【58歳女子 続 ロンドン留学日記④】~さよならロンドン、ありがとう~
人生のうち、一度でいいから外国に住んでみたい!
この夢の続きを見るために、ロンドン留学を再開したロングバケーション中の58歳女子。
昨日、ついにロンドン留学が終了しました。
張り切って再渡英したわりには、最後はゼーハー言いながら何とかゴールした感じです。
やり切れたかどうかはわかりませんが、いま、一片の悔いなし。
延長してよかった。完走できてよかった!
この頃のロンドンはやっと夏らしい(日本の初夏くらい)爽やかな日々が続いていますが、もう慣れちゃったなー、などという生ぬるい日はついぞ1日もなく、振り返れば3か月目もドタバタの毎日でした。
毎日がハプニング
数え上げればキリがありませんが、例えば洗濯機事件(パート2)。
寮のランドリールームの洗濯機に洗剤と衣類を放り込んで、扉を閉めて、お金も払ってGO(全てアプリ)!
ところが。どうやっても動きません。Why??
しばしの格闘後、寮の受付へ。
すると、「3番のマシン?ああ、あれ、壊れてるから」。
だったら「故障!」って紙でも貼っとけ~!と内心叫びつつ、
「あの、もうお金も払っちゃってるんですけど…。どうしましょう(おばさんの上目遣い)」
「電話かメールで、ここに連絡して返金してもらってください。方法はそれしかないので」。
数日前に授業で習った「メールでクレームをつける」っていうのが、さっそく役に立ちそうな気配。しかもすごくやる気あります。ピンチはチャンス!
流れはこうです。
「いつも最新技術の洗濯機が使えて幸せです(いいことで上げとく)」
「でも、今回はショッキングな出来事がありました。それは・・・(何があったか簡潔に伝える)」
「ついては、返金を希望します。3日以内にメールで返事ください。(具体的な要望をはっきり伝える)」
そして、その日の夕方に、洗濯1回分の無料クーポンが送られてきたのでした。やった!
日本が懐かしくなる
ホームシックというのを感じたことはありませんでしたが、最後の2週間くらいは、日本の夏の風景を思い出すことが時々ありました。
桃、スイカ、かき氷、うちわ、花火、海・・・。
私の一番好きな果物は桃。この時期、ロンドンのスーパーでも小ぶりの桃が売られています。
朝食用に買ってみました。まあまあ美味しいです。こちらでは桃を皮ごと食べるらしく(ちょっと固いし)、私も皮ごと角切りにして食べました。4個入りの袋だったので、4日分。
2日食べたところで、どうも唇が腫れているような気がします。3日食べたところで、くしゃみや鼻水、目がかゆいなど花粉症のような症状が。明らかにおかしい。
ネットで調べてみると、桃の皮は花粉アレルギーを引き起こすことが多々あるのだとか。なるほど~
お菓子の調査
頑張ってレベルアップしたクラスに入ったものの、実は最初、なんとなくみんなの輪に溶け込めず・・・。
そこで、日本から持ってきたお菓子を、今こそと休憩時間に配ってみることにしました。
①柿ピー
ジャパニーズスナックでーす、と柿の種をみんなの席に配ってみました。
「おいしい」「ちょっとスパイシ~」と言ってくれるクラスメイトもいれば、無言で食べている人も。総じてなんの疑問もなく食されている様子。
フランス、ドイツ、スペイン、スイス、ブラジル、トルコ、コロンビア、ロシアから来ている14人が同時に柿ピーを食べています。部屋にはおかきの匂いが充満。
これは相当に珍しいシチュエーション!なんだかワクワクしてきました。
②みすず飴
数日おいて、今度はゼリーのような「みすず飴」を配ってみました。カラフルな包みを一つずつ。
今日の反応はどうだろう・・・
「ジャパニーズスイーツです。フルーツジュースとお砂糖と寒天でできています」
これも、みんなすぐに口に入れていました。問題なし?
席を離れていた人も、戻ってきて「サンキュー!」と言ってくれるのが嬉しい。
③琥珀糖
満を持して、琥珀糖は最終日に配りました。かわいい懐紙にのせて。砂糖と寒天でできている干菓子です。
「これは、なんていうお菓子なの?」「日本語では、なんていうの?」
琥珀って英語ではなんて言うのか、どうして調べておかなかったんだろう・・・!
ベジタリアンでもビーガンでも、誰もが躊躇なく食べられる日本のお菓子を用意したつもり。で、果たしてそれは好まれるか否か?
そんなことばかりを考えていました。
受け取った人々が、一生懸命に興味を示してくれて、色々に質問してくれるだなんて、想像もしていませんでした。
なんて一方的だったんだろう。反省。
英語で話したくなくなった日
1週間ほど前から、のどが痛かったり熱っぽかったり、少し風邪気味ではありました。あと少しだと思って気が緩んだのでしょうか。
持参している風邪薬を真面目に飲んでいましたが、どうにも授業中に眠くなります。
つい3日前。「気持ちを表現する」という授業のディスカッションの時に、突然、英語が出てこなくなりました。
「I think…」と言ったきり、喉はつまり、頭は真っ白に。
その場は笑ってごまかすも、授業が終わると逃げるように教室を出ました。
もう、英語なんか話したくない!誰とも話したくない!
頭がパンパンだよ~
よく言われる「英語で考える」なんてことはまだまだできません。言いたいことを常に英語に変換するのは結構パワーがいります。
私の頭の中のトランスレーターの機械が壊れたようでした。
もしかして、ちょっと疲れてきた?
卒業の時
毎日、いろんな日があるものです。ラストの金曜日は、朝からスッキリしていました。午前中は午後の授業に向けて、最後の宿題と予習も念入りに。
毎週金曜日のお昼ごろ、卒業セレモニーが行われます。
私も無事に卒業証書を受け取って、お世話になった先生やスタッフの皆さんにもお礼とお別れの言葉を伝えました。
挨拶がテーマの授業で、私は「日本人にハグやキスの習慣はありません」と言い放っていましたが、この日はハグしまくり!友人はじめ学校中の人たちと!人生でこんな日がくるなんて!
感無量、感謝の気持ちでいっぱいです。
ラストスパート アルバム
結局、観光も頑張ってしまいました
旅の終わりへ
今朝、ロンドンの学生寮をチェックアウトした後、ヒースロー空港からアムステルダムへやってきました。
飛行機は土曜日より平日の真ん中が安いので、ちょっとだけ旅行することにしたのです。宿題を気にする学生ではなく、気楽なおばさんツーリストとして。
そして、気持ちは日本へ向かっていきます。
日本はすごく暑いらしいけど、母は元気かな。
オリンピックは盛り上がってるのかな。
自分のためだけに使ったロングタイム。それが許された贅沢な時間。
さあ、日本へ帰ろう。
私のロングバケーションは、最高でした!