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失われて、気づく大切さ Vol.1

GWになりましたが、不要不急の外出できなくてストレスを抱えている方がたくさんいると思います。
行きたい所があるのに行けない。会いたい人に会いに行けない。やりたいことがあるのにできない。仕事さえもままならない。ついには、買い物まで3日に1回にして欲しいと制限されました。
この状況。一刻も早く終わって欲しい。そう思っている人も多いのではないでしょうか。

花見ができない今年の春、私はあるご夫婦を思い出しました。
そのご夫婦の家を訪問した時、迎え入れた奥様はとても険しい顔をしていました。3月のはじめのこと。

呼吸器が必要になってから、外出ができなくなってしまった。その原因は2つ。呼吸器を乗せて奥様が押せるコンパクトな車椅子がない。そして、首がぐらつき不安定になること。この2つをクリアできず、病院以外の外出ができていない。そうおっしゃっていました。

お二人の一番の関心事はもうすぐ季節になる花見でした。

「もう二度と、花見に行けないのかしら」

それはご夫婦にとってはとても楽しみにしていた行事だったのです。私が呼ばれたのも、花見に行ける車椅子を用意できないだろうか、とケアマネジャーさんからのご相談でした。「試してみましょう」。

それから4日後、私は車椅子とクッションを持って再びご夫婦の家を訪問しました。首が安定しない理由の一つは、体幹の安定。バックサポートやクッションで体幹を安定させていきます。もちろん筋力の問題もあります。筋力が落ちているからこそ、車椅子を体に合わせて安定させることが重要になるのです。

調整し終わると、ご主人が笑顔になりました。

「これなら、外に出られる」



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車椅子安全利用コンシェルジュ 久内純子
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