現実の壁は斯くも高い
入江聖奈が金メダルを獲得した。
アマチュアボクシングで且つ五輪種目で金メダルを獲得したのは3人目だと言う。
直近ではロンドン五輪の村田諒太の金メダルである。
あと二人残っているが彼等がこの次どのような成績を残すか不明ではあるものの少なくともメダル獲得は確実と言える。
男子勢が田中亮明を残して敗退してしまったが女子は二人とも生き残っている。
女子のレベルが上がったのだろう。
とは言うものの、試合数が少なくて出場が叶わなかった女子の選手も存在するので一概にとは言えない。
直前のエントリーにも書いたが、女子の競技人口が少な過ぎてプロボクシングは凡そ競技と呼べる代物ではないのである。
※語弊があるのでその事に関しては後述する。
入江聖奈はボクシングを大学在学中一杯で引退をするという。
プロボクシングを目指すつもりは微塵もないようだ。
東洋大学職員だった村田諒太も元々プロに進む気はなかったのだがプロに転向した。
電通のプッシュだろうとは思うが、村田自身もベルト取るところまでいられたのはフジテレビと電通の御蔭と言っていた。
さて、入江は大学卒業したらカエル関連のところへ就職したいと言ったりしてそれが出来なければゲーム会社に就職したいと言っていたようである。
ボクシングをやり切ったということらしい。
これがお金のある時代だったらどうだったろうか。
テレビ局もお金出して女子ボクシングを注目させようと考えていたのではなかろうか。
現在コロナ禍でプロでさえも試合が儘ならない状況で世界チャンピオンまで辿り着けることが出来るのであろうか。
タイミングが悪く客を集められない、外国人選手も呼べない、そもそもJBCがコロナ脳なのでこのハードルがクリアできなければボクシングの復権が有り得ないのである。
テレビ局も視聴率が第一なので金メダリストが無双してチャンピオンベルト獲るストーリーを獲得出来ればという話にもなろう。
フェザー級のチャンピオンは入江ただ一人。
日本人でフェザー級の世界王者は存在しなくて地域王者と日本王者の二人しか存在しない。
もしも入江がプロとなってA級から入り込めばこの二人との直接対決となろう。
↑これは女子日本育成ランキングと呼ばれるもので毎月更新されている。
↑こちらは一般的な男子日本ランキングと女子世界王者並びに地域王者の名前が登録されている。
勿論男子のランカーはA級からなのでそれ以下はカウントされていない。
しかし女子の場合はその競技人口が少ないので育成ランキングにはC級から1勝しただけでランク入りするという。
つまり、1勝しただけで負け越してもランキング入りするというものになっている。
C級で負け越してもA級の選手が勝ち越してもランキングでは上に来ているという現象も起きている。
現在試合が出来ない状況が続いているので男女関係なくランキングがほぼ塩漬けとなっているのが現実ではあるが。
残念ながら体裁を取り繕っているという感があって女子ボクシングが世間的な知名度に辿り着いているというような印象はない。
これならRIZINに出場した方がまだメジャー感がある。
月曜から夜ふかしに出ていたフェフ姉さんもRIZINに出たいと言っていたからその注目度は計り知れない。
ただでさえ女子のボクシングは地上波もなく注目度も薄い。
これなら別にそれを目指さなくても良いと言うことになる。
現実的には女子のスポーツは政治的主張の棍棒となってしまっていてまともな評価をされてない。
外側から注目を浴びさせようとしても横槍が入り頓挫する。
政治的主張の道具以外は注目されないので誰も観なくなるという悪循環に陥る。
ガラスの天井という言葉があるがこれはガラスの壁である。
前に進めないのである。
誰がガラスの壁を作っているか分かって来そうではある。