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3月12日(火)高専マテリアルコンテストの2日目が終了しました🌺

1日目の記事はこちら

「材料工学と高専をとおして楽しむ」

なにを楽しむのかは、人それぞれです。
人によっては、高専生。鉄。鉄の可能性。壊れ方。音。材料工学。久留米高専の設備。久留米という土地。それをとりまく人々、かもしれません。

材料工学と材料科学が学問になる前に、素朴な疑問と純粋な好奇心で学生と大人が材料と高専を楽しめるように午前中はハイスピードカメラと衝撃試験、破面観察の交流会です。

佐々木から交流体験の説明。

9時 交流体験 衝撃試験とハイスピードカメラ撮影

高専マテリアルコンテストの2日目は、9時から交流体験である衝撃試験とハイスピードカメラ撮影から始まりました。アルミニウム、純アルミニウム、アルミニウムパイプ、木の角材、木の丸棒からはじまりました。

高専生に先人から破面や壊れ方の面白さと熱が伝わる瞬間です。
佐世保高専の試験片の表面状態が不思議で、なんで?これはなんだろう?と不思議について話すところ。
佐々木(一番左、)佐世保高専の学生(左から2番目)、群馬高専の高山先生、物質・材料研究機構の和田先生が全員で破面を眺める様子。あまりにきれいな脆性破面に各々不思議なところ、やりたいことを話しているところ。
自分のスマホで撮影する久留米高専の学生。

12時少し前にみんなで集合写真を撮りました。

開会式前に集合写真。
開会式前に集合写真2。松村校長も。

13時半 学生プレゼンテーション

久留米工業高等専門学校

は「鉄の可能性」と題して発表を行いました。半年間、きっと学生が鉄の可能性をどうすれば引きだせるか、学生が思いを馳せたからこそのタイトルです。今回の営みを明瞭に表現したいいタイトルです。

※学生の名前はスライドから削除しました
事前の鍛造加工と衝撃実験と結果から、プロセスを組み合わせて、今回の加工熱処理条件を決定しました。

佐世保工業高等専門学校

は、研究室の技術を活用した、表面処理技術で発表してくれました。

ちゃんと「佐々木先生がキックオフイベントでつかっていたスライドです」とコメントしてくれました笑
このキャッチーなスライドはなかなか真似できないです。たこ焼きのように試験片の表面をかたく中はねばっこくすればいいのでは?という佐世保高専のアイデア。

鈴鹿工業高等専門学校

は、試験片形状に加工したあと熱処理を行うという他の高専と異なるプロセスで試験片を作成してくれました。

電気工学を専攻されている学生さんです。一人で電気工学科でありながら、参加してくれた学生さんの勇気が本当にすばらしかったです。
はじめての熱処理について報告してくれました。マテコンのキックオフイベントの雰囲気がつたわるスライドです。

群馬工業高等専門学校

は、衝撃試験機がない中で、計画的に条件を選定し、試験片を作成してくれました。

熱処理研究というタイトルに相応しい内容でした。
ほんとうに卒研発表として成立しそうなくらい、丁寧な実験の組み方と引張り試験と硬さ試験の組み方が理路整然としていました。発表もとても丁寧でした。学生には、引張り試験の破断伸びと吸収エネルギーの関係をぜひ振り返ってほしいです。

質疑応答

日本熱処理技術協会 杉山様からの質問。
佐世保工業高等専門学校の西口先生から質問。

何より全高専の学生の質疑応答が、充実していて的確で驚きました。
どれだけ学生がそのプロセスを体験してきたのか、考えて作ってきたのかを感じることができました。

14時 衝撃試験

衝撃試験では、まずは各高専1つずつ衝撃試験を行いました。
久留米工業高等専門学校、佐世保工業高等専門学校、鈴鹿工業高等専門学校、群馬工業高等専門学校の順番で試験を行いました。

試験片は学生がセットして、ハイスピードカメラで撮影を行いました。計装化シャルピー衝撃試験のため、荷重変位曲線も同時にとっています。


久留米工業高等専門学校
佐世保工業高等専門学校
鈴鹿工業高等専門学校
群馬工業高等専門学校

その後は、みんなで破面とハイスピードカメラの鑑賞。

群馬高専の学生さんから「ハイスピードカメラの動画がほしいです」って連絡きたので、うれしすぎて13日出張先のホテルで編集して、Youtubeに動画アップしました。誤字脱字があったら、許してください。

こちらはオプショナルイベントで行った、純アルミニウムの衝撃試験片の破面?(厳密には変形するだけで、き裂が発生していません)。いつの間にかデジタルマクロスコープの操作スタッフになってくれた奥村先生。佐々木はあまりに衝撃的すぎて、主催として舵取りしないといけないこと忘れて、しばらく変形した試験片を眺めてました。

