愛と執着と呪いの舞台、Caribbean Grooveくんへ
簡潔に言って。
初代team柊のカリグルが良い意味でteam柊としてのキャラクターが透けて見えるカリグルだったし、2代目team柊のカリグルは良い意味でキャラクターが見えないカリグルだったと思った。
初代のカリグルは一言で言っちゃえば「格好良い」。舞台機構の豪華さや脇を固めるダンサーのダンスのキレ、演技もアツく気持ちを乗せてるキャラクター(辰己たち)を楽しめるもの。
舞浜アンフィシアターだからこそできる舞台であり、最後は観客をも巻き込んでペンライトを振りたくさせる、ある種のショーステージ。
一方の2代目のカリグルは感覚で言えば「リアリティがある」。オーソドックスな舞台にめちゃくちゃ動くアンサンブル、演技は登場人物(クリスたち)の感情をより強く表現していて感情移入を余儀なくさせる。
IMMシアターの規模感だからこそ表現できる、観客を飲み込むような舞台。
どちらかを上げれば逆説的にどちらかを下げてしまうような言い方になりそうでちょっと怖いんだけど、吉谷さんが「アンフィじゃできないことをやった」と言っていたらしいので、堂々と差を感じていいんだなあと安心して書き続けるよ。
みんな違ってみんな良い!という話なので!
🏴☠️クリス/辰己
そもそも『辰己琉唯』というキャラクターがキラキラ儚げ(儚げ?)お姫様王様人間であるという前提でこっちはクリスを見るわけじゃないですか。そしてクリスって16歳だから早生まれの辰己とは一応同い年のキャラクターなんですよね(そう定義します)。
『自分と同い年の海賊の少年の年相応さ』ってすげーーーやりにくくないですか? 辰己?
でもクリスはすげーーーー少年だった(なんならドラマCD版が一番少年かもしれない)。2代目は少年らしさにちょっと幼さも入ってた。多分初代にはそこまではなかったはず。
カリグルって、そんな『人の前に立つ船長(リーダー)になりたい少年』が実は『人の上に立つ王様になるべき王子』だったことを知り、目覚め、進路を定める物語だと思っているんですけど。
ただ今回、前回以上に『急に王になったな』と思ったんですよね。
申渡がずっと「辰己こそ王に相応しい」と言い続けてるのを聞いてるオタクとしては、彼が王であることに違和感はないのだけど、でも何にも知らないにしては戸惑いもなく判断も早くない? と思っています。私は。
こう思う理由として2人のクリスの差を挙げるとすれば、初代は「内在する王族としてのカリスマ性」を感じる演技をして、弱さの部分を表現するのがある程度セーブされていたんだと思う(多分こういうのが初代たちの『格好良さ』じゃなかろうか)。で、2代目は「海に逃れた"王子であることを知らない"少年」であることを真剣に捉えたクリスなんだな、と。だからそれを知った時に、クリスは泣き叫ぶほどの激情を歌にぶつけている。これ、別にどっちも間違えではないけど、両立は無理じゃないですか。
で私、ずっと『TOP SECRET』の「何にも言わないまま」の後の部分、ずっとティエラの「ああもうあいつは止まらねえ」にかき消されて何て言ってるか聞き取れなかったんですよ。今回やっと「言わせないまま」って歌ってたと気が付いて。確かにアルベール、知らないでいてほしいからってクリスに何にも言わなかったから、クリスから選択の機会をずっと奪い続けてたんですよね。安全のためなんですけど。
「ありのままを告げたら 君は立ち向かうだろう」ってアルベールは思ってるし、実際クリスは「行くと言うなら 追いかけるだろう」って言ってて解釈大正解なんだけど、だからこそクリスに急激な成長を強いている。心の準備も闘いの準備も、革命は待っててくれないので。
もしかしたら3時間尺Caribbean Grooveだったらもっと葛藤する瞬間だったり、自分の出自を知りたがる一幕もあるのかもしれないなと思った。でもクリスにしてもアンリにしても、アルベール以外の2人も親の顔知らない(ティエラは母親だけ)分、誰も親とか故郷の話することがないからそもそも気になる土壌がないとも言える。それでもアルベールとティエラの大人の時間(意味深)を盗み聞きするくらいはあってもいいなと思った。秘密があることくらいはさすがに知っててほしい。
あとレジスタンスメンバーが「海賊として王子様が生きてるはず」って噂を信じてるとかね。急に海賊が王子を名乗って出てきたのに「我々の王だ!」ってなるのさすがに戸惑いがなさすぎる。
やってくれよ、本公演のその先をさあ!
