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【塾なし】数学を武器にする、医学生の勉強法【国立医3校合格】

※pcやiPadだと見やすいと思います。

面倒なので導入は省きます。

対象は、受験で数学を使用するすべての方です。
高校1~3年生、浪人生、中学生、etc…とにかくみんなです。

導入の代わりに筆者の経歴を記しておきます。
本noteの信頼性に寄与できればと思います。

<筆者の経歴>
山梨大学医学部に【入学辞退】(現役時・後期)
国立大学医学部に【合格】(宅浪時・前期)
国立大学医学部に【合格】(宅浪時・後期)

※生涯で通塾経験はないです。
※通信教材の使用等もないです。
※私立受験はしていません。
※国立の医学部に3校合格している実績の持ち主は滅多にいないと思います。

本noteは結論編と理論編の2部構成になります。

結論編は無料で読めます。ここを理解・実践すれば理論編はぶっちゃけ不要です。理論編は一部有料ですが、興味のある人は覗いてみてください。
チップ代わりにでも…(厚顔無恥)

それでは本題に入っていきます。

【結論編】


最初に結論から述べていきます。
数学の勉強においてやるべきことは以下の通りです。

1. 教科書レベルの理解(基礎事項の理解・習得)
2. 網羅系問題集(定石の蓄積)
3. 過去問演習(傾向の把握・傾向への適応)
4. 傾向の重点対策+苦手事項の穴埋め(基礎の反復)
5. 上記3, 4のサイクル学習

※各段階において完璧でなければ先に進んではならないなんてことはありません。
※せいぜい7~8割の理解度・完成度であれば次のステップに進んで平気です。
※各段階で使用する教材は1つで十分です。

<1. 教科書レベルの理解>


ここでは、数学の基礎事項を身につけることが目標です。基礎をなくして入試問題を解くことなどできません。可能な限り理解に基づいて基礎を習得してください。

使用教材:
・教科書
・教科書レベルの簡単な参考書など

目的:
・基礎事項の理解、習得

やること:
・定義の理解
・定義を再現可能にする
・例題や練習問題を解けるようにする

補足:
※上記ができれば教科書レベルの理解はOKと言えるでしょう。
※基礎事項が7〜8割程度わかるようになれば次に進みましょう。
※いろんな問題に触れる中で理解が深まっていきます。
※そのため完璧に仕上げる必要はないです。

<2. 網羅系問題集>


教科書レベルで学んだ基礎事項を、標準的な問題集を通じて一般化していくことが目的です。問題から抽出したエッセンスを一般化し、定石として蓄積していきましょう。単に解くのでは意味がありません。「なぜその操作をするのか」ということを説明できるようになるまで問題を分析するのが理想です。

使用教材:
・青チャート
・赤チャート
・フォーカスゴールドなど

目的:
・本質(エッセンス、ポイント)の抽出および一般化
・定石の蓄積

やること:
・解法暗記
・解法選択の理由を理解し、説明できるようにする
・問題を見たときに解答までの道筋を説明できるようにする

補足:
※単に大量に問題を解けば良いわけではありません。
※各問題から本質を抽出・一般化し、定石として蓄積することが目的です。
※抽出した本質を複数の問題に適用する訓練も兼ねます。

※例題から解法の理解・暗記し、練習問題等で練習するのが良いです。
※解法選択の理由および具体的操作まで説明できるようにしましょう。

※理解の難しい箇所があれば教科書レベルの確認も怠らないように。
※難問(赤チャートで言ったら星5~4)は志望校のレベルや学習段階に応じて飛ばしたり後回しにして構いません。

<3. 過去問演習>


ある程度の基礎、標準事項が身に付いたら過去問に取り組みましょう。過去問演習こそ最強の受験対策になります。ここを避けては合格に向けて効率的な対策ができないばかりか、真に合格に必要な能力も身につけることはできません。なるべく早く過去問に取り組み、傾向を分析し、傾向に基づいた対策をしていくことが最重要です。

