舌痛症と敏感肌
私は舌と上あごの粘膜が荒れており、これまでに医師からは舌痛症・口腔灼熱症候群・粘膜が荒れるタイプの口内炎(カタル性口内炎)などの診断をもらっている。私の中ではカタル性口内炎という診断が一番しっくり来ている。
私は幼いころはアトピーで、思春期になるとアトピーが引っ込んでニキビができ、大人になってからは市販されている一般的な化粧品は肌荒れするので使えない、という感じの敏感肌になっている。
敏感肌の症状は、舌痛症の症状に近い物を感じる。上あごに舌を付けたり、硬い物や歯に触れたりなどの物理的刺激にも弱いし、弱い部分は赤くなりやすい。敏感肌の対処法を知れば、敏感「舌」にも生かせるかもしれない。
私は医者ではないのだけれど、舌痛症になってからJ-Stageという医師向けのサイトで舌痛症治癒のヒントを探している。先日、たまたま読んでみた「敏感肌に対するグリチルリチン酸ジカリウムの有効性」という論文で面白い発見があった。
この論文では、敏感肌の肌にテープを貼って剥がし観察したところ、テープに付着した角質層の中に神経成長因子量が多いことを発見している。このことから、敏感肌の肌では神経線維が表皮にまで多く侵入しているので、知覚過敏を起こしている可能性が高いと言っている。一方、正常な皮膚では、神経線維は表皮の手前で留まっているのだという。
ここからは私の解釈だが、敏感肌には神経線維が正常な肌より多く存在するから、ちょっとした刺激をキャッチしやすいし、かゆみなどの違和感も感じやすい。不必要に刺激をキャッチしてしまうと、おそらく外敵が侵入してきた!と体が誤解して炎症が起きたりしてしまうのだろう。敏感肌とは、知覚過敏で、炎症を起こしやすい肌ともいえるのだ。
私の舌も、上あごに触れるとか、歯に触れるとか、本来大したことない刺激を拾ってしまい大げさに反応して口内炎を起こしてしまっているので、敏感肌に近い状態といえそうだ。
この論文では実験を通して、敏感肌用化粧品に多く配合されている「グリチルリチン酸ジカリウム」が、角層のバリア機能を向上させ、神経成長因子量の遺伝子発現量を抑制しうる可能性を示している。「グリチルリチン酸ジカリウム」とは、何なのか。
甘草であれば、半年前に舌痛症対策として、服用やうがいで使用していた時期があった半夏瀉心湯という漢方薬にも含まれていた。半夏瀉心湯でうがいするだけで口内炎を治すやり方を試していた頃、たしかに口の中の刺激が大人しくなっていたことを覚えている。
甘草はほとんどの漢方薬に配合されている。グリチルリチン酸ジカリウム入りの化粧水で肌の知覚過敏が抑えられるなら、甘草入りの漢方薬でうがいするだけで口腔粘膜の知覚過敏もある程度抑えられそうだ。
半夏瀉心湯でうがいしていた当初は思い起こすと今よりだいぶ粘膜の調子が悪く、ビリビリ感、灼熱感、苦い味がひどかった。最近は、舌痛症の状態は落ち着いてきているんだけど、完治とまではいっていない。シンプルに甘草だけの漢方薬があったので、注文してみた。
調子よくなってきた今なら、また違う反応があるかも?と期待しつつ、届いたら甘草湯でうがいしてみようと思っている。