某激安リラクゼーションでのおはなし
ここ最近、マッサージやリラクゼーションに行かなくなった。
鍼のセミナーとか、勉強のために受けに行ったりしていてだいぶ整っているんだと思う。
それでもリラクゼーション行きたくなったら受ける場所と人を決めている。
それでも例外がある時もあって、それが2年ぶりの例外だった。
2年ぶりの某激安リラクゼーション店。
昔は2980円の看板がキラキラしていた気がするけど、3600円に上がっていてビックリした。
気持ち良くない施術にはやはりお金と時間を使いたくないのは皆同じだと思う。
(3600円だから仕方ない)とは思いたくない。
お友達とワイワイ遠出しながら道中で
(ちょっと寄ってみない?)となって入ったお店。
施術者は女性2人。
華奢な体だったけど、私は知っている。
細くても華奢でも圧がしっかり入る子たちは沢山いる。
ベッドへうつ伏せになって(経擦)から始まった。
経擦の時点で上手いか上手くないか何となくわかる。
というかいかに丁寧にこの後施術をしてくれるか、してくれないか察する事ができる。
(あぁ…このセラピストさんは………残念ながら残念な方のセラピストさんかもしれない…)
親指での指圧が始まった。
手技的には指圧なのだろうけど、あまりにも圧の足りなさに
(いつ始まるんだろう?いや、始まってるのか?圧の強さの確認も全然されない。始まってないのかな?)
そんな心境で受けていた。
肩甲骨周りから首に入った瞬間
(あっ、始まってるんだ)
と気づいた。
自分から圧の強さを言うのはほんとに初めてで、あまりにも(押すなら押して欲しい。さするならさすって欲しい)と思った。
私『もう少し強くても大丈夫ですよ』とセラピストさんに声かけた。
セラピスト『あっ、はい…』
そう返事したセラピストさんの圧は変わらない。
やっぱり新人さんなのかな?
私『このお仕事は始めたばかりですか?』と聞いてみた。
セ『いえ、2年くらいお仕事してます』
私(2年か…)『もう少し圧かけても大丈夫ですよ』
再度声をかけた。
新人さんならいくら要望しても無理だと思うから確認した。
左の首から右側の首になった時は更に圧が弱くなっていた。
3回目…時間確認したら23分ほど経過していた。
その時はもう60分辞めてすぐ施術やめてもらおうか考えた。
でもさ、友達と来てるのに私が30分で終わらせてたらその友達だって(誘ってごめんね)みたいな気持ちにさせちゃうかもしれないじゃない。
私『もうちょっと圧かけられますか?』
私『指痛いですか?』
指が痛いのかな?って思う押し方をするんですよね。
何かを庇って押したくても押せないような感じ…
セラピスト『はい。指痛いんです』
私はもう笑うしかなかった。
(確認したのは私だけど、指痛いと言われたら何も言えない。)
指が痛いと訴えるセラピストさん。
私は60分施術を受けに来てる単なるお客さん。
まだ開店して間もない時間。
このセラピストさんは1日この調子で施術するのかな?
どうするんだろう?
腱鞘炎と、一月末に親指にトゲか何か刺さって腫れてるらしい。
ダブルで痛めてるみたい。
どうしようか。この空気。
私が途中で辞めたら(この後の誘ってごめんね)の友達との空気が嫌だ。頭はそればかりよぎる。
私『肘って使えますか?肘でいいから指使わないでいいですよ。』
しかし、肘使っても全然ダメだった。
うつ伏せになっているから姿勢が見えない。
思わず顔を上げて施術者の姿勢や立ち位置確認した。
セラピストさんは『何か言ってください。教えてください。』と私に言った。
『そこを押すならこっち側に立って、圧の向きもズレてるからそのままこの圧で入れてみてください』と声かけた。
何を言ってるんだ私は。
何をやってるんだ私は。
おこがましいにも程がある。
でもさ、セラピストさんは素直に応じるし
『ダメなところ言ってください』と聞いて来る。
その素直さに負けた。
もう、放って置けなくなった。
お金を払う立場にありながら、もう少し楽に体使えるように少しずつ遠慮しながら教えた。
和かなムードが流れ始めたけど、
どこまで伝えて良いのか。お店の研修があるのだからやり方を変えても申し訳ない。
『お店で定期的な練習会とかやってますか?』と確認した。
すると『やったほうがいいですよね』と返ってきた。
施術終わってセラピストさんはこう言った
『すみません。癒されに来たはずなのに癒す事ができずに』
返せる言葉が見当たらなくて笑うしかなかった。
3600円という値段が彼女たちの意識を低くしているのではないかと思った。
安いから仕方ないとか。本当はそんな問題じゃないんだけどね。
この仕事でお金を頂いているという認識も薄いのかもしれない。
3600円、恐らく50%くらいが報酬だろうからセラピストさんからしたら60分施術して1800円の報酬。
せめてお店で定期的な技術研修と練習会くらいしてあげたらもっと店の質も良くなるだろうに。
私のところに習いにくるセラピストさんは皆『高いお金を頂いているから技術うまくなりたい。癒されて帰って貰いたい』という意識が当たり前にある。
そんなセラピストさんたちと話す事が多いからあまりの天と地の差に逆に力が抜けてしまった。
某激安店のようなお店は沢山あるんだよね。
こんなセラピストさんがたくさんいるんだよね。
施術終わって友達に言われた
『最後なんか笑って話してたね』って。
ホッとした。
経緯を話した上で自分の満足を取ることにしたから楽しかったんだって話をした。
怒ってクレームするのは簡単、この楽しい雰囲気をぶち壊すのも簡単。だけどそれだと何も生まれない。むしろ負の連鎖しか起こらない。
そうじゃなくて、せめて今できる限りの施術をどうやってこのセラピストができるようにするかって考える自分の自己満足を取ることにしたんだと。
施術の満足は望めないからね。
見ず知らずのセラピストさん。
きっとあの後、他のお客さんからボロクソ言われるかもしれない。
せめてこの時間は楽しく…ね。
少しでも、プライベートでせめてタダでいいから揉ませてくれ。と練習して意見もらうくらいの意識持ってくれてたらいいな。
私もタイ古式マッサージ習いたての頃、受け慣れてる友達にボロクソにアドバイスしてもらいながら練習してたな。
言ってくれる人って中々いないからね。
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