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ジャンプで格闘技漫画、取り分けスポーツ漫画を描くことの難しさ🥊

先日、ジャンプでただ一つのスポーツ漫画が連載を終えた。

アオノハコはスポーツ漫画じゃないのかと言われるかもしれないが、あれはラブコメである。

別に主人公二人が今後どういう動きをするかということに主軸が置かれるのでスポーツが主だったものではないのは分かる筈である。

当初格闘技漫画を描く事の難しさと書こうと考えて暫く書き溜めていたのだが、ジャンプのスポーツ漫画が終わりを告げたことでこれは格闘技のみならずスポーツ漫画全般として考えねばならないと思い、原稿用紙だったら8枚分くらい書いてた内容を全部消して書き直すことにした。

状況が変わったので格闘技漫画どうのこうのとは言えなくなってしまった。

と、ここまで書いといてはなんだが個人的にスポーツ漫画は余り好きではない。

しかし、過去スポーツ漫画を読んでいた筈なので全般に嫌いと言う訳ではないと思う。

ジャンプはスポーツ漫画というよりも部活のスポーツとして主軸が置かれるので、学校生活と一体となっている筈である。

セクシーコマンドー外伝すごいよ!マサルさんはギャグ漫画ではあるがセクシーコマンドーという格闘技大会が開かれていてれっきとした部活スポーツをエンジョイしていたので実質的にはスポーツ漫画でもあったのではと今更振り返って思う。

しかし、マサルさんは一年半で終わってしまったのでギャグ漫画が連載を続けていくのはスポーツ漫画を描くことよりも苛酷だった筈だ。

凡そ30年前に連載していた変態仮面もギャグ漫画だったが、これも一年位で終わってしまった。

ギャグ漫画でも主軸は学園もの且つ拳法部所属でラブコメも多少混じってはいたが、結末がそうなのかと驚くものばかりだった。

少し逸れるが何度も書いて来たがラブコメは結末が分かっているのである。

初めに会った人と結ばれるのが掟ではあるが、しかしラブコメは案外と寿命が長い。

ただジャンプとしてはラブコメに主軸を置きたくないのだろうと思われる。

ニッチなジャンルを伸ばして確立させたい野望があるのは分かっているが、そこまで描ける作家に巡り合っていないのである。

それを新人に描かせて何度も潰しているのが分かるが、飽きもしないでよくやるなあと思う。

尤もジャンプは創刊時に人気作家を獲得出来なくてギャグ漫画で埋め始めたというところから出発しているので、この姿勢は半世紀以上経っても変わってはいないようである。

詰まり新人にこそチャンスはあるのだが、技術が未熟な為に読者の心を掴むことが出来なくて直ぐ終わってしまうというものばかりなのである。

ギャグ漫画の消耗は激しくて一年もしないうちに読者に飽きられてしまい、梃入れとして突如としてバトル漫画に変貌してしまうことはよくあった。

ギャグ漫画家はストーリーものやスポーツものを描く作家と比べて絵柄のレベルは低いのだが、いざバトルものを描き始めると迫力を遺憾無く発揮していつの間にか長期連載を続けることがあった。

全然ベクトルが違うのにギャグ漫画はスポーツが描けないのでバトルものをやるしかなく、それが却って子供達の心を掴む結果に繋がるのである。

バトル漫画にありがちな展開はトーナメントであり、団体戦であり、宛らスポーツ(部活)そのものである。

当然ラスボスは決勝戦や大将戦である。

バトル漫画が受けるのでスポーツ漫画は逆に対象を絞ってしまいそうである。

訳の分からないドマイナーなスポーツは当然受け付ける訳でもなく、定番のバスケやバレーボールや野球をやるしかなくなる。

大体そうしたメジャーなスポーツはこれでもかというくらい手垢まみれなので、ギャグ漫画同様に新人や連載待ち作家のレベルが低ければ読者に伝わることもないので直ぐ終わってしまう。