初代はその辺を「元々リーダー気質だった」みたいな雰囲気のクリスとして受信していたから違和感薄れていたけど、急激なことには変わりないわけで。今回の公演においては違和感をより強く感じてしまったわけだけど、だからと言ってクリスという海賊の少年としての反応、自分がやらなきゃいけないことを自覚したあとの覚悟の現れとしては自然な気がするから、これは演出とか演技の違いだなあって受け取ることにした。
2代目、ジョバンニに短剣突き付けられたとき本気で怯えててめちゃくちゃ良かった。そりゃあこええもんな。初代はティエラに子守り(?)されてるときにティエラ殴ったあとに「ふっ……」って両手広げて勝者の余裕のポーズするの好き。
🏴☠️アルベール/申渡
クリスと同じく2代目の方が激情込み込みアルベールだった。まあこの2人の感情の温度は同じにしないと温度差で客が風邪引いちゃうからなあ。お互いの演技に引っ張られ合ってるんだろうか。
クリスの少年のらしさがよりアップしたからかより過保護さがアップし……たかと思いきや個人的には初代の方が過保護だった気がしないでもない。私が長い時間見てきた初代の、あまりのThe Eleganceさに引っ張られてるかもしれない。
今回、ジョルジュから「死んだやつの気持ちがわかるのか」と問われて「わかります」って言うの、ほんとにわかるのかよ? と思ってずっと観ながら考えてたんですけど、アルベールって、7歳で海に逃げたときからずっと『命に代えて大切な人を守る側』にいるんですよね。たまたま死んでないだけで。そして自分自身もあの瞬間は『守られる側』だった。守られる側の無力さすら知っている。
どちらの気持ちもわかるから、闘いたいと思うし闘ってほしくないと思う。ピエールのことを「まだ子ども」とは言うが、16歳の男を子どもと言って守りたがるのは、あの時代的に実はどうなんだろうか? クリスと同い年の少年からしたら、そりゃどつきたくなるだろうな。舐めるなよと。
ピエールが16歳になったことで闘うことにより覚悟と闘志が見えてよかったけど、13歳より守られることへの違和感は増えた気がするからちゃんと抗ってくれてそこも良かった。
初代はTOP SECRETの演出がすごい好き。回転盆に乗ってアンサンブルの回想を見届けるところの、ティエラがクリスに対して、アルベールは「この世で1番大事な方から~」って言ったんだ、って歌うときにアンサンブルも一緒にアルベールとして歌ってくれるの。そのときに(おそらく)クリスの両親が赤子を抱き上げて。そのあとの「まさか君の光半分を奪ったのが俺なんて」と絶望する中さっとアンサンブルから剣を受け取って闘い、目を斬られて回りながら崩れるアルベール。流れが美しすぎる。
だからこそ今回の演出はティエラの激情(後述)こそ良かったなと思いつつ、初代のアンフィらしい演出に私の中では軍配があがってしまった。
今回のアルベールは、ステージに5人並んで踊ったり立って台詞言うだったりのところで、他の四人が足広げて仁王立ちしてるのにアルベールだけ足クロスさせた綺麗な立ち姿なの、「これが貴族のお坊ちゃんかぁ~~~~~~!!!!!」ってなった。クリスとアンリは王族だけど王族として育てられたわけじゃないから海賊としての作法しか知らんのだけどアルベールはそうじゃないじゃん。物心ついてから綺麗な所作を仕込まれてるわけじゃん、7歳までさ。そういうところですよ。「お や め な さ い ! ! ! !👏👏👏👏👏👏」もなんかこう、お貴族感ない??? 家庭教師のマダムとかがやってそうじゃない????
🏴☠️アンリ/卯川
アンリってさあ、すげーーかわいいじゃないですかあ。誰よりも幼くて怖がりでか弱くて可愛がられてて短パン少年で神経質で『おやつ』とか言っちゃう子。でも闘いの場では気丈で勇敢で足癖悪くて逃げずにちゃんと敵を倒せる強い子。いざというとき、必要な判断を下せる子。
なのに誰よりも物語から蚊帳の外におかれている気がするのはなんでだろう。
その上クリスと同じく急に覚醒して、「王様になる」って言い出す。
わかるんだけど……これ、他の登場人物は納得できるの? って思っちゃう。思っちゃった。
ブラッディロジャーのリーダー格なのに
一般のクルーたちに色々言っても許される立場にいるのに(文句言うことも褒めることもできるのに)
ちゃんと誰よりも矢面に立って闘っているのに
というのを考えた結果、WILD CROWN後に「一番手柄を上げていない」「まだ子どもなんだから」なんて言われるもんだから「アンリはみんなより弱い」という認識になっちゃってんだなと思った。いやまあ実際他の4人よりは実力足りてないんだろうけど。でも他の『海賊の男たち』が大人しくアンリに従うんだよ? 弱いってことはなくない? 仮に5人の中で1番弱いとしても、他のクルーに慕われてるわけだし……そこの理由って説明なくない? 王子だってみんな知らないんでしょう?
