【58歳女子 続 ロンドン留学日記②】~ただいまロンバケ中~
人生のうち、一度でいいから外国に住んでみたい!
この夢の続きを見るために、ロンドン留学を再開したロングバケーション中の58歳女子。4月~5月の留学後、いったん帰国して再渡英中。
再びロンドンにやってきて10日。前回は慣れるのに1か月かかりましたが、今回は1週間が目標。なんとか達成?できたことにします。
この間にわかったことは、これは前の2か月の続きではなく、新たな挑戦の1か月だということ。
とにかく寒い
「ただいまの現地の気温は13度です」。イギリス着陸間際の飛行機のアナウンス。午後2時頃のことです。
何となく予想はしていたけれど、革ジャンを持っていこうかと迷ったけれど、いやいやいくらなんでも真夏だし、と高をくくっていました。ロンドンはとにかく寒く、しかも雨ばかり。街にはコート姿やダウンやブーツの人も見かけます。
本当に寒いのかも・・・と思ったのはイギリスの政権交代の報道で、記者の人たちがコートやジャケットを着ているのを目にした時。ロンドンの気温が東京より低いことはガイドブックでも確認していましたが、日本で猛暑にあえぎながらテレビを見ていると、にわかにはピンとこないのでした。
この数日でだいぶ寒さは和らいできましたが、7月とは思えません。
学校がスタート
夏休み時期の語学学校は、生徒であふれています。先生も足りないようで(学生は増える、先生も夏休みをとる)、1クラスの人数は15人くらい。けっこう多いです。
初日の月曜日。私は前と同じ中級クラスに戻ってきましたが、知っている人は一人もいません。学生は毎週入れ替わるし、残っている元クラスメイト達は、それぞれレベルアップして上のクラスに進んでいます。たまたま知っている顔にでくわすと、「ひさしぶり~!元気だった?じゃあまたね~」と濃いような薄いような反応。
当たり前ですが、私の記憶の中のロンドンライフは、5月末で時が止まっていたのでした。楽しかったクラス。大好きだった先生と友達。
私がロンドンを去ったあとのみんなは、その後もたくさんの友が来ては去っていく様子を見ていたことでしょう。そして、私が日本で英語を忘れている間にも、みんなは勉強していたはず。
前の続きなどと言っていないで、後ろを見るのではなく、今日からの未来の1か月だけを見つめて進もうと、気持ちを新たにしたのでした。
みんなと同じ上のクラスを私も目指そう。勉強しよう。
その数日後、私はにわかな猛勉強からの知恵熱?を出して珍しく寝込む羽目に。
サッカーEUROの観戦!
EURO(欧州選手権)とはヨーロッパのナショナルチームの最高峰を決めるサッカーの大会で、4年に一度、ワールドカップの中間年に行われます。
せっかくロンドンにいるんだし!イギリスにいるからには!
私もにわかファンと化してこのビッグイベントに参戦することにしました。
【準決勝 7月10日(水)イングランド×オランダ】
クラスメイトに誘われて、イングランドの応援にコベントガーデン近くのパブへ。聞きしに勝るすごい熱気!飾りつけもお客も、イングランド一色。日頃はスポーツに関心のない私も、勢いでイングランドの帽子を購入。
「ゴーゴーゴー!」「ノーノーノー!!」叫ぶ言葉はこの2種類でOK。
土壇場で逆転勝ち。
【決勝 7月15日(日) イングランド×スペイン】
先日のパブは立ちっぱなしでしたが(正直、しんどかった)、この日はドイツレストランで友人が席を確保してくれていました。ちなみに、この日の私達はタイ、韓国、台湾、日本のアジアン女子4人。
日曜日夕方のドイツレストラン…。果たして、イングランドをバリバリに応援してよいのでしょうか?イングランドの旗もなければユニフォームを着ている人もいません。レストランとしては中立を保ちたい様子。
張り切って持ってきたイングランドの帽子。かぶってよいのかいけないのか…。かぶりましたけど!
結果、イングランドは負けてしまいましたが、大いに楽しませてもらいました!
日本人との出会いは楽しい
先週1週間のクラスは、日本人のおじ様と一緒でした。サッカー観戦のパブにも一緒に行き、常ににこやかなスミオ。彼はすでに最終週で、金曜日の授業後に学校隣のパブで別れを惜しみました。
聞けば、スミオは御年73歳(とても見えません)。定年退職後もキャリアを活かして仕事を続け、テニス歴は長く、ウインブルドンも当日券に5時間並んで観戦してきたとのこと。
私が、「留学だなんて、こんな機会はもうないと思います」と告げると、彼は、「僕は違いますね。これが始まりだと思っていますから」と言い放ちました。・・・リスペクト!
翌土曜日は、前回に知り合ったロンドン在住の友、ミサさんの犬の散歩にお供しました。
得意げにサッカー観戦の話をすると、「は?フットボール??私は全然興味ないよ。近所の女子たちも全然興味ないと思うよ」との弁。
イギリスにいるからにはサッカー応援の波に身を投じなければ、と思っていた私としては軽くショック。あんなに頑張ったのに…。
と同時に、それでよかったのね?と少し安堵。
さらに、10日に及ぶ近隣国への一人旅から帰って来た元クラスメイトの日本女子ユリ。彼女は知り合った当初、日本人同士で話すことに抵抗があるようでした。英語を身に着けるために来ているのだから当然です。
それが、昨日再会した時に「旅行のお土産話が聞きたいな」と言ってみたところ、「ぜひ言いたい!話したい!(日本語で)」といつになくキラキラ、というよりギラギラしているのでした。
うん。わかる、わかるよ!
もし私が旅行の話を他国出身の友人に英語で話すとしたら、「〇〇に行って、△△に行って、それから@@に行ったの。楽しかった」くらいの会話が精一杯です。もっと詳細に冒険の話を語りたい!→日本語でまくし立てたい!と思うのはとても理解できます(彼女は私よりずっと話せますが)。
デンマーク、オランダ、ベルギー。フランダースの犬の教会でネロ像も見てきた!というユリのホヤホヤの体験談はとても刺激的で、私を次の旅へといざなうには十分過ぎるほど。
大人の留学の醍醐味とは、こういった出会いにこそあると思います。
どうして留学を思い立ったのですか?
どうしてロンドンに住むことになったのですか?
で、今はそれをどう考えていますか?
知らなかった誰かの人生観や価値観に直に触れること。それは得難い経験で、視野が広がり、自身の懐を深くしてくれるような感覚さえあります。
ニューフレンドと新たな寮
土曜日、ミサさんとの犬の散歩から戻った後、今のクラスメイトのイタリア女子が私と同じ学生寮に引っ越してくるというので、手伝うことにしました。建築家のサブリナです。
チェックインは無事にできたようでしたが、足りないものがたくさんあるから買い物に行きたいとのこと。長時間の散歩後で疲れ気味ではありましたが、彼女の買い物に付き合うことにしました。
近所の大きなスーパーマーケットで、こだわり屋の彼女の当面の食べ物と必需品を揃えていくのですが、まー大変だったこと!
何度も途中で「先に帰ってよい?」と聞きたくなりましたが、徳を積んでいると思ってやり切りました。こんな道楽の中で誰かの役に立てることがあるなら本望だと思いたい。
新たな寮も、10日も経てば慣れてきました。学校からはちょっと遠いですが、わりと快適です。日曜日には散歩コースも開拓しました。
残りの3週間も、がんばります。