インモービレ

「ズルむけだね」

と言いながら
綺麗な顔のその女性は

中華そばの汁で
べちょべちょになった
とんかつを箸で持ち上げながら

ぱくり
と口へ運んだ。

周りの男たちの
何人が心から笑えたのだろう。

「ズルむけ」

に対して
劣等感を持ち合わせている人は
少なからずいるであろうし

逆に
自信満々に
「ズルむけ」を笑いあげる事のできる

勇者がいることも、また事実。

先日、
家から車で30分ほど走らせたところにある

天然温泉に行ってきた。

サ活で賑わう昨今だが、

例に漏れず
そちらの温泉施設でも

サウナを新調し、
それを楽しむ新規の客層
（に見える若い人たちが多かった）
が増えていたように思った。

さて、

先の
「ズルむけ」案件である。

少し、
話をズラそう。

以前、
note界隈が賑やかだった頃

アンダーヘアー
がどうなっているか

みたいな話で盛り上がった時期が
あった様に思う。

老後の介護のために
脱毛する人が増えた

というニュースを読んだばかりであるが

ここの住人たちは、
愛する人のため
（つまり自分のためなんだけど笑）

にツルツルにしている方が
一定数いる事を知った。

わざと、
少しだけ、
残している人もいる

なんていう
おしゃれさんも、いた。

で、
サ活の話に戻るんだけど

サウナに入ると
白人がいた！

「あっ、すみません」

流暢な日本語で
ことわりを入れてきた
その男性は、

２人の子供と一緒に
サウナを楽しんでいた。

子供たちの髪の色は
黒に近い、ブラウンであったが、

その白人は
典型的な金髪であった！！

私は猛烈に興味が湧いたっ

この金髪さんのインモービレが見たい！！！！

衝動にかられた私は
サウナハットを駆使し

まるで口笛でも
ぴゅーぴゅー
吹ているかのような

平常心を保って

金髪さんがサウナの外を
眺めている隙に、

今だ！！！！！

と一瞬を見逃すことなく
そのインモービレを確認したっ

「ズルむけやんっっっっつ」