#12【58歳女子 ロンドン留学日記⑨】~さよならロンドン、また来るね~
人生のうち、一度でいいから外国に住んでみたい!
この夢を、たったいま叶えることができたロングバケーション中の58歳女子。
ついに帰る日がやってきました。
再びのヒースロー空港。間もなく日本へ向けて出発します。
ロンドン留学前半は、「何もできてないのに1週間が終わっちゃったよ?」の連続。
慣れてきた後半は、「まだあそこにも行ってないし!」と欲張りになっていきます。
2か月とは、なんと短かったことでしょう。
準備期間も含めれば、今年に入ってから今日まで、毎日が留学祭りでした。楽しかったなあ。
英語はどうなったか
いま、一番やり残したと感じているのが英語です。英語をもっと学習したいと思えるようになったことが、一番の収穫かもしれません。
思えば英語6に観光4の力配分だったはずが、観光の方が俄然忙しく、宿題のほかは授業の予習も復習もほとんどしていませんでした。深く反省。
自宅に帰ったら、積みっぱなしの英語の参考書とか開いてみたい!
できるようになったこと
この留学で、英語で自分の意思を伝えられるようになりました。いい加減な英語ですが、とりあえず何かしらの言葉が出てくるようになり、簡単なやりとりが可能になりました。何しろ周りは外国人ばかりゆえ、習うより慣れた次第。たとえ単語の羅列でも、身振り手振りでコミュニケーションが図れるようになったことは留学の成果です。
全力のオーバーアクション癖は、日本に帰ったら気を付けないと…。
また、人に尋ねることが苦でなくなったので、困った問題を自分で解決できるようになりました。
例えば、待ち合わせの駅に行くのに地下鉄が止まってしまい(地下はネットがつながらない)、周りの人や駅員さんに聞いて無事到着できたこと。
部屋のシャワーヘッド(天井備え付けの重たいタイプ)が突然落ちてきて足にわずかなケガを負い、寮の事務室に「とても危ないし、怖かったんだから!」と怒鳴り込みに行って、足に絆創膏を張ってもらい、修理もすぐにしてもらえたこと。
トラブル後の小さな達成感は、少しずつ自信につながっていったように思います。
できるようになっていないこと
英語を聞き取ること、正しく話すことはやっぱり苦手です。授業中、みんなが何かを書き始めたけど、いま何て言ったの?今は何する時間なの?といった先生の指示すらわからない情けないこともしばしば。
相変わらず、みんなは笑っているのに意味がわからない、という悲しいことも最後まで何度もありました。授業のほとんどは会話中心なので、読み書き文法のひとときだけが安全地帯にいられる感じ。今後の大きな課題です。
事前に準備すべきだったこと
ああ、痛恨のミス・・・!と思った決定的な瞬間が何度かありました。
前もって勉強しておけばよかったのに、と。
① それぞれの国の英語名を知っておく
ギリシャはグリース、トルコはターキー、オランダはネザーランド。さらに、ギリシャ人はグリーク、トルコ人はターキッシュ、オランダ人はダッチ・・・
あなたはどこの国の人?と聞いておいて、答えがさっぱりわからない。相手に対し誠に失礼なことで、申し訳なく恥ずかしかった。
ロンドンは世界中から留学生が来ているので、ヨーロッパはもちろん、中東やアジアの国々についても確認しておく必要がありました。
② 日本を数字で説明できるようにしておく
「日本は縦に細長い国です」と例によってオーバーアクションで細長を表現したところ、「で、どのくらいの長さなの?」とみんなに突っ込まれました。世界地図の日本の大きさと形をイメージしつつもシドロモドロに。
イギリスと日本、ロンドンと東京。
面積、気候(気温)、人口といった基本情報は、数字で比較の説明ができるようにしておくべきでした。陸続きの国々の人たちは、これをとても明確に説明していました。
③「なぜ、ロンドンなのか」を答えられるようにしておく
アメリカでもオーストラリアでもなく、なぜ留学はイギリスでロンドンだったのか。
「外国といえばイギリスだと思っていたし、ロンドンに憧れていました」。
だからなぜ?
一番はなんだろう?二番は?自分の中でよく考えて整理し、英語できちんと言えるように練習しておけばよかったです。
大人の留学について
いま思うこと
本当に外国に住んでみた。それは、今までの人生で最大級の冒険でした。言葉では言い表すことができないくらい、楽しくて貴重で尊い経験。
珍道中ではありましたが、ロンドン留学にチャレンジして、心からよかったと思っています。
ある日、仲よくなった韓国人のクラスメイトが「授業についていけない」と肩を落として帰っていくことがありました。私は走ってあとを追いかけて、「大丈夫だよ!あなたは私よりずっとしゃべれるじゃん!?」とまさかの私が励ます側に回るという出来事がありました。自分でもかなり驚いた瞬間でした。
旅行と留学の違いとは、どこかに所属して、人との関りをもつかどうかだと思います。誰かに励まされたり励ましたり。語学学校とは、どこの国から来た人も、違う国の人と一緒に過ごす場所。ある意味、誰にとっても非現実の世界かもしれません。だからこそ、たくさんの発見や刺激、喜怒哀楽に満ちています。
留学のコツ
① 何ごとも、面白がること
変なことが起これば、どれだけ変なのかをよく観察する。
必ず後で笑えます。年を重ねた大人の余裕(であってほしい)。
② 何ごとも、もったいないと思うこと
時間も予算も限られる中での大人の留学。最大限にパフォーマンスを上げるには、躊躇してはいられません。
より有意義な体験とするために、知恵を絞って勇気を出して、行動してみましょう。
大人の留学先
留学に必要なのは、時間とお金のほか、体力です。
ロンドンは公共の乗り物を使って移動するので、毎日かなり歩きました。地下鉄の乗り換えだけでも上ったり下りたり。
ロンドンやニューヨークといったアクティブな大都市へ留学する場合は、ある程度の体力は必要だと感じました。
一方、ゆったりとしたリゾート留学というのも流行っているそうです。
私は、さらにもっと歳を取ったら、今度はマルタやハワイの留学に行ってみたいと思っています。そう考えると、再び働く元気も湧いてきます。
いずれにしても、人生いつまでも楽しむには、足腰と胃腸は健康でないとね!
ラストスパート!アルバム
時間が足りるわけがありません。楽しいことがあり過ぎて。費用に関しては、もう、ポンドが高すぎてクラクラし、数字が大きすぎて計算不能状態に(っていうか、やがて目を背けるように)。
帰ってからが怖いけど、帰ってから困ろうと思います・・・
さいごに
もし、目の前に「いつか留学してみたい」という大人がいたならば、私は強くおすすめします。
実現の可能性なんて、低くても高くてもよいと思います。少しの勇気で目の前に道ができて、夢に向かって歩き始めることで、今日からの毎日がワクワクしてきます。
ここまで読んでくださって、ありがとうございました。
もし、ちょっとでも「少しの勇気」の一助となれば、とても嬉しいです。