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SALのはじめかた
2021年、 Mystery Sampler SAL という、1年かけて作品を仕上げるプロジェクトに参加しています。
ちょっと気がはやいですが、今年のわたしのSALのはじまりを振り返ります。次の1月からSALをはじめる参考になればうれしいです。
SALってなに?
Stitch-A-Long / クロスステッチ文化のひとつです。
デザイナーは大きな図案をブロックにわけ、定期的に1ブロックずつ公開します。参加者はその公開を追いかけながら、長い時間をかけて作品を完成させるプロジェクト。誰でも参加できます。
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SALのはじめかた
「SAL」と題していますが、洋書などを見て刺繍するときとやることは同じ。「海外チャートのはじめかた」と言った方が正しいかな。
ここから先は「クロスステッチのやり方はわかる」「キット以外はあまりやったことがない」「海外のチャートに初挑戦」というかた向けの内容です。
-STEP.1 図案をさがす
まずは図案を決めるところから。
図案を選んで、テーマ、ステッチ数、サイズ、必要な糸の量を見て、材料を準備します。(12月頃か初回の図案と一緒に公開されます)
※気になっているデザイナーを1つ前の記事に載せました。
2021年、わたしが参加しているのは Linen and Threads
1月から毎月1日に図案が公開され、1年かけて作品を完成させます。今年のテーマは「タラベラタイル」です。なんといっても無料なのがすごい。
<わたしが参加しているSAL>
☑︎ テーマ:Talavera(タラベラタイル)
☑︎ 図案の大きさ:横163×縦258カウント
☑︎ 作品の大きさ:たとえば布が28ctのとき、余白込みで44×61cm
☑︎ 必要な糸の量:たとえば布が28ctのとき、25番糸2本どりで約15カセ
あわせて、刺し方のルールも決めてしまいます。ルールが決まれば材料を揃えられます。
<わたしの場合>
☑︎ 28ctの布の織糸2本ずつを1目とする →布の大きさが決まる
☑︎ 25番糸2本どりで刺繍する →糸の量が決まる
-STEP.2 布をえらぶ
布の種類・カウント数を決め、必要なサイズの布を用意します。色の指定はないことが多いです。
布の大きさは図案の大きさから計算することができます。
※余白は各辺7cmとします
◯ct/1インチの布を使いたいとき
図案の大きさ÷(布のカウント数(ct)÷すくう織糸の数)×2.54cm+余白14cm
◯目/10cmの布を使いたいとき
図案の大きさ÷布のカウント数(目)×10cm+余白14cm
図案の大きさ:横163×縦258カウント だから、
(横)163÷(28ct÷2)×2.54+14=43.5728... ≒44cm
(縦)258÷(28ct÷2)×2.54+14=60.8085... ≒61cm
<わたしの場合>
☑︎ 布:Zweigart Cashel 28ct col.101 Antique White 44×61cm
(「ドイツのツヴァイガルトという会社がつくっているカシェルという名前の28カウントの色番号101の布」という意味。)
刺繍する期間が長くなると布端がほつれてくるので、布の周囲を簡単にかがっておくことをおすすめします。それから、縦横それぞれの中央を通るように糸印をつけておきましょう。刺し始めの目印になります。10目ごとに糸印をつけるかたもいますが、わたしはしません。
-STEP.3 糸をえらぶ
次に糸。基本的には25番刺繍糸(いわゆる普通の刺繍糸)をつかいます。
わたしの参加しているLinen and Threadsでは、図案は1色で公開されます。色の指定はありません。
わたしの場合は刺繍を進めながら、なんとなく2色配色に決めました。最初は単色も考えたけれど「同色同ロット」で揃えるのは難しかったです。
<わたしの場合>
☑︎ 色:2色配色
☑︎ 糸:Anchor 25番刺繍糸 col.150、col.148 合計15カセ
(Anchorはメーカー、25番は糸の太さ、col.150、148は色番号。カセは糸の束のこと。)
図案が単色でも、自分でカラフルにしている人もいます。参考に、InstagramやFacebookで「#LinenAndThreadsSamplerSAL2021」を見てみるとわかりやすいと思います。自分では思いつかないような色づかいを見るのもSALの楽しみの一つ。
ただ、デザインの全貌がわからない状態で配色していくのは難しいと実感しています。わたしはたった2色でも結構つまってしまって、配色シミュレーションをつくるようになりました。
-STEP.4 配色シミュレーションをつくる
これは図案が公開されてからのことですが、
だんだん配色が難しくなってきて、シミュレーションをつくるようになりました。Excelを方眼紙にして、セルを塗りつぶしています。条件付き書式を使えば、そんなに面倒ではありません。
本当はここまでする必要はないのだけれど、これも楽しみのひとつということで。
▼よかったらExcel方眼紙つかってくださいね。
ここまできたら、あとは図案の公開を待つだけ。楽しい1年が待っています!
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おわりに
SALについて書いていて、SALって、自分たちの作品そのものも作品だけど、離れたところにいる人たちが同じ刺繍をするっていう行動?現象?も作品なんだなと思いました。"刺繍のコミニュケーションデザイン"というのかな。
もともと作品よりも過程を大事にしているタイプなんです。
だから、刺繍そのものはもちろんですが、刺繍を通して人の間にできることをもっと大切に考えていきたいと改めて思いました。すこし自分のやりたいことの輪郭に触れた気がします。
いつか自分でもSALの図案もつくりたいです。そのときはぜひ参加してくださいね。