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舌痛症と抗うつ薬 その2

私は粘膜が荒れるタイプの口内炎にかかっており、それを舌痛症と呼んでいる。口内炎に良いことをやれば、舌痛症も良くなると理解し、地道に粘膜を労わる生活を続けてきた結果、1年前と比べるとだいぶ楽になったと感じる。

1年前を振り返ると、起きているときは食事中を除き何をしていても口の中の違和感が気になって辛かった。舌を上あごに付けた時に感じる痛み・ビリビリ感・灼熱感・苦い味・すっぱい味に悩まされていて、当時は舌が歯に触れただけで赤くなり痛かった。

舌が痛い。だから舌痛症だろう。ということでネットを調べると、やはり舌痛症の症状に似ている。

舌痛症は、器質的な変化が認められないにもかかわらず、舌に慢性的な痛みやしびれが生じる病気である。女性に多いが、歯科治療後に発症することが多い。舌に病変が認められないだけでなく、痛む部位が移動する、食事中は痛みが緩和されるなどの特徴から、「気のせい」にされることが少なくなく、適切な診断と治療がされていないケースが非常に多い。

Wikipedia

ただ、私の場合、ひどい口腔カンジダ症にかかったのがきっかけだったし、当時は舌が歯に触れた後に赤くなっていたから、器質的変化はあったと言える。それでも頭の中ではこの症状を舌痛症と呼んでいて、今でもそう呼んでいる。

歯科で相談しても「気にするな」とか「忘れてください」と言われたが、とても忘れられるような違和感ではなかった。時間がたっても症状の改善があまり感じられず、自分で民間療法を編み出しては失敗し、舌も痛くて人と話したくないし、メンタルも落ちるし、と辛い日々だった。

舌痛症の治療法としてWikipediaや歯科医院のウェブサイトなどに紹介されているものの一つに抗うつ薬を中心とした薬物療法がある。口の中の違和感が強くて辛くて、いっそ抗うつ薬を飲んで楽になるなら試してみたい、という気持ちもあった。抗うつ薬服用で痛みへの奏効率76%という論文もあったりするので、一定の鎮痛効果はありそうだ。

それでも、抗うつ薬の怖さを目の当たりにした経験があったため、私は抗うつ薬は選択しなかった。今振り返ってみると、器質的変化もあった自分の舌痛症には、抗うつ薬は効かなかっただろうと思うし、原因がほぼ特定できた今、抗うつ薬はむしろ逆効果だった可能性もあると考えている。

以下箇条書きで、舌痛症によく処方される「アミトリプチリン」という抗うつ薬の副作用を太字で示し、舌痛症や口内炎に悪影響を及ぼしそうな理由を私の方で考察し、隣に書いてみた。

  • 口喝(5%以上):口腔カンジダ症や口内炎発症リスクを上昇させる

  • 味覚異常(0.1%未満):舌痛症で味覚異常がある上に、副作用の味覚異常も加わり症状がより辛く感じられる可能性がある

  • 不安(頻度不明):人は不安になると痛みを強く感じると言われている

  • 体重増加(頻度不明):太ると舌が肥大化する恐れがある。舌が歯に当たりやすくなり、舌の粘膜を傷つける

舌痛症は原因不明と言われているが、仮に口内炎が原因の場合、抗うつ薬を使うのはリスクがあることがわかる。だったら、カプサイシンは似た仕組みで鎮痛効果があるそうなので、まずはそちらを試した方が安全かもしれない。まあ、そこまで鎮痛効果は大きくはないけれど・・・。

あまりにも舌が痛い場合はQOLが下がるので、一時的に抗うつ薬での治療法を選択するというのもアリかもしれないが、あまり長期的に継続しない方が良さそうだ。それなのに、アミトリプチリンが鎮痛効果を発揮するには長期服用が推奨されているようなので、あまり試す価値はないように思う。それに、激しい痛みの場合は私のように口腔カンジダ症の可能性があるかもしれない。

発症してからまもなく1年5か月、私の舌痛症はまだ治っていないけれど、1年以上、舌痛症の不快な症状を抗うつ薬なしで乗り切ってきた。その間、非常にゆっくりと改善はしていっているので、抗うつ薬がなくても、ある程度舌痛症の改善は見込めると思う。


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