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短いなにか
アルミホイル
アルミホイルに故郷はどこなのと聞いたら、上を向いて涙を流し始めた。
どこか連れて行って欲しいところはあるのと聞くと、窓辺に置いて欲しいと言うので、カーテンに貼り付けてあげた。
夜が来て、アルミホイルは星を見ていた。
仲間はどこにいるのと聞くと、ここにいると言って、少し笑った。
(2024年10月19日)
蘇る
汗のように流れていきそうな言葉を保存しておいた
季節が変わって触れてみる
それは思い出の写真みたいに蘇って
もう違うとわかった
私はまた言葉を保存しておく
ありきたりのいつでも思い出せそうな日常を保存しておく
次の季節には宝物になっていることを知っている
(2024年9月21日)
世界で一番甘いもの
世界で一番甘いもの。
月を一滴、太陽を一滴、恋を一滴、秘密を植えた砂をまぶして若葉の羽でひと掬い。
桃の扇子で隠しても、蜜蜂たちが賛歌する。
(2024年9月19日)
傘
月が傘をさしている
雲より明るい虹の傘
私は傘に入ろうと、真下を目指して歩いてく
傘がくるりと回りだす
きょうはここまでまたあした
月は傘をさしてない
真下に行って気が付いた
月は傘の破れ目の、向こうの世界の月だった
わたしは傘の下にいた
雲より厚い綿の傘
(2024年9月19日)
砂浜
けれど、書いても書いても波が消していきます。僕は、何も残せないガラスの破片を握ると、雨のように砂浜に落ちました。
美しいと思いました。戻れないと思いました。伝言を残そうと思いました。
(2024年4月20日頃)
闇の音
闇の音を聞いてみた
闇の音を知っていた
心臓の音が鳴っていた
(2024年7月30日)
明るい闇
明るい闇っていうのはね
くっきりはっきり真っ黒い
その中にいたら怖くない
何よりも黒い闇だから
守ってくれる闇だから
何も混ざっていないから
すべてが混ざっているのかな
わたしが混ざっていいみたい
混ざらなくてもいいみたい
いつでも闇はそばにいる
いつでも闇は待っている
(2024年7月30日)
青
青は透明の色で
青は螺旋の色で
どこにでも隠れて
どこにでもある
(2024年7月30日)
キラキラの石
キラキラの石を
ギラギラに磨いて
眩しすぎるから
川に沈めた
ギラギラの石は
苔むして
キラキラ鱗の
赤ちゃん育てた
(2024年7月21日)
花火
闇が花火に驚いて川面にきみを誘い出す。
きみはパシャンと跳ねてみて花火の形に波紋を作る。
(2024年7月6日)
星
夜空の星をつなげたら、なんだって描けた。花も、魚も、鳥も。だけどそれは、星だった。あれは花、あれは魚、あれは鳥、違うんだ。あれは星だった。なんにでも見える。卵が見える。爆弾が見える。星が見える。僕は瞬きをした。星も瞬きをした。
(2024年6月18日)
夜空の星をつなげたら、なんだって描けた。花も、魚も、鳥も。だけどそれは、星だった。あれは花、あれは魚、あれは鳥、違うんだ。あれは星だった。なんにでも見える。卵が見える。爆弾が見える。星が見える。僕は瞬きをした。星も瞬きをした。
— 草村のなか🌿 (@6hmWElwpVnvXucY) June 19, 2024
アメダマモドキ
傘を差すあなたの足元の水溜りに、ぱちぱち弾ける波紋があったら、それはきっとアメダマモドキ。雨粒といっしょに鬼ごっこ。遊びに夢中で雨がやんでも気付かずに、水溜りに波紋を作っていたら、「雨はやんだよ」と教えてあげて。きっと彼らは急いで葉裏に帰るでしょう。
(2024年5月28日)
月と太陽
夕暮れ前の空にぼんやり浮かぶ白い月と、深夜に輝く金色の月は、どっちが好き? と、真っ昼間の太陽の下で聞くきみが好きだと思った僕の耳は赤くなった? だからやっぱり赤く見えるのは太陽が照りつけているせいだよと言える場所で聞いてくれたきみが好きです。
(2024年5月27日)
草原
見上げれば青空。数えきれない紫花のシャンデリア。漂う香りは藤の花。風が草原を染める。赤から黄色へ黄色から緑へ。腰まで埋まる草の中を、あの子は進む。迷子の綿毛がやってきた。あの子は笑って手を伸ばす。笑顔につられて綿毛は踊る。どこへ行こう。雲の隠れ家はどうかな。目印の柳を探そうね。
(2024年5月26日)
🌿見上げれば青空。数えきれない紫花のシャンデリア。漂う香りは藤の花。風が草原を染める。赤から黄色へ黄色から緑へ。腰まで埋まる草の中を、あの子は進む。迷子の綿毛がやってきた。あの子は笑って手を伸ばす。笑顔につられて綿毛は踊る。どこへ行こう。雲の隠れ家はどうかな。目印の柳を探そうね。
— 草村のなか🌿 (@6hmWElwpVnvXucY) May 26, 2024
あなたが花を愛でるなら
あなたが花を愛でるなら、私は土に願いましょう。
あなたが木陰を望むなら、私は雨を呼びましょう。
あなたが未来へ行くのなら、私は種になりましょう。
(2024年4月6日)
このページのヘッダー画像はこの短文をChatGPT 4oに読んでもらってDALL·E 3の機能で生成してもらった画像です。(2024年5月19日)
風媒花
まっすぐ育った。大きく育った。きっとみんなが喜ぶはずだった。足りないのかもしれない。仲間を増やそう。もっともっと。ふるさとの空を黄色く染めて旅に出る。行先はわからない。誰にも頼れない。ただ風に乗る。私が辿り着けなくても。アスファルトの上が最期でも。きっと仲間が叶える。私は風媒花。
(2024年3月23日)
まっすぐ育った。大きく育った。きっとみんなが喜ぶはずだった。足りないのかもしれない。仲間を増やそう。もっともっと。ふるさとの空を黄色く染めて旅に出る。行先はわからない。誰にも頼れない。ただ風に乗る。私が辿り着けなくても。アスファルトの上が最期でも。きっと仲間が叶える。私は風媒花。
— 草村のなか🌿 (@6hmWElwpVnvXucY) March 22, 2024
春
どこから来たの
南から来たの
どうやって来たの
風に乗って来たの
どこへ行くの
土の中へ行くの
何しに行くの
おはようって言うの
(2024年3月2日)
#春という言葉を使わずに春を一人一個表現する
— 草村のなか🌿 (@6hmWElwpVnvXucY) March 2, 2024
どこから来たの
南から来たの
どうやって来たの
風に乗って来たの
どこへ行くの
土の中へ行くの
何しに行くの
おはようって言うの