使用教材:
・志望校の過去問

目的:
・志望校の傾向分析、傾向把握
・試験形式および試験問題への適合
・定石を見抜き、使用する練習
・自分の弱点の把握

やること:
・過去問を解く(なるべく本番形式で)
・過去問から傾向を分析する

補足:
※過去問にはなるべく早い段階で取り組むのが望ましいです。
※ステップ1, 2の完成度が7~8割であれば過去問に挑戦してみましょう。
※初挑戦で惨敗しても問題ありません。
※初挑戦で合格点を取れる受験生は滅多にいません。
※過去問をやることで、志望校に特化した能力を身につける道筋が見えます。

<4. 傾向の重点対策+苦手事項の穴埋め>


過去問演習・分析から得られた傾向に基づいて、傾向に特化した対策をしていきましょう。傾向外の問題演習は最低限の基礎知識を保持するためにほどほどにしましょう。傾向外の問題を大量に演習し、得意にしたとしても試験当日に出題される問題を解けなければ話になりません。傾向の対策+弱点の補強により、志望校に特化した得点力を身につけましょう。

使用教材:
・ステップ2で使った網羅系問題集
・弱点補強のための追加教材(ほぼ必要ない)など

目的:
・志望校の傾向に特化した能力を身につける
・苦手事項を復習し、基礎を堅牢にする

やること:
・過去問演習により把握した傾向に特化した問題演習
・自分の弱点の強化

補足:
※試験に出題されないことを勉強しても合格への貢献度は低いという観点から、傾向に基づいた対策をすることに意味があります。
※数学のスペシャリストになる必要はなく、あくまでも傾向に特化した問題を解けるようになることが合格に必要です。
※そのため数学の問題全てを解けるようにする必要はないです。
※合格に向けて目指すべきなのは志望校に特化した得点力を身につけることです。

<5. 上記3, 4のサイクル学習>


志望校に特化した得点力を身につけつつ、過去問を繰り返し演習しましょう。過去問は一回解いただけで終わりにしてはいけません。何度も繰り返し解きましょう。過去問演習により得られたさらなるフィードバックをもとに、志望校に特化した得点力を磨いていきましょう。

使用教材:
・今まで使った教材
・弱点分野に特化した教材
・志望校のレベルに類似した問題集も適宜使用してもよい

目的:
・志望校特化型得点力の養成
・過去問への適応
・弱点の強化

やること:
・過去問と網羅系問題集のサイクル学習

補足:
※3, 4で述べたことを参照してください。
※その他は特筆すべきことはないです。

<留意点>


・各段階において完璧でなければ先に進んではならないなんてことはありません。
・せいぜい7~8割の理解度・完成度であれば次のステップに進んで平気です。
・各段階で使用する教材は1つで十分です。
・複数の参考書に手を出すことは余計なことの典型例です。
・1つの参考書を徹底的にやりこむことが大切です。

【理論編】


結論編で述べた内容を補強するための解説になります。理論編を理解することで、結論編の各ステップをより効果的に実践できると思います。

まぁぶっちゃけ結論編を理解・実践さえすれば問題ないです。ここから先は興味のある人だけが参照してください。

<大学入試数学が要求する能力>


大学入試数学では、数学の基礎知識に基づいて論理的思考ができるかを測っているだけです。したがって、突飛な発想や特別な才能は微塵も必要ありません。基礎事項および、網羅系問題集から抽出して一般化した本質を組み合わせて適用すれば(ほぼ)すべての問題は解答できるように作成されています。決して、発想力や才能に溢れる天才を求めているわけではありません。

すべての入試問題は解答できるように作成されているという前提に基づき、基礎・入試標準レベルの知識や本質を蓄積し、それを個別の問題に適用する訓練を積むことが合格に必要です。このような能力を身につけるために、教科書・網羅系問題集・過去問に取り組むことが必要になります。

