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大至急!足を守れ VOL.2

その夜、工場に戻ってスタッフに相談しました。どうするのが一番、車椅子の動きを邪魔しないか。きっちり足を保護できるか。取り付けは現地。サイズ的に微調整できるのはもちろん、ウレタンの種類も2,3そろえていきたい。私は目的地と自分のプランをスタッフに伝えました。「それでもいいですけど、こっちで固定した方がシンプルじゃないですか?」「それって、移乗の時とかにずれないですか?」「う~ん、確かに。・・じゃあ、こんなのどうですか?」「なるほど、そうすれば、開閉にも影響ないですね。じゃあ、この部分の生地は? 滑り止めだと硬すぎますよね」・・営業の合間に書き進めていた設計図を修正して、生地をカットしミシン掛け。ウレタンをカットして準備完了。

いつ行けるかな? 手帳を開いて、どこにねじ込むかを考える。

次の日、病院に電話をしてアポを入れる。看護師も忙しいが無理やり時間を作る。足を切断するか否かがかかっているのだ。褥瘡対策はいつもチームワークが大切だ。それは褥瘡の原因が複合的であることに起因する。栄養状態、皮膚状態、そこにかかる圧。このうち、車椅子屋がどうにかできるのは圧だけだ。圧を減らすだけではどうにもならないこともあるが、圧を減らすことは不可欠なのだ。皮膚状態は看護師の処置が左右する。栄養状態は、食欲と消化吸収能力だから本人が頑張るしかない。目標は足を切断せずに退院すること。

   そのためにも車椅子を使える状態にしなければならない。

看護師は忙しい。私を病室に案内すると「終わったらナースセンターに声をかけてくださいね」と足早に姿を消す。私はすぐさま、お客さんの前でウレタンをフットサポートに固定していく。まずは足の板から。開閉できるように微調整してから、しっかり固定する。次にパイプ部分にウレタンを巻き付ける・・と。「あれ? パイプが思ったより細い」。ウレタンを1巻きするとかなり余ってしまった。

パイプ径を計らなかった私は、工場に置いてあった別の車椅子に合わせてウレタンを準備してしまったのだ。しかも、現場合わせするために、少し大きめに切っている。余った分はウレタンカッターでザクザク切る。器用でも几帳面でもないのでお客さんには、あまり見せられたものではない。が、当時はそれを気にもしていなかった。なみなみな切り口のウレタンをウェット生地で上からカバーして固定させる。できた! 看護師を呼ぶ前に、最後にもう一度、足板を開閉する。と、最後まで閉まらない。ウェット生地がぶ厚すぎる。削るか? いや、ここはウレタンがない部分。しかも小指が当たるから、できれば削りたくない!ウェット生地のゴム部分はそのままクッションになる。この厚みが貴重なのだ。

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車椅子安全利用コンシェルジュ 久内純子
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