再鋼築フィクション の歌詞に込められた物語を、ヒトとキジン準拠で考察していきます。
一瞬だけ、嬉しくなった。
手を差し伸べてくれた、あの時のことを思い出して。
きっと、お互いにあの頃のようになりたいと考えていたんだろう。
同じ事を思い出して。
けど、その夢はすぐに否定された。
感傷に浸ってる暇は無い。
互いの想いが少しづつ食い違い、
心がどんどん離れてしまっていたのだから。
ああ、この銃声と人々の叫びが止まぬ中で 僕らは互いに食い違う主張を譲り合わず、激しくぶつけ合う。
それがとても、とても嬉しくて、有難くて。
けれど、何か少しずつ違和感を覚えてくる。
この感動は、自己満足に過ぎないのではないか?
再会出来て嬉しいはずなのに、こんなにもかなしく映って見えるのは、
離れてるあいだ、無意識にもどんな形であれ、お互い求め合っていたからなのだろう。
綺麗な想い出が汚れてしまわぬよう、今現在の過酷な環境の事を考えてやり過ごした。
余計な事を考えない様に、自分の目の前にある刃先に集中した。
止まったら死んでしまうこの戦場で死なない為に、ひたすら前に進む事だけ考えた。
それなのに、君を救おうと差し伸べたつもりのこの手は、
その手に握る刃物で、君を切り裂いてしまっていた。
ああ、おかしいね。偶然であるはずの僕らの再会を、僕らは必ず再会できると確信していたんだ。
お互い意地を張り合う事なんて僕ら、する必要は無かったのではないでしょうか?
そうだ、そんな事はわかっているんだ。
ああ、未来を信じて共に自分の考えを曲げなかった結果は、ずっと抱いていた夢に辿り着けたのだろうか?
とても、とても素晴らしい事だと思っていたのに
いつの間にかおかしくなっていた。
一体誰のためにしていたんだろうか?
愛しくて、哀しくて、僕らずっとこんな場所であるにも関わらず
いつまでもずっとこの時間が続けばいいのに、そう思っていた。
"そちらの世界はどうでしょうか?"
ありがとう、ありがとう
(※)突然、君が浮いた。の「そちらの眺めはどうですか?」という問いかけに対する返し言葉
ヒトの為なんて適当ないいわけを付けて
互いにぶつかり合おうじゃないか
僕らは敵同士なんだ、取っ組み合っても構わないだろう?
せめて数多の屍体に埋もれて、誰が誰か分からなくなってしまう前に…