感染の認定看護師って1日なにしてるの?
私は、感染管理認定看護師の資格を取得し、感染対策専門の部署へ異動になりました。その後、以前の部署の先輩に会った時に”1日何しているの?どうせ暇なんでしょ!?”と心無い言葉をかけられたことがありました。
まぁ臨床現場で働く人からしたら、いわゆる中央部門で働く人の業務はわからないものですよね。そこで感染管理認定看護師としての1日を紹介していきます。
午前中のお仕事
①朝のミーティングで情報共有
電子カルテで入院患者の細菌検査結果を調べて、薬剤耐性菌やウイルスなどが検出されていないかをチェックします。そして、普段より多いのか、少ないのか、はたまた異常に多いのかを比べていきます。
これらの情報を医師、薬剤師、細菌検査技師などと共有して、病院全体の感染症の発生状況を把握していきます。
あさイチに”最近ここの部署○○が増えてきてるよねー”とか”○○ウイルスがはやってきたよねー”って話をします。
②事例検討
感染症に感染した患者さんや相談依頼のあった事例を医師、薬剤師、検査技師と共有し、抗生物質による治療方針を検討します。
抗生物質は正しく使用しないと薬剤耐性菌を生み出し、治療が困難となってしまうため、抗菌薬の変更や中止を担当医へ依頼していきます。
③相談対応
”外来に○○感染症を疑う患者さんが来ているがどのように対応したらよいか?”、”今日入院の患者さんの同居人がCOVID-19に感染したらしいが入院させても良いか?”など様々な相談が来ます。
午前中は患者さんの入院や外来受診、検査など色々病院全体に動きがあるため、相談が集中します。
たまに”ゴキブリが出たので何とかしてください”とか”シャワー室の水圧が弱いので見に来てください”とか、よくわからないけど感染の人に聞いとけって、投げやりな感じの相談電話もかかってきますね。
④検査結果判明後の対応
朝検査室に届いた検体の結果が判明してくるので、検査技師から報告を受けます。経路別予防策が必要な場合は、該当患者のいる部署へ連絡し、”○○さんの痰からMRSAが検出されたので接触予防策お願いします”と一報を入れておきます。
午後からのお仕事
⑤データ集計
ICUなど一部の部署を対象に尿道留置カテーテルや中心静脈カテーテル、人工呼吸器などを使用している患者さんを対象に、医療機器に関連した感染が起きていないか調査(電子カルテで発熱していないか、検体から細菌やウイルスが検出されていないか)を行います。
正直、昼食後も相まって、機械的な作業を行っていると眠たくなってきます。
⑥環境ラウンド
各部署を直接見に行き、これまでの時間に情報収集した患者さんの状況や感染対策が適切に実施されているかをチェックします。この時も直接”○○ってこれでいいんだっけ!?”とか”最近、○○増えてきてるらしいね”とか、部署の人と情報交換を行ったり、相談を受けます。
もちろんICUやNICUなども見に行くのですが、正直怖い看護師さんには睨みをきかされるし、怖い時もありますよ…。でも怯んでしまっても仕事は進まないのでこそッと行きますけどね。
⑦院内研修会講師
定期的に感染対策の研修会があるので、講師として講義を行います。
対象は看護師はもちろん、看護学生や医学生、委託業者など様々です。
ぶっちゃけ、講義なんて退屈ですから眠たくなってしまいますよね。だから手洗いや個人防護具を実際に着脱する演習を入れて、身体を動かすことで参加者の睡眠妨害を図っています。
⑧会議・研修会などの資料作成
この辺りになると日勤も終わり際に。相談の電話なども落ち着いてくるので、少し集中して会議や研修会の資料を作成したり、報告書をまとめたりします。
定時が終わってから
30分〜1時間程度の会議が入っていたりするので、会議に参加します。その後は、⑧の資料つくりの続きをしたり、最新の感染対策の情報を収集したりするなど、自分の時間に使うこともあります。
このころには集中力もなくなり、だらだらと過ごしていることがほとんどですが…
さいごに
臨床現場と違いデスクワーク中心となり、また違った忙しさになります。ただ、ひとたび院内で集団感染が発生した場合は、ルーチンの業務を止めてでも感染の鎮静に全力を注がなくてはいけないので、ホントに病院にいる時間がかなーり長くなります。
意外とやりがいや達成感があることも多いので、興味のある方は是非。
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最後まで読んでいただきありがとうございます。