<数学は暗記ですか?>


暗記です。

といっても、「この問題はこう解く」というように1問につき1つの解法を暗記するわけではありません。1つの問題から複数の問題に適用できるようなエッセンスを抽出し、その本質を蓄積していくことを解法暗記と言っています。あくまでも本質を暗記する必要があるだけなので、各問題の答案を暗記することは不要です。

本質を蓄積することを解法暗記と言っていることに留意してください。網羅系問題集から蓄積した解法を組み合わせることで、大学入試の問題は解答できるように作られています。

<単に問題を解けばいいのではない>


単に大量の問題をこなすこと自体にそこまで意味はありません。大量の問題をこなすということを目的とすることは、時間効率が悪いという点で合格にとっては非効率です。数学が趣味でない限りは、大量の問題をこなすことを目的にしないでください。

さて、問題を解く目的とはなんでしょうか。個別具体的問題を解けるようにすることが目的でしょうか?いいえ、違います。もし、個別具体的問題を解けるようにすることが目的であれば、大学入試にて出題される初見の問題を解けるようになるはずがありません。

では、問題を解く真の目的とは何か…(ネットリ)

それは、問題から一般化されたエッセンスを抽出し、複数の問題に適用できる本質を蓄積するためです。一つ一つの問題の裏側に隠されている武器を発見・収集しているのだと思って貰えば良いです。

網羅系問題集に掲載されているすべての問題は、「〇〇という考え方(=本質)を身につけてほしい」という意図のもとに編纂されています。したがって、この問題のエッセンスはなんだろうか、どのような能力を身につければいいのかを意識して取り組むことが不可欠です。

単に大量に解き、問題数をこなせば良いということではありません。漫然と解き進めるだけでは、真に身につけるべき事項の大部分を見落とすことになるでしょう。

<網羅系問題集の威力>


網羅系問題集には、過去に大学入試で出題された傾向をもとに、大学入試と戦う上で身につけるべき考え・定石が網羅されています。また、ここに掲載されている問題は大学入試で頻出の内容であるとともに、「この〇〇という考え方を習得してほしい」という意図に基づいて編纂されています。

すなわち、網羅系問題集で大学入試における標準レベルの知識を身につけるとともに、各問題から抽出・一般化されたエッセンスを定石として蓄積していくことが最も効率的な対策になります。

すべての入試問題は基礎・標準事項の組み合わせで解けるように作られています。

そして、網羅系問題集からは、入試標準レベルの本質・定石を満遍なく得ることができます。これを大学入試に適用することで(ほぼ)すべての問題が解けるようになっていきます。

<網羅系以外の問題集は使わなくて良いの?>


ほとんどの受験生にとっては不要です。

この後に筆者の使用した教材を載せていますが、筆者は過去問以外には網羅系問題集+計算速度養成のための教材しか使用していません。やさしい理系〇〇やら〇〇チカ、入試〇〇の掌握やらの追加教材に取り組むことは必須どころか、多くの受験生にとっては合格に対する遠回りになってしまいます。

身につけるべき事項はあくまでも、基礎+入試標準レベルの本質になります。そして、これを身につけるには網羅系問題集一冊で十分ということです。

例外:
共通テスト対策として緑チャートを使ったり、整数や確率など特定分野が苦手で、その分野を補強するための追加教材を使用することは可です。(苦手分野の補強も、網羅系問題集に乗っているすべての問題をやり込めば克服可能だと思いますが。)例外とは言いましたが、やたらめったらに教材数を増やすことは推奨していませんので、そこだけはご注意ください。

<網羅系問題集の取り組み方>


実際の試験場では、記述や計算を考慮すると思考に使える時間は10分程度でしょう。網羅系問題集に取り組む際には、10分程度考えてみて分からなければ解答を見て、不足していた知識や本質・解法を分析しましょう。

解答を分析する際には、「同系統の問題に初見で出会った時に、どうすれば自然に解答できるだろうか」ということを突き詰めましょう。そして、個々の操作を行う理由や目的等も理解し、説明できるようにしましょう。

