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舌痛症は慢性疼痛なのか?
私は粘膜が荒れるタイプの口内炎にかかっており、正しいかはわからないが それを舌痛症と呼んでいる。なぜなら、一般的に舌痛症といわれている症状と、私の症状が大部分一致しているからだ。
・両側性(時に一側性)のピリピリ,ヒリヒリした,灼けるような表在性の痛み
・慢性的,持続的である
・部位は舌,口蓋,口唇,歯肉など
・1 日の中では進行性に痛みが増大してゆく・
・食事で軽減する(食事の種類によっては痛みが増大: パイナップル,イチゴ,たばこ)
・睡眠で軽減するが,入眠を妨げることがある
・局所は痛みの程度に見合うような異常所見に乏しい
・きっかけは不明が多いが,歯科治療後などの例がある
・味覚異常(異味症,自発性異常味覚,味覚低下)の随伴
・口内乾燥の随伴。自覚的なものが多い
そこで、改めて本を読んで勉強し、自分なりの理解が正しいかを考えてみた。
舌痛症の痛みはよく、脳の中で起こる痛みと言われている。
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どうしても治らない「歯・口・顔・あごの痛みや違和感」がわかる本
上記の本によると、人間が感じる痛みには、大きく分けて、「体の痛み」と「脳の中でおこる痛み」があるという。「脳の中でおこる痛み」とは、脳の中の痛みをコントロールするシステムの異常で起こる痛みのことで、具体的に、慢性疼痛や特発性疼痛(原因不明の痛み)などのことを指すらしい。
舌痛症・口腔灼熱症候群などの原因不明の症状・違和感・痛みは従来「心因性疼痛」と呼ばれていて、現在はこれらの痛みは頭の中で起こる痛みと考えられていて慢性疼痛の一種なのだそう。そして、これらの疾患には抗うつ薬が奏効すると書かれている。
なるほどなるほど。では舌痛症が慢性疼痛や心因性疼痛の一種であるならば、それらについても勉強する必要がある。ということで、慢性疼痛とは何なのかを「リウマチ・広範囲疼痛外来」を担当し、リウマチや線維筋痛症の」治療に当たっている医師が解説した本を読んでみた。
![](https://assets.st-note.com/img/1685873102557-mgiRikr72y.png)
ただ、この本の冒頭である「はじめに」の部分には、意外な内容が書かれている。
(1)痛みには必ず痛みに関連する原因疾患がある
(2)「心因性疼痛」は存在しない
(3)「慢性疼痛」の治療アルゴリズムは存在しない。
この本では、そもそも慢性疼痛・心因性疼痛などという病名は存在しないし、定義もあいまいな中、検査などで体に異常がない場合、安易に慢性疼痛の診断がなされ、抗うつ薬が投与されてしまうことに関し、問題提起がなされている。原因疾患がある場合、抗うつ薬を投与しても効果が出ないし痛みは治らない。
残念ながらこの本では舌痛症についての説明はないが、この本の主張を最初に紹介した本「口腔顔面痛を治す」の主張にあてはめてみると面白い。
舌痛症の痛みは原因不明:
→痛みには必ず原因疾患がある舌痛症の痛みは従来「心因性疼痛」と呼ばれていて今は「慢性疼痛と呼ばれている」
→心因性疼痛は存在しない舌痛症のような慢性疼痛には抗うつ薬での治療が奏効する
→「慢性疼痛」の治療アルゴリズムは存在しない
舌痛症は慢性疼痛なのか?のお題でディベート出来そうだ。舌痛症の症状は慢性疼痛ではなく、体から来ている痛みなのでは?と思う症状がある。
たとえば線維筋痛症のような本当の脳の機能に問題が起きている慢性疼痛の場合、一日のうちで最も痛くなる時間帯は朝なのだという。
一方、舌痛症の場合は、1日の中では進行性に痛みが増大してゆき、睡眠で軽減する。これは、夜寝ている間に粘膜の状態が回復したが、日中、舌が絶えず口の中で刺激を受けて粘膜が荒れていくからではないのだろうか。
脳の痛みを感じる機能に異常があるなら、食事の種類によっては痛みが増大するというのも、なんかおかしい。クッキーやせんべいなど硬いもの、キウイなど酸味の強い物を食べると舌が調子悪くなるけど、それってめちゃめちゃ手荒れしているときにアカスリで手を洗ったり、アルコール消毒したら悪化するのと同じようなことではないのか。
ということで、お勉強の結果、舌痛症と世の中で呼ばれている私の舌の違和感・痛みはは原因疾患があり、粘膜が荒れるタイプの口内炎なんだろうというこれまでの理解は、あながち間違ってなかった、と医者でも何でもない私の中では結論が出た。