕️世界に注目されるには年5試合こなさなくてはならない
⭕️練習相手がいないので海外が中心になる
この条件でよく緑ジムは引き受けたなと思った。
緑ジムよりも破格の条件で受け容れてくれるジムもあったという。
大体予想がつきそうである。
ワタナベジムじゃないのかと。
真相は分からないが、但馬がアマ時代に練習していたのは東京のワタナベジムが殆どでもしかしてプロになった場合もそこに行くのではないかと思ったがそうでもなかった。
マスコミインタビューにもあるが、愛知県にある緑ジムを選んだ理由は自分の母親がいる地元だからという。
インタビューに事の詳細があるので割愛するが、プロになれば国籍は関係ないとしながらも随分と地縁血縁仲間意識が強いなと感じた。
仲間思い、家族思い、絆、地縁血縁とある意味ワンピース的世界観を平成生まれの人々が共有しているようにも思える。
寧ろではあるが若い人達と、昭和中期生まれの人々と明らかに帰属意識が違う。
K-1の世界やRIZINや最近のボクシングもだが彼らのパトリオティズムが強く感じられる。
「明らかに」を何度も使うが今の若い人達には当たり前にインターネットが普及していてSNSも既に定着していた時代を過ごしていたので直ぐに仲間意識が共有されるようになっている、ようである。
K-1、ボクシング、RIZIN、それぞれ活躍する場所も況してや生まれた場所さえ違っていても但馬の周りを見ても意気投合して和気藹々としているようにも見える。
SNSだから決して疎遠にはならないのだろう。
逆に中年壮年老年は趣味や政治的思想が絶対なものとなっていてそこから離れることが出来ずに更には仲間外れにされるのが怖くなって同調圧力を高めてしまっているようにも思える。
ジェネレーションギャップと言えばそれまでだろうが、中年壮年老年はインターネットやSNSが後から出て来てしまったので結果的に村社会化を強めてしまった感じにも見える。
ただ、仲間意識が強く感じられる但馬のこのパトリオティズムが却って足枷にならないかと感じる。
🟢地元愛となるとプロなので先ず自分で食って行けるようにしなくてはならない。
🟢ボクサーは個人事業主故にチケットやスポンサー収入に頼ることになる。
🟢スポンサーは地元企業が中心になるので結果的に離れることが難しくなる。
🟢よくてアジア圏での周回で終わってしまう。
緑ジムがどこまでやれるかではあるが、自身の興行を開いてたりするので力関係としては負い目は無さそうではある。
但馬に村田諒太のような大きなスポンサーが就けば直ぐにでも海外で試合を組んで世界への切符も掴み易くさせることも出来るだろう。
但馬の判断が今となっては正しいかどうかは分からない。
このままオリンピックを目指せば一年更に先送りになって世界への切符がきつくなるかもだが大口スポンサーが就く可能性があるのかも知れない。
ロンドン五輪金メダリストの村田諒太がデビューしたのは7年前で27歳の時であった。
初めから世界を目指していたので地域タイトルは無視してひたすらランキングを上げることに邁進していた。
それで漸くレギュラータイトルではあったが3年前の13試合目に漕ぎ着けることに成功した。
3年前だと村田諒太が31歳の時である。
如何に金メダリストとは言え、世界タイトルに漕ぎ着ける迄に数年以上掛かってしまう。
アマ5冠という国内王者がオリンピック蹴ってどこまで行けるかだ。
ダニエル・デュボアも東京オリンピック蹴ってプロボクシングに進んだがそれでも現状地域王者でしかない。
デュボアの次の相手はWBAゴールド王者でリオ五輪銀メダリストのジョー・ジョイスである。
デュボアとしてはコツコツと歩む感覚なのだろうが、イギリスのプロモーターが就いていて数試合もしない内に世界タイトルに漕ぎ着けられる可能性を持っている。
上田龍や京太郎を倒したって世界が注目するかどうか分からない。
空位の東洋太平洋ベルト取ってオセアニアの怪物達をねじ伏せることでアピールする他ないのではないかと思う。
国内や地域が当面の目標だとそれだけで終わる。
時間はあるようで残された時間はそんなにない。
ボクシングはイギリスとアメリカの持ち物なのでその中から割って入らなくてはならない。
但馬の最終的な目標の一つとしてアメリカで試合をすることだと言う。
ラスベガスで試合をするのだろう。
さて、それは何年後になるのだろうか。
地縁の建前と海外で試合をしたいという本音が交錯する🥊