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アオのハコも噛ませ犬を出して来たのか🐕

漫画に於ける噛ませ犬とはどういうことか、噛ませ犬自体は闘犬に於いて負け続けた犬が自分よりも弱い犬を痛ぶることで闘うことに自信を付けさせるべく用意された犬ということなのだが、こと漫画に至っては連載に緩急(緊張感)を持たせるべく主人公達の恋路の絆をこれまでより鞏固きょうこな物とさせるために用意された非モテの雑魚キャラのことである。

漫画のラブコメをいくつか最初から最後まで通してみればある一定のリズムを感じることがあるだろう。

王道パターンは変えられなくて、所謂最初に出会ったヒロイン(または白馬の王子様)はなんだかんだ紆余曲折を経て最後まで別れることはなく最終的に結ばれていくというオチが用意されている。

7年前の呟きポストだがラブコメ描いて来た本人曰く、

王道は変えられないのでどうしても恋路を阻むキャラクターが必要になって来る。

それが噛ませ犬である。

作品に没入しているならば何奴と思うだろうが、現実は噛ませ犬ばかりである。

漫画と現実を混同させてはいけないとは言うが、現実の方が理不尽である。

噛ませ犬こそ現実の自分達である。

モブはモブらしく振る舞う
嫉妬に狂うモブ

恋人を横取りしようものなら物凄い復讐に駆られる筈だが如何せん噛ませ犬なのでノーダメージである。

冴えない、暗い、陰険、嫉妬に狂う、失敗を恐れる余り物怖じしただでさえ少ない手持ちのカードを自ら手放して終いには自棄糞となって自滅する。

そんな愚かな噛ませ犬を人々は笑う。

変えられない王道パターン故に人々はラブコメに惓んでしまうのだが、前にも言ったがジャンプにおけるラブコメは案外寿命が長い。

但し、ラブコメなら噛ませ犬だがギャグ漫画だと主人公なのである。

ギャグ漫画の主人公にもラブコメ要素が舞い降りて来ることがあるが大体失恋する。

ギャグは基本的に主人公は成長しないので転機が訪れては失敗し惨めな日常に戻ると言うことを繰り返すのである。

不思議である。

ジャンプ程ギャグ漫画に力を入れても悉く潰れるのに対し、ラブコメ路線を極力避けようとしてもそれが大体ヒットしたりする。

ラブコメ以外のジャンルであるギャグやハードボイルドやスポーツの中にラブコメを入れると大体二人の間で完結してしまい読者が置き去りにされるという虞を抱くらしいのでどうやらそれは御法度っぽい。

二人の間にある程度の緊張感や距離、壁があってお互い深く干渉しないようになっているようである。

前にも書いたかもだが、こち亀もそんな感じだったが結局距離作り過ぎてシン・エヴァンゲリオンのアスカとシンジみたいな関係になってしまったようである。

距離を作らないとヒロインに個性が出て来ず、それこそトロフィーと化してしまうからだろう。

汚物を睥睨する眼差し

ヒロインは優しい。

故に守る力も時に強く発揮する。

こんな汚物を見る目は北斗の拳でもユリアがシンに対して言い放った言葉と似ている。

ケンシロウとシンはライバル同士だったのにユリアはそのライバルを嫌っていたのである。

北斗の拳ではジャギやアミバのことを噛ませ犬だとして言われて来たが本当はヤラレ役のシンこそ噛ませじゃないのかと思う。

ユリアが途中で生きている設定になっててシンとケンシロウが初期に闘う理由がなくなってしまったからケンシロウに悟られないように悪役に徹する羽目となってしまったのは誠に憐れである。

