赤の他人だけどさ
新生活の門出を迎える最前線の場所にいる仕事って忙しいとはいえど悪くはないなと思った。
新しい生活を始める人を最初に迎えるのが私の仕事で、自分より若い子が期待を胸にしてる子もいれば、少し不安そうな子もいれば
みんな色んな思いを抱えながら新生活に望むんだろうなと思うと感慨深い。
社会に出ると、どこの会社も郷に入れば郷に従えという風土はあまり変わらないと思うし
私も新人のときに「あなたの個性はいらないので個性を捨ててください。この組織には個性はいらないんです。」と、言われたし。
今の時代はそこまで厳しいことを言われないかもしれないけど、きっと誰しも通る道だと思う。そういう辛さをこれからこの子達も経験するのかなと思うと胸が痛い。
私は去年の5月くらいから窓口デビューを果たしたのだけれど、その頃私もこの職場から逃げたい、辛いって思ってたんだ。
そんな中、お客さんにも「仕事無理だったので、実家に帰ります」なんて言ってた人がいて、気持ちがわかるなと思った。
それを知ってるからこそ、新生活を送る人達は「自分らしさ」や「新生活を始める時の気持ち」の原点を忘れないでほしい。
辛いときこそ限定回帰をしてみてほしい。
周りにどんなに否定されようが、バカにされようが、自分が決めたことって本当に大切なことだと思うから。
組織なんかに全部染まらなくていい、会社の色に全部染まらなくていい。あなたはあなただもの。赤の他人のおばちゃんだけど、あなたのスタートは私が見ても、みんな輝いていて私には眩しかったよ。
そんな私も地元を離れて、社会に出るためにこの場所に住み始めたんだ。
その時に「新社会人になります。少し早めにここに引っ越してきました」なんて言ったら、
窓口にいたおじさんが「応援しているからね」って笑顔で言ってくれたのを今でも覚えてるんだよね。
嬉しかったな、本当に。
今度は自分が応援する立場になってしまったけど、本当にあの頃の自分の気持ちを今でも忘れないようにしようって思ってるよ。
この仕事、新生活を送るお客様のおかげで好きになれたかもしれないな。ありがとう。