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【現地ルポ】宮城県加美町の4.2MW風車の騒音問題を調査してみた  2024年10月2日、3日 「離隔距離2km必要」は妥当!と確信。

宮城県加美町にJREが建設、稼働している4.2MW風力発電の状況を10/2−3にわたり調査してきました。加美町 漆沢地区の映像です。
10/2 夜8時ぐらいとその次の10/3 の13時ぐらいに撮った映像です。
2方面から2つの風車の1.2km 1つの風車の1kmに民家がありその付近で撮影をしました。
カメラの映像では音は拾いにくいとは思いますが、特に夜には、かなり双方の風車から風を切る音、航空機がずっと飛んでいる、それも反復音 といった音がして、身体が包まれるような体感をしました


加美町役場の担当者にも確認し、5件について写真のような内窓をJREがつけている。とのことでした。写真は風車の逆側ですが、全窓をそうした処置にしたとこのことです。

 写真のバラの木のところに立っておられるおかあさんに尋ねると、「風車がたったばかりのときは音が相当した。そこで事業者に伝え、相談して、内窓を家の全ての窓につけていただいた。よかった。」 「外にいたりすると相当聞こえます?」と尋ねると「聞こえます」。また、「家の中だと前はうるさかったけど、今は大丈夫ってこと?」「はい、そうです。」とのことでした。

この加美町の騒音問題については、加美町町議会の2024年3月議会と9月議会の一般質問で以下の言及があったことを知り、現場の調査に行ったといういきさつです。

この議会でも騒音公害が問われています。行政側は、JREの内窓の取り付けなどの対処策を提示して、「今は苦情はありません」と質問を完了しています。町長も言及していますが、JRE は、風車近接地域の自治会に資金を提供して、公民館の修繕をしたり、子ども達にランドセルを配ったり、奨学金を配ったりしています。また、加美町の場合、この事業において自治体に年1千万円の資金提供がおこなわれているようです。

しかしながら、今回の調査でわかったのは、4.2km 風車から1km、1,2kmの地点にある民家では、風車騒音による騒音公害が明らかに認められたということです。

今、鶴岡市では三瀬矢引風車の事業が進められようとしていますが、

今般の鶴岡市矢引の風車は1.2kmのところに由良保育園があります。庭にでると音がうるさい。窓を閉め切ったままにしなければならない。なんてなったら、せっかく静かないい環境にある保育園の価値や、何より大事にされるべき、安全安心が損なわれるのではないでしょうか。

又、静かな場所を選んでお住まいなのに、窓を開けられないだの、庭にも出れないだのということになったら、都心のような環境と同様の生活環境になってしまう。ということだと思います。

それに、内窓をつけたことで解消する家屋もあるかもしれないが、風車騒音に多く含まれる低周波音の特性からすれば、二重や三重のガラス窓でも透過して睡眠障害など、人体に影響を与える可能性もあるということは、北大の田鎖先生の講演などでも言及されていることです。

先日、私は鶴岡市議会2024年9月議会で、この矢引風車計画では想定地域で、1km以内に582戸という数字を示しましたが、準備書で明らかになった 矢引風車の立地ポイントで再試算すると、風車から1.0km以内に、中山集落全体、中沢の数軒を含めて30件ほどがあります。
1.5kmになると由良を全部呑み込むことになるので、500戸を超えることになります。
これは、加美町の事業以上に大変大きな問題を抱えていると思います。

改めて、9月30日に風車騒音と健康被害の研究の日本の第一人者であられる影山隆之先生、田鎖順太先生が提起された以下の意見書
「4.2MW風車ならば民家との間に2kmの離隔距離が必要。」という指針は現実に即している。妥当であると実感をしました。
この案件については以前Noteに書きました。
https://note.com/kusajima888/n/na3d5e8323c0d

意見書全文はこちらです。ぜひダウンロードしてご活用ください。

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