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韓国ワーホリ生活 17
留学まで少しの間教室に来ていたソヨンさんという姉さんがいた。
金曜日の集まりにもよく来てくれたし、熱心に勉強していた。
面倒見が良い人で、喫茶店に一緒に行ったり、良くしてもらった。
僕に、もっとちゃんと韓国語を勉強した方が良いと、韓国語の教材を持ってきたり、ドラマ「コーヒープリンス」のDVDを持ってきてくれた。なので、初めて韓国ドラマを見た。毎日1話ずつ位みた。
コン・ユとユン・ウネを覚えた。可愛らしいドラマだった。ドラマを通してまた韓国を知ったような気がした。
それを考えると、韓国ドラマとか映画を沢山見ている人は、いざ韓国に来るとあれ食べてみたい、とかあそこ言ってみたいというのがあって、より楽しいだろうなと思う。
ホンデにコーヒープリンスの撮影をした店がある。前を2回位通った事があり、入ってみたいけど、一人だし気が引けて入れなかった。今もあるのだろうか。
ソヨンさんに誘われて、花子と僕とナムサンタワー(南山タワーまたはソウルタワーと呼ぶ)に行った。僕にとっては初めてのナムサンタワーだった。
シンチョンでバスに乗って近くまで行って、昼ご飯を食べて、歩いて登った。小さめの山を登った上にタワーがある。
山の上は整備されていて、土産物屋があったり観光地な雰囲気だった。鉄の策に南京錠がべらぼうな数つけてあった。カップルで付けるおまじないみたいな物。
それからタワーの上にも上ってソウルを一望した。まだよくわかっていない街を一望して、ぼんやりとこんな感じなんだなぁと思った。
遠足みたいで楽しかった。
タワーを降りたとこにテラス席があって、そこで軽くご飯を食べようとなった。
ソーセージとか洋食をつまみながらビールを飲んだ。暗くなって、ソウルの街がキラキラしていた。
暗くなったら結構寒くなって来た。まだ秋に入った位の頃だったかと思う。
思ったより長くいて、そこを出てそのまま帰った。ソヨンさんはヨイドの方に住んでいたので僕達はバスを先に降りて別れた。
僕が日本に帰った時、ソヨンさんは留学中で東京に住んでいたので、名古屋に遊びに来てくれたり、僕が東京へ遊びに行った時に一緒に明治神宮とか池袋に行ったりした。韓国ではソヨンさん始め沢山の人に親切にして貰ったけど、自分はその後、日本で会う韓国の友達にちゃんと何かしてあげられていたのか疑問だ。今思うと自分はずっと幼稚だった。
もう連絡すらもとらなくなった友達も多いけど。とても感謝していて、いつだって思い出す事が出来る。
教室の生徒達はみな仲が良くて生徒同士でご飯に行っていたり、生徒に誘われたりみんなで遊んだりしていた。
花子のクラスは、花子が小さくてみんなが可愛がってくれるってのもあって、クラスと花子みんなが仲良しだった。
スギョンさんという賢くて優しい姉さんがいて、その人もよく面倒をみてくれた。
スギョンさんのクラスのみんなは地下鉄シンチョン駅の辺りから地下鉄だったりバスで帰るのだが、スギョンさんだけ長距離列車のシンチョン駅の前のバス乗り場から帰っていた。魚市場のあるノリャンジンまで。
それで、授業が終わると花子と僕でバス乗り場までスギョンさんと歩くのが習慣になっていた。バスに乗って窓から手を振るスギョンさんかわいいよね~って二人で話しながら教室に戻るのだった。
韓国の人は感情を恥ずかしがらずに表に出すような気がする。なので、こっちも素直な気持ちになれて気持ちが良い。
スギョンさんと最後に会ったのは、5年位前にソウルに行った時だ。その時は花子のクラスだった姉さん3人(スギョンさん含め)と僕でホンデの雰囲気の良い店でご飯を食べた。店の兄さんがイケメンだった。
その後、名古屋の友達(ソウルにずっと住んでいて帰って来たばかりの人)から紹介されたシンチョンとホンデの間位の位置にあるコンジュンケンプ(空中キャンプ)という店にスギョンさんと行った。その店は、まだ日本に対して批判的な考えが多かった頃からやっている店だった(と友達から聞いた)。オーナーがフィッシュマンズのファンで、空中キャンプという名もアルバムのタイトルから取ったらしい。ひっそりした感じだが、曾我部恵一とかbonoboとかがライブしに来ているみたい。小学校の椅子がたくさんあって、ガラス扉の冷蔵庫にビールの大瓶がずらり並んでいた。入った時は常連の客しかいなくて、言われるがままに勝手にビールを出して飲んだ。しばらくして、オーナーのコオンマ(大お母さん)というニックネームの兄さんが来て、みんな一つになっておしゃべりしながらだらだら飲んだ。いい店というか、良い場所、いいたまり場だった。
韓国に住んでいる頃は特に探したりしなかったが、アンダグラウンドシーンも面白そうだ。
タンピョンソンというホンデのミュージシャンがいる事を、日本に帰ってきてから知った。友達に桝本航太というミュージシャンがいるのだが、その音楽友達なのだそうだ。
日本のパンクバンド ラフィンノーズのボーカルのチャーミーが韓国のアンダーグラウンドミュージックシーンの本を出していて名古屋の飲み屋で良く会う人が韓国語訳で携わっていた。
知らないと知らないもんだなーなんて思った。近くで生活していたのに。
つづく。。。