対戦前のスカウティングポイント
ここで言うスカウティングとは、草フットサルでメジャーな1Day大会(※)において、敵チームの能力を対戦前に確認し対策等を練る行為とする。
※1Day大会:4~6チームによる総当たり等で優勝を決める大会
対戦前に1,2試合しか見れないので、ポイントを押さえて効果的に見る必要がある。単純な上手い下手を見るのではなく、対策から逆算して以下の観点でスカウティングを行うと良い。
1.敵チームのプレースタイルの把握
監督もおらずエンジョイでやってる草フットサルにおいて、相手に合わせてスタイルを大きく変えれるチームはほぼない。とは言え「パスをつなぐチーム」とわかったからと言って具体的な対策はないので、対策がある部分だけに絞って確認する。
1-1ボールを取られた際に戻らない奴がいる、戻らない奴を注意しない
会社の知り合いとか個サルつながりとか、微妙な距離感のチームに多い(推測)。特に後者の「注意しない」が重要。取られて戻らないことを注意できない空気でやってるチームなので疲れてきたりする場面で必ずサボるシーンが出てくる。よって上手くてフィジカルがあるチームでも、守ってればどこかでカウンターで点が取れる、というスタンスでやればよい。実際このやり方で格上に勝つことはよくある。
1-2.相手GKから始まる際に、マークがいてもロングボールを投げずに近くの味方に渡す
普段仲間内でやってるチームに多いスタイル(推測)。普段はガチガチに前プレするような雰囲気でやってないからそうなりがち。基本的に前からのプレスが有効になる。ただし渡される相手の技量によっては前プレで嵌めきれない場合もあるので注意が必要。
1-3.相手GKから始まる際にロングボールを多用
狭いコートでやってるチームに多いスタイル(推測)。近くがフリーでもとりあえず投げてくる。こちらの前の選手が、相手の最後尾を捨ててターゲットマンをはさむ守備の意識を高める。
1-4.前プレをしてくる、よく走る
ちゃんとしたチーム。対策は基本ない。ロングボールを増やして前の方の1対1でワンチャン狙うくらい。自陣で取られての失点が一番怖いので「このチームは前プレしっかりしてくるチームだから後ろは安全重視で」という認識合わせを忘れないようにする。
2.個人のプレースタイルの把握
大きく2つ。点を取りそうな奴の把握と、プレスしてよい選手かどうかの把握。
2-1.プレスするとかわされそうな奴、取れそうな奴の把握
前プレして取れれば大チャンスだが、簡単にかわされるとピンチになる。相手の最後尾でボールを持った際にプレスをかけると取れるかもしれない相手と取れなさそうな相手を確認して共通認識化しておく。取れそうな相手が持った場合は取りに行くと同時に後ろもパスカットを狙うように嵌めることを意識する。取れなさそうな相手の時は体力温存で無理しない。
2-2.ゴールを取りそうな奴を把握
サッカーよりも誰にでもゴールチャンスがあるのがフットサルだが、自チームの15年分のデータを見ると点を取る人間はかなり偏ってくる、そういうものらしい。そして、技術が高い順に点を取るわけでもないようだ。
確かに、上手くてもシュートをあまり打たない奴より、そこまで上手くなくてもシュートの意識が高くいいシュートを打つ奴の方がやつのほうが厄介だったりする。
「点を取られるとしたらこいつかこいつだな」みたいな意識合わせを行っておき、守備時の注意度や距離感に反映させると良い。
2-3.チーム内での相対的に上手い奴を把握
突出して上手い奴がいればダブルチーム(はさみこみ)が有効。注意点として、絶対的な上手さではなく、相対的な上手さがポイントとなる。
例:全員90点の上手さならダブルチームは機能しづらいが、一人が80点で残りが60点ならダブルチームは有効。
2-4.その他、利用できそうなプレーの癖を把握
特に2-2,3における該当者=チーム内偏差値が高くゴールを取りそうな奴のプレーの癖を把握しておく。
草フットサルレベルだと左右どちらにも持ち出せて両足から自在にシュートを打てます、見たい奴はほぼいない。大抵そいつなりのシュートの型というのがあるのでそれを把握しておく。イメージとしては、ロッベンのいつものあれをしっかりケアする、という感じ。ロッベンレベルだと洗練されまくっていて、わかっていても対応が難しいが、草フットサルレベルだと対策が有効なことが多い。