忘れちゃった3
「罪と罪」
警官をまだやっていた頃の話です、
私は交番勤務の警官でした
初めの10年くらいは街の交番や、割と栄えている駅前の交番などを転々としていたのですが
あるタイミングで地方の交番に移ることになったんです。
さあまり詳しい話をするとあれなので何故そうなったのか等は伏せさせて頂きますが、まあひとつ言うならば遠くに配属ですから独り身ではあるもののかなりメンタルに来るものがありましたね笑
しかもその交番がある町、本当に昼夜問わず人通りも少なく、コンビニに行こうと思えば30分以上かかるような本当に物凄い田舎にあったんです。
じゃあ暇なのかと言われると以外とそういうことも無く、パトロールがかなり忙しいんです、
ほら田舎って一見車通りも少なくて〜みたいなイメージがあるじゃないですか、間違ってはいないんですけど、この交番がある町って地方と都市を繋ぐ導線になっていてトラックだったり走り屋が多いもんでスピード違反の取締がかなり忙しいんですよ、
毎日のようにパトカーでその道の辺りを走ったりという感じで2年が過ぎた頃だと思います。深夜1時頃に例の道をバトロールしていると、明らかに速度オーバーしている車が通り過ぎたんです、車もその車しか通っていなかったという事もあり、呼び掛けにすぐ応じて車を脇に停めて止まってくれたんです。
出てきたのは20代くらいの捜せこけた男性でした
なんで?なんで?なんで?
いままでがんばったのに
ひちろちゃんのかおおぼえてますか?
もうだめだ
わすれちゃった
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