つながるスイッチ!! -vol.18-支え合い推進会議 ― その⑭ ―「小森野校区」の取り組み
小森野校区コミュニティセンターは、元々結婚式場だったそうです。
なんだか、他の校区のコミュニティセンターとは、
室内の雰囲気が違う感じがしました。
絨毯の部屋など、まだその当時の名残があります。
HAPPYな雰囲気をまといながら
今回は、小森野校区の取り組みのご紹介です。
「つながるスイッチ!! vol.18」、スタートです!
支え合い推進会議の取り組みを紹介していくシリーズ第14弾。
小森野校区まちづくり振興会
会長 姫野 一男(ひめの かずお)さん
小森野校区支え合い推進会議
会長 森 秀機(もり ひでき)さん
以上のお二人にお話をお聞きしました。
1、「小森野Funクラブ」スタート
小森野校区支え合い推進会議では、
約5年をかけて、困りごとに対応するための協議を進めてきました。
まずは校区在住の75歳以上の独居高齢者、高齢者のみの世帯を対象に
困りごとを把握するためのアンケート調査を実施。
蛍光灯の取り替えやゴミ出し、買い物に関する困りごと等、たくさんの困りごとがあがってきました。
「実際にアンケート調査に取り組んで、こんなに困っていることがあるんだと驚きました。校区の皆さんの困りごとを把握することができてよかったです」と
森さん。
続いて校区全世帯を対象に、あがってきた困りごとを手伝うことができる人がどのくらいいるのか、担い手調査を実施。
約230名が、「協力できる」、「内容によっては協力できる」と回答されました。
これら2つの調査結果を照らし合わせて、校区で取組む活動を、
1、買い物代行(日用品限定)、
2、ゴミ出し支援(可燃・資源ごみ)、
3、蛍光灯・電球の取替え、
4、力仕事(重たいものの移動)の4つに絞りました。
活動に関心のある人を対象にした説明会を
令和2年から令和4年にかけて3回開催。
説明会には、約40名の人が参加、うち20名ほどの人が小森野Funクラブの協力者として登録されました。
団体名は「小森野Funクラブ」と名付けられ、
令和5年4月より活動がスタートしています。
小森野Funクラブには、「みんなで小森野校区に住んでいる人を応援する、支え合う」「みんなで喜び、楽しむ」という前向きな願いが込められているそうです。
「小森野は新しい住宅もどんどん増えていて、若い人たちが多い校区です。
元気で積極的な方が多いのは嬉しいですね」と姫野さんは話します。
2、活動を進めていく上での工夫
約5年もの時間をかけて、検討を進めてきた小森野校区。
そんな小森野Funクラブでの活動にはたくさんの工夫があります。
・買い物代行支援
買い物代行支援は、商品の買い間違えが起きやすく、
取り組みを敬遠されることも多いようですが、
小森野Funクラブでは、買ってきて欲しいものの写真もしくは
商品の空箱を準備してもらうように決めて、
買い間違えを減らす工夫をしています。
・YouTube発信
小森野校区には、webが得意な人もいらっしゃいます。
小森野Funクラブの活動説明会の様子をYouTubeで公開し、いつでも誰でも説明会の様子を見ることができるようにしています。
その結果、小森野Funクラブの周知にも繋がっているそうです。
・関係機関との連携や地域資源の活用
さらに小森野Funクラブは、地域包括支援センターや生活自立支援センター、保健所等と連携しています。
活動チラシを設置してもらうほか、情報交換を行い、何かあったときはいつ
でも協力して対応できる体制を整えています。
以前、地域住民から地域包括支援センターへ、「羽毛布団や冬物のジャケット等をクリーニング店まで持っていくことはできないか」と尋ねられたことがありました。
後日、支え合い推進会議でその件を伝えたところ、「小森野校区には宅配での対応をしてくれるクリーニング店がある」「小森野Funクラブが対応することで、店舗の営業妨害になってはいけない」との声があがり、相談者の方には、後日地域包括支援センターから、宅配クリーニングを行う店舗を紹介することになりました。
加えて、小森野校区には、公園の清掃や庭木の剪定を行う「小森野V.C.C(ボランティア・コンビニ・クラブ)」という市民活動団体があります。
これらの活動依頼があった場合は、小森野V.C.Cにお願いするようにしています。
このように小森野Funクラブで対応するケース以外のことも、既存の地域資源や団体と積極的に協力し対応するようにしています。
「様々な決め事は、他の校区の事例などを聞きながら、会議のメンバーみんなで話し合い、アイデアを出しあっています。会議はいつも活発ですよ」と森さん。
意見を言いやすい、困りごとを言いやすい雰囲気が
小森野校区の活動を支えています。
3、活動して思うこと、これからのこと
●森さん
まだ困りごとの対応の件数は少ないですが、継続することが大事だと思っています。慌てず、丁寧に取り組んでいきたいですね。そして今後は、今対応できる4つの困りごと以外の困りごとにも対応できるようになりたいです。最初は高齢者に向けた困りごと対策でしたが、今、若い方や子育て世代の方に向けても発信しています。少しでも困りごとを減らして、小森野校区の皆さんが過ごしやすく楽しく暮らしていけるお手伝いをしていきたいです。
●姫野さん
子どもたちと高齢者との交流の場を増やしていきたいです。以前から校区全体で、朝の挨拶運動を行っています。決まった曜日に行うという固苦しい活動ではなく、自宅を出た時に近所の人に、道を歩いていてすれ違った人たちに、子どもたちに、気軽に声を掛け合おうというものです。こういう地道な活動が校区を明るく元気にする源になっていると思っています。
小森野校区は若い人たちも多く、子どもの数も増えています。しかし徐々に高齢化率も上がっていて、いずれ、様々な問題に直面します。今、何か自分にできることはないかと常に考えています。
4、取材を終えて
お二人と話していて、良い意味で肩の力が抜けているように感じました。力を入れすぎず「今できることを楽しく取り組もう」という雰囲気が伝わってきました。その穏やかな雰囲気はいい空気感を作り、会議では誰もが意見を言いやすく、連携機関との関係も良好です。久留米市内でも若い世代、子どもたちも多い小森野校区のこれからの活動がとても楽しみです。
森さんはアウトドアが趣味。キャンピングカーで奥様や愛犬と出かけているそう。またグラウンドゴルフの会にも所属し、大会にも参加しています。
姫野さんの趣味は家庭菜園。里芋、かぼちゃ、落花生を育てる本格派。昔から小森野保育園と連携して、姫野さんの畑で園児の芋掘り体験も行っています。
【まとめ】
・地域の困りごとに対応する「小森野Funクラブ」結成。
・関係機関との連携やYouTube発信など、
小森野校区独自の工夫を行う。
・高齢者だけでなく、若い人や子育て世代など対象の拡大に取組んでいる。
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★つながるスイッチ!! は、HPでも掲載中