色の話と人からのアドバイス・前編
美大時代の話⑥
美大の入試は学科によって実技試験の内容が違い、私の受けた学科はデッサン。試験当日3つのモチーフが配られて構図を考え、時間内に仕上げる。
例えば軍手、リンゴ、一合枡など質感の違う物。
鉛筆だけで質感を表現し配置の構成力も問われる。
もちろん当日まで何が出されるかわからない。
「カッターが無い者は今すぐ学内の画材屋に買いに行きなさい!」
と高2の時に参加した大学の夏期講習で怒鳴られ震え上がった。
そうなんだ、知らなかった…。本当に怖かった。
無事入学したものの静物のデッサンしか勉強してなかったので授業で人物や風景のスケッチがあり大変だった。
でも1番苦労したのは色!
メインのデザインの授業は必ず色を塗る。
ポスターカラーを混ぜて色を作るのだけど塗ってる途中で足りなくなり同じ色が作れない…という初歩的なミスも多々あった。
空のフィルムケースが学内の画材店に売られていて、それに作った色を保存する友人を見て驚いた。
私は本当に何にも知らなかった。
入学後自分の色のセンスの無さに悩んでいた。
どんな色を塗れば良いのか全く分からず、とりあえずその時に好きだった紺とか赤紫とかを使ってたけど、それはそれは酷かった、センスゼロ。
わからなければ自然界の色をお手本にしなさいと言われ意識したけれどなかなか掴めない。
ある日クラスの友達と一緒に課題をすることに。
ひとつの花をモチーフにしたハンカチのデザイン2種
花はパンジーを選び1点は大きな柄にしていつもの派手目な色で仕上がっていた。
もう1点は繊細目のデザイン。下書きは終わっていたけれど問題の着色。
どうしたら良いか分からない…(泣)
私が選ばないような落ち着いたオレンジ寄りのベージュのグラデーションで花を塗るように友達に言われた。
葉っぱは自分で選んだ何種類かの緑で塗っていると、小さな葉っぱにグレーを塗るように言われびっくりした。
グレーの葉っぱ⁇
と思ったけど従ってみた。
ところどころに小さく入れるとアクセントになって凄くよかった!
長くなったので次回に続く…
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