やっと「日常」に戻って来た🏠
サカモトデイズという漫画が連載3年目(厳密に言えば3年半)にしてアニメ化することとなった。
初めから日常を中心に非日常とを行き来するこれまでのジャンプにあった形の漫画だったが、アニメ化決定し出してから漸く日常へ帰ることを決意した、と言えよう。
正直、このまんまバトル漫画に突入したら蟻地獄になるのは間違いなく、ある一定の支持層を固めてコミックスを買わせることが出来るが、カルピスの原液を更に10倍以上薄める結果となってしまう。
アニメ放送は来年の1月なので連載は4年目となろうが、多分ここで作品としては折り返し地点になるのだろうと確信する。
敵が見えて来る。
そして主役の目標が定まって来る。
愈々この物語の結末が分かって来る。
ジャンプは大体長期連載しても5〜6年くらいになっているので、この漫画も大体あと長くても3年の掲載期間なのだろう。
北斗の拳はついぞ日常には戻らなかった(そもそも闘いが日常だから)。
銀魂もサカモトデイズと似た感じだったが平成の長期連載陣に入っていたために着地点が定まらずに途中打ち切りとなってしまった(後に掲載誌を変えることで終わりの目処を立てたがそれでも何度か連載して結果的にWEBで終わらせることになったが)。
長期連載を作ると次回作を描けなくなるという負い目もある。
こち亀も永遠に続くかと思ったが切り方も潔かった。
非モテで独身寮に暮らす両さんが結局麻里愛と同棲したり擬宝珠家に住み込みしたりと疑似ではあるが「家庭(日常)」を作ってしまったのである程度の終わりの道筋を作っていた可能性はあったのだろうと思われる。
考えてみればこのこち亀のヒロインとの結末もシン・エヴァンゲリオンに似てて一番近かった筈(麗子)なのに新キャラ(麻里愛や擬宝珠纏)に取られたりと、既にキャラの関係性においてこれ以上の接近が出来ない疑似的な家族が出来てしまったのではないか。
話を戻すがこのサカモトデイズは家族(や仲間)が新たに加わったり減ったりすることがあまりないので初期ヒロインが欠損することはないラブコメ的な展開を見せているようにも思う。
北斗の拳も初期メンバーが欠落しないというのもそうなのだろう。
どんなに新キャラが入っても初期メンバーが残っているというその辺りは男塾にも似ている。
ドラゴンボールは初期メンバーというよりもその次の亀仙人の修行編辺りのメンバー中心になっていったが、これはドラゴンボールがギャグ漫画からバトル漫画へと変貌を遂げる転換期だったからだろうか。
サカモトデイズもよくよく俯瞰すると絵柄が随分と変わっている。
敵キャラは言うに及ばずモブでさえも随分と写実的なシリアスな感じになっているが、初期メンバーらは漫画みたいな明るい表情のキャラクターばかりなのでギャップを感じる。
ナルトもそんな感じだと思う。
初期は漫画のデフォルメされたキャラだったのにシリアスになるとキャラの顔が段々と固くなっていく。
幽遊白書やハンターハンターもそんな感じである。
逆にドクターストーンは癖の強いキャラだったのに終盤はデフォルメし過ぎだろというものに落ち着いた。
気づかないかも知れないがワンピースもである。
ルフィも漫画キャラではあるが周りの人物の表情が随分とシリアスになっていってる。
まあ長期連載あるあるなのだが。