分析ができたら問題をもう一度見て、「その問題が身につけて欲しいと意図していた事項はなんなのか」といったことや、「解答の方針と具体的な操作」の説明を後述で行なってみましょう。このときに詰まったり曖昧で説明できない部分があれば、まだ理解不十分ということになります。その部分についての理解を深め、解法を蓄積しましょう。

一度解放暗記できたと思っても、翌日や数週間後には忘れているということが起こりがちです。ずっと覚えているために押さえておくべき要点は何か、という視点も持つようにしましょう。

<網羅系問題集の復習の仕方>


とはいえ、どれだけ頑張ったところで人間の脳は物事を忘却するように作られています。したがって忘却することは前提に、復習を重視して学習する必要があります。したがって、網羅系問題集を繰り返し解く必要があります。

それでは、どのように問題集を復習していくか。

まず、すべての問題を記述で解き直す必要はありません。既に身に付いている問題や自分にとっては簡単な問題を記述答案に仕上げて復習するのでは、時間効率が非常に悪いです。したがって、網羅系問題集の復習としては、「例題を解くための道筋やポイントを口述で具体的に説明する」というのが最も好ましいです。

問題を解く目的は、個別具体的問題を解けるようにすることではなく、問題を解くためのエッセンスを抽出することです。したがって、どの解法を用いるのか、抽出したエッセンスをどのように適用するのかを口述で思い出すことで復習しつつ、長期記憶にするべくメンテナンスする必要があります。

また、解答の要素としては、①解法の選択、②計算の実行、③記述答案を仕上げるというものがあげられます。どんな問題を解く時でもこの3つの訓練になりますが、網羅系問題集では特に①で用いるための解法を蓄積することが目的になります。②具体的数値の計算や③記述答案を仕上げることは小目標くらいのお気持ちです。したがって、解法暗記のためには時間効率の良い口述説明が最も適しているということになります。

最低3周はしようなどという誤ったアドバイスがありますが、周回の回数が受験の合否に直接関わっていることはありません。重要なのは、個別の問題から抽出したエッセンスを一般化し、そこから得られる解法を蓄積しつつ長期的に記憶することです。

長くなりましたが、あくまで網羅系問題集では解法蓄積が目的ということです。効率的に解法暗記を行い、記憶をメンテナンスすることで入試問題を突破するだけの武器を収集しましょう。

<筆者が使った参考書>


・赤チャート
・計算革命
・基礎力完成(鉄緑会)
・東大の過去問(鉄緑会)
・受験校の過去問
・共通テスト過去問

赤チャートは学校で配布されたので使っていました。その他教材(メジアン、クリアーとかだったと思う)も配布されていた気がしますが、無闇に問題集を食い散らかすのは非効率と考え、赤チャート一本を単語帳のようにやり込みました。

下5つは買いました。計算革命、基礎力完成は計算速度を上げるために使用していました。基礎力完成は基礎の定着にも役立つのでかなりおすすめです。

東大志望だったため東大数学をやっていましたが、数点差で惜敗しました。何点差だったかは忘れた。他の受験校の過去問は撫でる程度にやりました(ここはあまり参考にしないでください)。受験校の過去問は何度も取り組んだほうがいいです。

最終的に、赤チャートは解法暗記のためのいわば単語帳と化していました。一度理解・習得したと思ってもしばらくしたら忘れてしまうので、口述で問題解答の方針を具体的に説明することで、記憶のメンテナンスをしていました。東大の過去問も最後の方はそんな感じになっていました。


重要な話はほとんどしました。

以上のことを理解・実践すれば数学での得点力が身につき、数学以外にも時間をかけられるようになるでしょう。

みなさまが志望校合格にグッと近づいてくれることをお祈りしています。

ここからは記事を購入してくれた人にだけ、効率的な学習をするための話を書きました。ここまでの記事がためになった、良かったと思ってくれた方はチップがわりに購入してくれると嬉しいです。

内容は以下のものになります。
・基礎習得および記憶の効率化
・過去問至上主義を貫け

それでは付録的な部分をどうぞ。

<基礎習得および記憶の効率化>


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