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これからの『橘ありす』の話をしよう
2012年夏、アイドルマスターシンデレラガールズで発表された選抜総選挙は、猛烈な勢いを保ったままプロデューサーを巻き込み、駆け抜けていった。
そして当時145人のアイドルが各々鎬を削り、膨大な数の投票券が飛び交った。
総選挙の結果は7月30日に発表され、およそ8ヶ月後の4月10日に第2回の開催が告知された。
というのが今、行われているシンデレラガール総選挙のそもそもの始まりです。
今や第9回を数えるまでになり押しも押されもせぬメインイベントに登り詰めました。
歴代のシンデレラガールはその時々の時勢や各々の経験などを以てその地位を手に入れました。
ではここで橘ありすの話をしましょう。
先ず、2014年のアニバーサリーボイスオーディションを覚えている方はいらっしゃいますでしょうか。
グランプリを射止めたのは橘ありすその人です。
次の年にシンデレラガールになる塩見周子や登場当初から人気の高かった一ノ瀬志希といった強豪を退けて見事にその座を勝ち取りました。
それほどのポテンシャルを秘めていたことがうかがえます。
スターライトステージに話を移します。
サービス開始当初は新曲、新ユニットが続々と生み出され、既存アイドルで新ユニットを作る流れは『リトルリドル』にLittlePOPSが、『イリュージョニスタ!』に輿水幸子が参加するまで続きました。
いわゆる年少組と括られるアイドルの多くは『ハイファイデイズ』に集められましたがそこに橘ありすはいません。(『BEYOND THE STARLIGHT』の城ヶ崎莉嘉と『Sweet Witches' Night ~6人目はだぁれ~』の椎名法子の分類はやや特殊なので保留します)
橘ありすはアインフェリアというユニットに組まれ『生存本能ヴァルキュリア』を歌いました。
ここにも橘ありすの特異さが顕れています。
宵乙女の安部菜々ではないですがアインフェリアは(19・19・18・16・12)という年齢差の大きいユニットでそこに参加した橘ありすは歌の中で「守られるばかりのコドモじゃない」と主張しています。
この年齢的には子供だが扱いは成年のそれ、というのは他にも例があります。
アニメ『アイドルマスターシンデレラガールズ』のプロジェクトクローネです。
その中で橘ありすはダントツの最年少です、最年長の宮本フレデリカ、鷺沢文香とは7歳の差があります。
しかし選ばれたということは美城常務が王冠(Krone)を戴くに相応しいメンバーと認めたということです。
果たしてあの世界でプロジェクトクローネはどのような歌を披露したのでしょう。
次に『U149』の話をします。
スピンオフとは思えないほどの丁寧な描写でアイドルの成長を描いた漫画としてご存知かと思いますがここでも橘ありすはやや特殊です。
ストーリィが描写されるその合間に、不意に橘ありすは"こちら"に来ることがあります。
プロデューサーの目線です。
アイドルとしてプロデューサーに手を取られる立場からふと手を逃れ横に並ぶことがあります。
それはストーリィの節目であったり壁にぶつかった時であったり様々ですが流れを変える時に現れることがあります。
パラダイムシフトというと言い過ぎかもしれませんが、視点の切り換え、思考の切り換え、これによって我々読者は新鮮な感情を手に入れます。
橘ありすの二面性を語る最後のピースはスターライトステージのSSR[ありすの物語]から[ビギニング・スカイ]についてです。
ネタバレを含むのでご容赦を。
おそらく周知のことだと思いますが橘ありすは自身の名前にコンプレックスを持っていました。
いました、と過去形なのは現在は克服しているからです。
子供っぽい名前、両親とのディスコミュニケーション、そこから生まれた鬱屈した感情が性格に現れて、攻撃的であったり閉鎖的でいたりしました。
しかし[ありすの物語]で遂に自身の名前に込められた意味を知り、そして理解します、来るべき国際社会を見据えて海外でも馴染まれやすい名前としてつけられたのだと。
更に[ビギニング・スカイ]ではもう一歩踏み出し、海外進出を果たすまでになりました、紛れもない成長です。
しかしその一方で、アリス艦長と呼んでください、というセリフなどで子供らしい一面も残しています。かわいいですね。
ここまで橘ありすの二面性を語りました。
子供であり、且つ大人であると。
ただの成長ではなく、大人になってなお以前の子供らしさも兼ね備えているのが今の橘ありすです。
このような二面性-矛盾性といってもいいです-はまだいくつかありますがそれは別の機会に語ることにしましょう、探すのもまた楽しみです。
さてその橘ありすがシンデレラガールになるとどうなるか、お察しいただければありがたいです。
『普通のアイドル』と『トップアイドル』の新しい二面性を手に入れることができるのです。
それがいつになるのか、できるなら今、見てみたくありませんか?