中学生に来校いただいたので、中学生にも衝撃試験を体験していただきました。保護者の方までが、「不思議ですね」と感心もたれながら写真撮影されたことで、材料工学の可能性を感じました。

16時 審査員講評

審査員は検討会の委員の先生方にお願いいたしました。

物質・材料研究機構 和田健太郎様 物質・材料研究機構のHPはこちらから
京都大学 川口 利奈様 京都大学材料工学専攻のHPはこちらから
JFEスチール株式会社 長滝康伸様 JFEスチールのHPはこちらから
日本熱処理技術協会 杉山昌章様 熱処理技術協会のHPはこちら

専門家の立場から、工学・化学の先人として、ほんとうに温かいコメントをいただきました。学生さんの発表、質疑応答、スライドの作り方、イベントでの学生さんの様子、将来どうこの経験が生きるのか、さまざまな視点から前向きなコメントをいただきました。本当にありがとうございます。

16時20分 結果発表

結果はプレゼンテーションを40点満点で審査員4名により採点いただき、そこに
衝撃試験値(吸収エネルギー)をそのまま足し合わせました。

以下に結果を示します。

最優秀賞 久留米工業高等専門学校 174J (1回目 161J、2回目 174J)
ナイトメア賞 群馬工業高等専門学校 40J(1回目 39J、2回目 40J)
(ナイトメア賞は惜しくも最優秀賞に届かなかったものの、その努力と経験が材料工学の道を大きく切り開くものであると信じ、表される賞です。表彰にあたっては特にそのプロセスと労力を評価対象としました。)
参加賞 佐世保工業高等専門学校 44J(1回目 45J、2回目 42J)
参加賞 鈴鹿工業高等専門学校 40J(1回目 6J、2回目 40J)

配布材料の化学成分
0.44%C-0.2%Si-0.65%Mn-0.021%P-0.011%S-0.02%Cu-0.02%Ni-0.14%Cr

16時40分 閉会式

佐々木から閉会式の挨拶を述べさせていただきました。

多くの人のご助力とご支援あればこそのコンテストの実現です。
みなさまのご助力とご支援に本当に感謝いたします。

SPECIAL THANKS

参加する勇気を出してくれた久留米高専、佐世保高専、鈴鹿高専、群馬高専の学生さん
立ち上げに際し一緒に頭を悩ませて記事作成や広報を頂いた検討会の松村校長、津﨑先生、中山様、川口先生、和田先生、東田先生、杉山先生、長滝様
学生に声をかけ参加を促していただいた佐世保高専西口先生、鈴鹿高専の橋本先生、群馬高専の山内先生、高山先生
インフルによる学級閉鎖で参加は叶いませんでしたが参加に向けて準備された松江高専の外谷先生
運営のためお手伝い頂いていた技術職員の吉利先生、事務補佐員の大笹さん、技術補佐員の田中さん、吉富さん
実習と紹介にご協力頂いた今泉先生、馬田先生、福田先生
私は〇〇推しの運営に協力頂いた学生スタッフの内村さん、川浪さん、小袋先生
副賞の準備に協力してくれた研究室の白濱くん
心配り頂きご協力いただいた久留米高専の今村さん、小野さん、永渕さん
楽しみに来校して頂いた企業・大学・研究所の坂本先生、安達先生、大林様、尾田様、石井様、奥村先生、池田様、高橋先生
ハイスピードカメラを貸し出して頂いたNIMS広報室の小池様、中道様
試験片加工作成に協力いただいた中村先生、池戸先生
プレスリリースに協力頂いた高専機構の事務方
ホームページ掲載頂いた日本熱処理技術協会の宮本先生
コンテストについて熱コン運営経験からアドバイス頂いた鈴鹿高専の黒田先生
広報に関してアドバイスいただいた九州大学の吉嵜様、山口様
広報課に繋いで頂いた九州大学の機械工学科事務の渡辺様
賛同頂いて取材に来られる新聞社の小林様、片山様、立山様
中学生へイベント参加のお声がけを頂いた月足先生
見学にきてくれた中学二年生・中学三年生のみなさん

ほんとうに ありがとうございました



和田健太郎先生、佐々木、奥村真彦先生と食事後の写真。イベント全部たのしかったです。


“地味だけど,おもしろいがいっぱいあるなら,それをそのまま伝えて,それをおもしろいって思ってくれる人が来てくれたら良いな,と考えています.”

そういうイベントになりました。


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