ストーカー

とりかえしがつかなくなったので話しますけどね、
いや、
絶対にやってはいけないことなんですけどね、
実は僕人生で1回だけストーカーをしてしまった事があるんです。
あ、言い方が良くなかったですね...
1回でも何回でもダメはダメですよね、すみません、
あれは僕が上京したての頃でした。
███駅前のバス停で一目惚れしてしまって、
かといって内気な性格の僕は話しかける事もできなくて、本当に良くないんですけど、
結局ストーカーって形になってしまったんです。

一目惚れした日から
その女性とバスが一緒だった日は
必ずその女性の降りる停留所で降りて、
家まで尾行するって感じでした。
もちろん罪悪感はあったんです、
でも止められなくて、
結局3ヶ月くらい続けてしまったと思います、

本当に酷い話なんですけど、
尾行だけでは何か物足りなくなってきて、
その女性の家のポストに手紙を書いて入れることにしたんです、
ある日には食べ物やぬいぐるみを玄関に置いたり、
あと自分の髪の毛をポストに入れたりとか、
電話番号を調べてその家に電話をかけたりもしました、


でもすぐ辞めましたよ、
辞めたというか、
全部おわっちゃったんですよ。


それから１ヶ月の事でした、
僕のポストに郵便局から届いた封筒が入ってたんです。



僕がストーカーをしていた住所からでした。
いつもありがとうございますと





女性とは思えない字で書いてある封筒の中には




一枚の半分燃やされた跡のある写真が入っていました




僕の母でした。




ごめんなさい僕がそんなことするから
ほんとにごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい





実家が全焼したのはその翌日でした。





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