11月6日NIMS Award シンポジウム2023に参加しました🥇
11月6日(月)、茨城県で開催されたNIMS Award シンポジウム2023に参加しました。
このシンポジウムは構造材料とカーボンニュートラルをキーワードに最先端の研究について、国内外の研究者が発表してお互いに情報交換すること、ならびに顕著な成果をした研究者を表彰することを目的としています。
この度、ドイツのマックスプランク研究所の所長 Dierk Raabe先生は、「The materials Science Behind Hydrogen-Based Green Steel Making 」で受賞されました。(日本語訳すると、水素に基づくグリーン製鉄を背景とする材料科学、でしょうか。)
講演の詳細についてはこちらの論文(無料で閲覧できます)で確認ができます。
現在、二酸化炭素削減は地球規模の課題とされています。
二酸化炭素排出量の中でも、製鉄業においてその割合は非常に高く、削減が望まれています。鉄鋼研究の中でも、カーボンニュートラルをキーワードにさまざまな研究が行われています。
Raabe先生は、製鉄過程におけるウスタイトの研究、ならびにその界面の詳細な解析により鉄とウスタイトの界面特性について発表されました。
リサイクルの観点では、元素ごとにリサイクルの率が異なることを紹介いただきました。
水素運搬に関しては、−253度まで冷却し、液体水素にすることで運搬時のエネルギー密度を上げることが可能になります。ただし、-253度に冷却することに大きなコストを必要とするので、-77度に冷却すれば液化するアンモニアを活用することを背景として、アンモニアから生成したグリーン水素による製鉄の可能性をご紹介されました。