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チェコ人からの質問あるある

こんにちは。10月なのに暑いですね。
たしか8月ごろに、今年の10月は酷暑だと予報が出ていて、10月が暑いってどういうことなのか不思議でしたが、こういう感じかと、この気候を全身で噛み締めているところです。

さて、先日チェコのYouTuberの日本の動画を紹介しましたが(本日10月19日の24時に最新編パート3が公開されます)。

日本に旅行するチェコ人がとても増えてきた昨今です。Instagramで私が一方的にフォローしているチェコ人たちも日本の写真をよく挙げています。わー、来てるんだー。

少し前までは、チェコの旅行会社で日本行きツアーをPRしているのはあまり見たことがありませんでしたが、あっという間にチェコ人の給与水準も上がってきて、日本に旅行したいと思えば実現できるくらいのイベントになってきたのを感じます。

私はチェコ語を勉強しているご縁から、日本に来たチェコ人の旅行のお供をしたり、ご飯を食べたり、などの機会があれば、昔からすすんでお手伝いというか、おじゃましに行っています。

そうやってチェコ人と日本にいると、だいたいみんな似たようなことを聞いてくるなと思ったので、日本に来たチェコ人から寄せられるよくある質問をまとめてみました。



この街の人口は

街を歩いているとき、比較的早い段階で聞かれる質問です。
東京を歩いていれば東京の人口、横浜にいれば横浜の人口を聞かれます。

最新の統計を見ると、東京の人口は1413万人、チェコが1090万人だそうで、東京はチェコ全体の1.3倍ほどの人口があります。
それを知ると、チェコ人は自分たちが世界では本当に小さい民族なのだとやや寂しそうなのと同時に、東京のような大きな街に自分は来たのだ、経験しているんだ、という冒険者のような気持ちも生まれている…のだと思われます。

以前、川越にいて、人口を聞かれたことがありました。
私は川越の人口を気にしたことがいっさいなかったのですが、景色も人もチェコと大きく違う日本では、チェコ人は客観的なデータをもとに街の規模を把握したくなるようです。
川越は35万人ほどの人口があるそうなのですが、それを知ると、チェコ人は「なるほど、ブルノとオストラバの中間くらいの規模か」と理解でき、落ち着いて目の前の景色を楽しめるのだと思われます。

知っておきたい人口データまとめました

ちなみにチェコの行政単位はたいてい市や町といった単位なので、チェコ人はそのレベルで考えていることがほとんどです。
県の話をすると、県とは何かと質問されることが…。

日本の平均月収は

数字があると把握しやすいんだなあと思うもう一つの質問が、平均月収です。

ほとんどの日本人は、日本人の平均月収を正しく知らないような気がします。業界の平均年収とか、ライバル会社の年収とかは興味ありそうですが。

チェコに縁のある日本人のお友達と「チェコ人が聞いてくる日本の平均月収ってなんなの」という話題になったこともあります。
そのとき、実際の数字がどんなもんかと考えてみると、それぞれその人の職場での平均をイメージしてるようで、答えがまちまちでした。
それはそれで面白かったです。

ちなみに、厚生労働省の発表によれば2023年の日本のフルタイムワーカーの平均月収は31万8300円とのこと。

ちなみに、チェコの2024年1月から3月の平均月収は43,941コルナ(約28万3000円)。
2000年ごろはこの半分くらいだったと思うので、チェコの経済成長にはびっくりします。
日本はそのうちチェコに追い越されるのかもしれません。

ちなみに同じ質問をブルガリア人からも受けたことがあります。
よりよい生活、よりよい収入、よりよい未来を考えたら、聞いてみたくなるのもわかります。

そういえば、ブルガリア人からは「日本に牛は何頭いる?」という質問もきて、関心の方向に震えました。

チェコで見た牛


なぜチェコ語を勉強しているのか

これはチェコ人と会うと必ず聞かれる質問です。
まあ、日本人からも聞かれますが…。

他の言語でも学習の動機を聞かれるかもしれませんが、やっぱり自分の国の歴史や民族に誇りを持っているお国柄の人たちからはこういう質問は飛んでこないようです(どことは言いませんが)。

あまりにも毎回聞かれるので、私はチェコ語でちゃんと答えるだけでなく、笑いをとったり、話を展開させることもスムーズにできるようになりました。

さらに、私がチェコ語を教えているというと、「生徒さん何人いるの」「何が理由で勉強しているの」と目を丸くされます。

上に書いたように、東京都より小さい人口しかいない国でしか話されていない言葉なんて、勉強する理由あります?という気持ちが、どうやらチェコ人にはあるようです。

もう少し前の私だったら、だってね、チェコは魅力がたくさんある国ですよ! 音楽でも日本より歴史があるし、アニメも有名だし、スポーツ選手もたくさんいるし、野球でも去年日本中が注目してたし、プラハはとっても綺麗だし、…とか言っていました。

が、いまは私のレッスンを受けてくださっている生徒さんの数と、私のレッスン以外にもチェコ語講座がいくつかあること、大学のチェコ語専攻の人数などの客観的データを伝えています。

