#8【58歳女子 ロンドン留学日記⑤】~ただいまロンバケ中~
人生のうち、一度でいいから外国に住んでみたい!
この夢を、いま叶えることにしたロングバケーション中の58歳女子。
2か月のロンドンライフは、すでに折り返しています。慣れるだけで1か月もかかってしまい、やっとスタートラインに立ったと思いきや残りはオンリー4週間。こんなことなら3か月にすればよかった…!
と思えるようになったことこそが嬉しく、幸せなことだと感謝する今日この頃です。
お洋服など in London
何を着る? 今ある服たち
私の留学時期は4月と5月なので、ちょうど季節の変わり目です。
ロンドンで着られる服は、
上着は、革ジャン(ライダースジャケット)、トレンチコート、フード付き撥水ジャケットの3着。
4月はとにかく寒く、ひょうが降ったり風が強かったり、ほとんどの日を革ジャンで過ごしました。
上はヒートテックシャツと薄いウールのセーター、さらにパーカーを重ねます。すると、ほぼ持ってきたもの全てを着こんでいる図に。
初夏用に木綿の長袖シャツや半袖のポロシャツも持参しています。
下のズボンなどは、ジーパンと、ゆったり目のパンツなど合わせて3本。
そのほか、あらたまった場所用の薄いワンピースを1着。
靴はショートブーツとスニーカーとバレエシューズ(パンプス)の3足で、履くのはもっぱらブーツかスニーカーです。
周りのみんなは?
トルコ人とブラジル人が多い私のクラスの女子たちは、みんなとってもオシャレ。毎日違うカラフルな服に身をつつみ、靴も毎日違います。指輪やネックレスなどアクセサリー類もいっぱい。しかも高級そう。
なんとなく、私にとってロンドンとはシックなイメージだったので、私の服は黒か紺など暗い色ばかり。非常に地味な人になっています。
道ゆく人々に目を向けると、一言でいえば、みんな自由!
日本の4月であれば、ちょっと春らしい服にしてみようかな、などなど季節感を考えもしますが、こっちの人たちは着たい服を着ている感じ。おかまいなく4月でも5月でも寒い日は厚手の毛糸のセーターやダウンコートを着ています。かと思えば寒空の下、半袖シャツの人がいたり・・・
(もちろん、おしゃれでで素敵な人はいっぱいいます)
そうすると、なんだか自分もすごく自由になった気分になります。何にもとらわれなくてよい。服装なんていいじゃん。
チャリティーショップ
授業が終わったある日の午後、学校の周りをなんとなくブラブラしていると、「チャリティーショップ」を発見しました。洋服屋さんのようです。
お店に入ってみると、不要になった服を寄付して、その売り上げが恵まれない誰かのために使われる、という古着屋さんでした。
のちに、この手のお店がロンドンにたくさんあることを知ります。
最低限の(地味な)服を着まわす日々の中、急に何か買ってみたくなりました。円安の最中、ロンドンで服を買うなんてもってのほかだと思っていましたが、安い古着屋なら!しかも誰かの役に立てるかも!?
あれこれ手に取ったり鏡の前でポーズをとったり、テンションが上がっていくのを感じました。厳選の結果、ついに購入~
腕時計とアルゴス
ロンドンで困っていたことの一つが、腕時計の時差修正ができないことでした。ソーラー電波時計なのですが、説明どおりに何度やってもイギリスの時間に合わせることができません。スマホをチラ見しながらしばらく過ごした末、ついに腕時計を買うことにしました。
ロンドンにはアルゴスという実店舗をもつアマゾンのようなお店があちこちにあります。お店に並んでいるのは端末だけ。そこでアマゾンのように商品を検索し、支払いまで済ませてカウンターへ行くと、在庫があればその場で商品を受け取れます。
初チャレンジで、おずおずとお店に入りましたが、無事に腕時計をゲット!
アルゴスは慣れるととても便利で、後日、ここでドライヤーも購入しました。
怖かった初めての洗濯
寮の地下に、ランドリールームがあります。コインランドリーです。
部屋着やシャツなど洗濯機でなければ洗えないものをバッグにつめ、初めての洗濯に向かいました。洗剤は日本から少し持ってきています。
ドラムの中に服を入れて、粉の洗剤は固まらないようにふりかけるようにして投入。機械には小さなパネルがあり、そこにカードでピッと支払うのかとばかり思っていたのですが・・・大変なことに。
支払いは単なるカードのタッチ決済ではなく、アプリをダウンロートするか、学校の受付で専用のカードをもらい、それにお金をチャージしなければならないのだとか。
その手順に本当に手こずりました。洗濯に来た学生風のお兄さんに聞いたり、受付のお姉さんに聞きに行ったり。
あの洗剤まみれの服はどうなっちゃうんだろう・・・。
洗濯機の前で2時間経過した頃、ついに解決の時がきました。なんとか支払いが完了し、洗濯機が始動。何かの拍子にうまくいったとしか思えず、次もできるかどうかは全くもって不安・・・
洗濯に1時間、乾燥に50分。昼の1時過ぎにランドリールームに行ったのに、完了したのは5時でした。
その後も2回洗濯をしていますが、毎回チャージに戸惑っています。
いやはやキャッシュレス社会とは大変な世の中です(おばさんには)。
ロンドン生活デビュー
地下鉄とバスとタッチ決済
ロンドンは地下鉄とバスがとても充実しています。最初はオイスターカードという日本のスイカのようなカードで地下鉄もバスも乗っていたのですが、やがて、クレジットカードやスマホのタッチでも通れることがわかり、よりスムーズに行動できるようになってきました。
タッチするだけで支払いが完了するカードやスマホは、ロンドンライフにおいては必須です。
実は私、このタッチ決済を日本ではほとんどやったことがなく、タッチする位置を何度も間違えてエラーを続出させ、「このカードは使えないのか?」とあきらめかけたことも。スマホも同様で、やり方を理解するまでに、かなりの時間がかかりました。
タッチ決済にはコツがある、と恥ずかしながら私は思います。新しいことは、何でもやっておくべし!
ロンドンの街を自由に動くこと
3週間が過ぎたある日、「レ・ミゼラブル」のミュージカルを見に行くことにしました。週1ミュージカルもいいかも~、って先は長いと思いながらつぶやいたあの日から、いつしか時は流れ、気づけば1回しか見ていないことに気づいたのでした。
移動に慣れてきたこともあり、今夜ひとりで行ってみるかと午前中にスマホで当日格安チケットを購入。
6時に学校が終わり、学校近くのバス停からウエストエンドのソンドハイム劇場へバスで向かいます。赤いバスは空いていて、2階の一番前に陣取り、まだ明るい夕方のロンドンの街を進んでいきます。
この時、なんともいえない気持ちになりました。
「私は今、ツーリストではなくて、ロンドンの住民になっています!」
なんとなく気分でミュージカル鑑賞を決めて、行き方を調べてバスに乗る。終わったらいつもの家に帰って、明日はいつものように学校へ行く。
私は今、ロンドンで生活している。
ミュージカルの感動とともに、この日は様々に感慨深い、忘れられない一日となりました。
この後も珍道中は続きます。