作者自身が連載という餌をぶら下げられているので余り思い入れがなさそうにも感じたりもする。

別にこの漫画はこの題材のスポーツをやる必要はないのではと思うことがある。

別に野球じゃなくても

別に将棋じゃなくても

別にゴルフじゃなくても

別に柔道じゃなくても

別に水泳じゃなくても

別にボクシングじゃなくても

別にフィギュアスケートじゃなくても

過去バスケ漫画がヒットした作家が次回作のゴルフ漫画を描いてもそれ程ヒットせずに短命に終わったことがあったが、現在は手芸部に所属して青春を謳歌する中身がおじさんの中学生漫画を描いているのだが個人的にあの漫画ってゴールがなさそうに感じてしまう。

主役や脇役が揃って色んなスポーツさせているのでこれは今の時代を逆に象徴させているのではないかとすら思えるようになった。

高校生家族はギャグ漫画だったが主役の一人である父親がバレーボールやった回だけが物凄く人気が出てしまったことがあったが、家族が学園生活を送るという無茶苦茶なテーマなので長続きをさせなかったという姿勢には寧ろ評価できたと思う。

その手芸部の漫画はキルアオというタイトルだが、色んなことをやらせていたりするも迷子になってることもあるので人気にばらつきが目立つこともある。

主役の名前もゴルゴ13だし、中身の設定も名探偵コナンだし、ファブルみたいな不殺だし(尤もこれはるろ剣)、青春をやり直すのも高校生家族だし、暗殺家業はジャンプでトレンドだし、ある意味よくこれでOK出たなと思ってしまった。

前にも書いたかもだが、多分ジャンプはスリーノックアウト制(スリーアウト制)を採っているのではと感じる。

人気が出る無し拘らず、ジャンプで3作品以上描き続けることは殆どないのではないかと。そりゃ例外はあろうが、一作品五年づつ続いても合わせて15年以上なのでそうなれば多分編集者よりも年上になってしまうのではと思う。

三度描き続けた後はグレードの上がった青年向け雑誌に連載したり、他の出版社で描いたり、WEBで描いたりとその身を他に移す。

キルアオで多分本誌では最後になるのではと思う。

そして逃げ若もアニメ化はすることになったが、多分これで最後だと思われる。

逃げ若もキルアオも不安定な掲載状況なのでその次がないというのが見て取れてしまう。

逃げ若もこれが始まる前は剣道の読み切りを描いていたが、スポーツ漫画にはならなかった。
(ネウロ→暗殺教室→逃げ若とあってもこの間に5年もの歳月が流れていたという)

リーダー伝たけしも連載が始まる前は剣道の読み切りを描いていたようだが剣道にはならなかった。
(たけし→(間にリング)→トリコ→ビルドと三度なので多分読み切りは続いても連載は難しいだろう)

日本刀を振り回す剣戟漫画はあれど、部活動としての剣道漫画は余りヒットしたためしがない。

そもそも考えてみれば非日常の剣戟を現実に下ろしてみたフィクションそのものが剣道なので、どうせならファンタジーを装う剣戟アクションの方が受けが宜しかろう。

剣戟は何故かバスケ漫画のように案外ヒットする。

るろ剣、BLEACH、銀魂(これはギャグ漫画だけど剣戟と言うとかなり怪しい)、鬼滅の刃、詰まり和風で時代劇っぽくあれば剣戟ファンタジーを描けるが逃げ若も剣戟の部類に入るのだろう。

段々と描いていく題材がなくなってしまい、遂にはスポーツそのものがジャンプから消えてしまう。

ジャンプは大谷翔平にスポーツ漫画の審査員をやらせるようだが、漫画を超えてしまうような人が現実にいるのだからもう漫画を描けなくなってしまっているのが現実なのではと思う。

逆に現実を描いてドン引きさせればいいのかと思えばそれは日常だし面白くもないだろう。

最後のスポーツ漫画だったグリーングリーングリーンズもあれも這い蹲る日常漫画だったので多くの人には受けなかったという結論を与えられてしまった。

今後はどうなってしまうのだろうか。

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