これも連載が長く続くと初期のライバルが置き去りにされてしまう現象となるので噛ませ犬どころかピエロそのものになってしまう。

ただ、シンの付けた傷が後の記憶喪失に作用し始めて来るので北斗の拳も連載終盤にはちゃんとフラグ回収をさせたりもしていたのである。

屈服しそそくさと退場する噛ませ犬

主人公に負けた雑魚キャラはあっさり退場するのでその後どうなるかは分からないと言うのが定番。

その後復活して厄介な人間になることはないと思うが。

手を繋ぎ駆けていく笑顔の二人

「敵」を倒したことで二人の絆がより結束される舞台装置が用意される。

繰り返して言うが現実の噛ませ犬はどこにもおらず、自分達が現実の噛ませ犬なのである。

有り体に言えば「養分」だろう。

推しに恋人が発覚しても推し続ける人は養分の自覚を持っていてもそこは気にしない。

ここまで悟っているならば、これは寧ろ「育てている」という感覚すら覚える。

現実的には一方的に別れを告げられてもその後相手に他の恋人が出来た場合、噛ませ犬に手を噛まれたという感覚にはないだろう。

例えば政略結婚を余儀なくされて連れていかれるヒロインを奪うことは本来なら主役こそ噛ませ犬の筈だが恋愛を取ることでラスボスの男が一気に雑魚化することもある。

ドラクエ8は壮大な物語っぽかったが結局あれはヒロインを奪う話である。

ラスボス男が生まれながらの地位と権力を揮ってヒロインを奪うなんて考えがちだが「本当」はラスボス男とヒロインこそ昔から知っている相手の許嫁いいなずけそのものであり、噛ませ犬でしかなかった主役がヒロインに見初められたことで相手に噛み返すことの出来る力を持つようになったりする。

天空の城ラピュタのような主役がヒロインを奪還する場面があるが、そんな前近代の恋愛物語でもなく現実のヒロイン達も自立心があるのでどちらを選ぶかは本人の権利であろう。

こうした「待つ」という感覚は自由恋愛の今に於いても全然罷り通っていてこれが即ち非婚化並びに少子化の一因にもなっていたりする。

ねるとん紅鯨団も大体男の方から告白する権利が与えられているが女の方から告白するというものはない。

女の方はOKするか断るかという二択になるがよくまあ彼女いない歴=年齢の人間達を選ばざるを得ない地獄しかなくても最終的にOKしたりするよなあと思う。

演出やタレントの露出の為てこともあるだろうが、結局争って艱難辛苦を乗り越えたから安心出来るとでも思うのだろうか。

逆ナンという言葉があるように女の方から男に声掛けすることはない。

話を漫画に戻すが少年漫画でも少女漫画でもラブコメは共通して女の方が「待って」いるのである。

告白も男の方からの答えを「待つ」。

思わせ振りや匂わせをするが殆ど自ら告白することがない。

これでは男女平等には全然到達しない。

相手側の周りに虫が寄っていないことを確認してから答えを聞き出そうとするのだろう。

空から天使の如く非モテに舞い降りるようなことを人々は馬鹿にするが結果的に「自分から声をかけろ」「声かけても断るから」であって選択肢が沢山あると思っている。

選択肢なんかはっきり言って無いのにまだ余裕があると大半の人は思っている。

授かり婚(昔なら出来ちゃった婚)は意志を示さない男を取り囲むために行われたことだが、避妊術?が発達していてどうもそこまで思い切りの決断を示すことが出来なくなってしまったようである。

昨今の不同意性交罪が成立してから益々怖気付く人が増えたのではないか。

雑魚を寄せ付けない最高の法律が出来たかと思いきや、結局無敵の人は法律なんか無視するのでお悧巧さん達は相手に近寄らなくなってしまうことにみんな気付かない。

この不同意に関してはまた別の機会にするのでここまでにしておくが、世の中ねるとんみたいな社会になったらいつまで経っても結婚すら出来ないだろうと思う。

同意しない相手と結ばれる必要がないのでモブや雑魚や噛ませ犬らをどんどん切って捨てたら一体何が残るというのだろう。

白馬の王子様なんか来る訳ないので一夫多妻制を認めろという話になるのではないか。

現実が恰もフィクションに近づいているような気もする。

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