立位姿勢から機能不全を予測立てしよう!
こんばんは、理学療法士&ピラティストレーナーの谷田部くるみです。
本日からピラティス養成コースをスタートされた指導者の方がいらっしゃり、担当させていただきました。
今回の方は、お住まいがなんと新潟!(弊社は名古屋にあります)のため、オンライン受講でスタートしました!
オンラインで学ぶことが当たり前になりつつある時代、場所や時間にとらわれることなく、より多くの学びたい!という熱意ある指導者の方々の力になれること大変嬉しく思います。
約1年かけて一からピラティスを学ばれていくため、全力でサポートしていこうと決意した日でした☆
では、本日のテーマです!
立位姿勢から機能不全を予測立てしよう!
姿勢には色々なポジション(立位や背臥位、座位など)がありますが、まずは立位姿勢を評価できるようになることをオススメします。
なぜなら、立位姿勢が見れるようになると機能不全が生じているであろう部位を予測立てすることができるからです。
立位姿勢からは色々な情報を得ることができるため、機能不全が生じている部位に見当をつけることができ、その後行う動作評価や改善アプローチを効率化することができます。
そのようなメリットが多い立位姿勢の見方を本日はお伝えします!
理想的な立位姿勢
姿勢&動作を見る際は3つの面(矢状面、前額面、水平面)から見ます。
3つの面から見た理想的な立位姿勢が以下になります。
矢状面上(横から見たとき)
・耳垂、肩峰、大転子、膝蓋骨後面、外果前方が一直線に揃う
・脊柱のS字カーブ(頸椎は前弯、胸椎は後弯、腰椎は前弯=生理的弯曲)が滑らか
・上前腸骨棘が上後腸骨棘より2横指下
前額面上(前or後ろから見たとき)
・両側の肩峰が同じ高さ
・両側の骨盤(腸骨稜)の高さが同じ
・鼻の頭、胸骨、臍(へそ)、両内果の中点が一直線に揃う
水平面上(上から見たとき)
・両側の肩峰が前後同じライン
・両側の骨盤(腸骨稜)が前後同じライン
・頭部が正面を向いている
もちろんこれ以外にも細かくチェックする項目はありますが、まずは上記を抑えておくだけでもかなりの情報を得られます。
姿勢分類
理想的な姿勢から逸脱した不良姿勢は、様々な分類があり教科書や文献などによっても異なりますが、今回はケンダルの姿勢分類から引用します。
A.理想
B.前弯ー後弯姿勢 : 頸椎と腰椎の前弯、胸椎の後弯が過度な状態
C.フラットバック : 胸椎と腰椎の生理的弯曲が失われた状態
D.スウェイバック : 骨盤が前方へ変位している状態
E.軍隊タイプ : 肋骨が挙上し腰椎の前弯が過度な状態
いずれもjoint by joint theory(関節の役割)が破綻している状態です。
※joint by joint theoryについての記事はこちら
不良姿勢から予測されること
頭や肩、骨盤の位置関係を見ることで、どこの関節の役割が破綻しているのか、どのようなストレスが生じているのかを見極められるようになります。
例えば、Bの前弯ー後弯姿勢です。
頸椎のスタビリティと胸椎のモビリティが失われ、頭が肩よりも前(耳垂が肩峰よりも前)に出てしまっています。
そのため頸椎に過度な伸展ストレスが生じ、頸椎ヘルニアなどのリスクが高まります。
また、腰椎骨盤帯のスタビリティが失われ、骨盤が過度に前傾し腰椎が過度に前弯しています。
そのため腰椎に過度な伸展ストレスが生じ、腰痛などのリスクが高まります。
過度なストレスが生じている部位は筋肉が硬くなりやすく、骨も圧迫ストレスを受けやすいです。
そのストレスが長時間続くことで痛みが発生します。
立位姿勢からは頸や腰以外にも股関節への負担や、膝への負担も予測することが可能です。
このように立位姿勢は多くの情報を得ることができます。
立位姿勢で機能不全が生じている部位に見当をつけることで、その後の動作評価や改善アプローチも効率化&効果的なものを行うことができます。
本日のまとめ
■立位姿勢からは多くの情報が得られる
■3つの面から立位姿勢の評価を行う
■不良姿勢から機能不全が生じている部位を予測立てしよう
本日はここまでになります。
次回は、姿勢を物理学的視点からお伝えします☆
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。