プラハが美しくてチェコ語を学びました

日本語はどういうシステムなの

日本にいると、目に飛び込んでくる日本語。
お店のメニュー、看板、電車の広告、商品パッケージなど、チェコ人の目にも容赦なく日本語が入っていきます。

何かで日本語について読んでいる人は、漢字・ひらがな・カタカナの3種類の文字があることを知っていたりしますが、たいていそこまでで、実際の日本語を見て、何をどう使い分けているのかを聞かれたことが何度かあります。

長年、母語として日本語を使っていますが、そういえば3種類も文字を使いこなしてるなんて、日本語は相当ヤバい言語だなと思わされます。日本語が母語でよかった。

あと、日本人はアルファベットをいつ勉強するのか、日本語と同じように知っているのかという質問もされたことがあります。
そうなんですよね、日本人は3種類だけではなくて、そこにアルファベットも使っているのです。
たしかにどういうことなのか聞いてしまう気持ちもわかります。おかしいもん。

チェコ人の中にも、宮崎駿や新海誠などのアニメが好きで、アニメで日本語をたくさん聞いて覚えている人もいたりします。
そういう人が日本語を使ってコミュニケーションしてるのを見たり、日本語のフレーズを教えてあげたりするのも楽しいものです。

チェコの本屋で見た宮崎駿

日本人の宗教は

外国人と日本を見てまわるとなると、神社仏閣に行く機会がとても多くなります。
さらに、とくに寺社を目指していなくても道中に鳥居が出てきたり、お地蔵さんがあったりと、チェコにないものと遭遇して、これは何かという話になりやすいような気がします。

そうすると、チェコ人は日本の宗教について質問してきます。

これも答えがむずかしい質問だなと思います。

私は、日本ではそこら中に神社(=神道)とお寺(=仏教)があるけれど、クリスマスやハロウィンを祝うなど、日本人には特に宗教にこだわりがないことや、たいていの人のお墓はお寺にあること、結婚式はどの宗教式で行うのか自分で選ぶ人が多いこと、などを話していますが。

やはりデータをもとに日本を認識しようという意識があるようで、どれがいちばん多いか聞きたがったり、仏教徒の割合をきかれることもありますが、どこかの組織がよく考えてない日本人にアンケートとったら仏教が3割、とかいうデータが実態に合ってるとも思えない…。

仏教と神道がミックスしてる世界でキリスト教に興味がある、みたいなことが、わかるように説明できればいいのかなと思いますが、その場では伝わらないこともあります。

でも、そういう緩さが日本らしさ、アジアらしさのようにも思えるので、また別の機会にすんなり納得されるといいなと思っています。

とはいえ、チェコ人たちも無宗教と答える人が6割程度いて、教会があってキリスト教のベースがありますが、そんなに神を信じてないみたいです。
日本の宗教の説明をひとしきり終えたら私は「チェコはどうなの」と切り返して、どう答えるか見ています。

まあ、会話って、すぐに結論出さずに、例を挙げていくのが理解されやすいし、コミュニケーションが深まっていいですよね。

チェコも教会はあるけど無宗教の人が多い

日本では毒のある魚を食べると聞いたが本当か

これもけっこう根強く聞かれる質問だなと思います。

つまり、フグのことですが、チェコ人たちの頭の中では、日本人は毒のある魚をわざわざ捌いて食べている、そんなおそろしいことがなぜできるのか、という強い印象があるようです。

私はそんなチェコ人を見て「きのこ狩り大好きな人たちがよく言うよ」と心の中で思っていますが。

彼らの恐怖心を愛撫するが如く、フグを捌くには免許がいること、フグは美味しいこと、私も友達のお父さんがフグの料理人だったのでフグを食べたことがある、こわいとは思わなかった、などを伝えます。

考えてみると、チェコは魚を食べることが少ないこともあるのかもしれません。
骨があって食べにくいとか、おいしくないとか、チェコ人にはネガティブな印象もある魚ですが、昨今の寿司ブームで少しずつ海産物にふれているチェコ人たち。

もしチェコ人と何を食べようかと思われたときは、フグもひとつの候補にしてもいいかもしれません。
でもそのときは、ちゃんと事前にフグ料理がイヤじゃないか確認してあげてください。

チェコのスーパーで買った寿司。しょうゆのデカさよ



チェコ人から聞かれる質問、まだまだ増えそうですが、今回はこのあたりで。

いくらチェコ語がペラペラでも「は?自分で調べたらわかるでしょ」とかいうチェコ語を使うんではなくて、やっぱりチェコ語を勉強している日本人として、少しは情報提供したい、力になりたいと思ってしまいます。

そうするとチェコ語だけでなく、いろんなデータや日本での習慣、文化、歴史も知っておきたい…。

逆に知っていれば、語彙やフレーズを手探りするうちに、チェコ語で表現することのできるものも増えていきますね。

ファイトー。

ここまで読んでいただき、とってもうれしいです。サポートという形でご支援いただいたら、それもとってもうれしいです。いっしょにチェコ語を勉強できたらそれがいちばんうれしいです。