クリスとアンリの出自を他のクルーが知らない理由、この前の同時再生スペースのときに『ティエラの父親(元船長)と一緒に古株たちは船を降りた』って説明があったからなるほどなあとなったけど、ますますじゃあなんでアンリはクルーに慕われてるんだ? 強さが序列になる海賊ではない? クリスの従兄弟だから? だとしたらそれアンリ的に嫌にならんか?????
でもさっき書いたようにアンリはちゃんと闘うし必要な判断を自分で下せるんだよ。王様の資質はちゃんとある。
だからこそ言いたい。アンリ弱くないよ!!!!!
で肝心の蚊帳の外感なんだけど。
アンリってクリスに比べて、アルベールとティエラの『秘密に関わる部分に寄せる感情』を向けられてないんですよね。そして当たり前だけどクリスからは『大切な弟』扱いだけで、物語の核心に迫る感情を向けられることはない。
真実のゆくえもアンリのことを想うことはないし、今回のTOP SECRETではティエラがアンリを端にやってクリスにだけ語りかけるから余計に蚊帳の外っぽさが目立つ。初代見返したら、この曲になったら舞台からアンリ消えてた。アンリもアルベールに守られてるんだからこれは知っておくべきなのに、いなくなるべきじゃないのに、いると蚊帳の外に見える。一緒に歌ってくれ?
しかも、アンリからのクリスへの感情も正直あんまり目立ってないってのもある。あとから「憧れ」「ずっと見てきたよ」って歌詞が出るんだから、きっとそういうのが心の中にはあったんだろうけどね。夢*冒険パイレーツでも「ボクだって羽ばたけるんだ きっといつの日か」とは言いつつ「今日もきっと いい日になる」ってまあまあお気楽な感じだし「アルベールさんが見あたらない」の歌(タイトル忘れた)でも「ボクも怖い 離ればなれはイヤだよ」って弱気なこと言うし(というか今気付いたけどアンリってほぼ歌唱ないのね……)、なのに最後の最後で急に王様になるって言う。ピエールのこと見て「クリスがやらないならボクがやらなきゃ」ってなる説得力はあるのに、他のメンバーからも本人からも『王族への期待感・使命感』みたいなのがうっっすい気がする。
みんなアンリを子ども扱いしすぎなんじゃないかなあー? 本人が言うように。海賊として生きるのに「子どもである」ことは絶対に免罪符にならないでしょ。ジョバンニとの会話の中で「クリスみたいにはできないし」とか言っていじけてたら後々王様になる伏線にならんだろうか?
キャラクターの印象で言えば、初代のアンリは美しかった。2代目は可愛かったなあ、と思った。初代の「そんなに踊りたいなら!ひとりで!踊ればいいじゃん!」のシーンめちゃくちゃ好きだったんだけど今回はなくてちょっと残念だった。初代のカリグルからレビューに繋ぐダンスパートも好きでした(ダンサーへの感想)。
2代目はねー、夢*冒険パイレーツのサビで移動階段に座って舞台上ぐるぐるするの可愛かった。階段同士がたまにパカパカするのにひやってすることもあったけど。本当に楽しそうな感じがして良かった。
🏴☠️ジョバンニ/戌峰
ここで急にキャストの話して申し訳ないけど丹澤さんだからできるジョバンニの歌唱かと思ってたらがっっっっつりつよつよ歌唱してきて中本くんすげ~~~~っ!!!!!ってなりました。新ミュ1stも観てるんで歌うまいのは知ってましたけどね。
ジョバンニもだんだん感情籠ってきてる感じがした。物語の序盤→終盤もそうだし、公演を重ねるごとにってのもある。
今回のジョバンニ、クリスを殺そうとしたナイフを雇い主の兵に投げて攻撃してるの、これ以上ないほどの裏切り直しじゃない????? めちゃくちゃ格好ええ。
で、その一連の流れの中で、クリスに短剣つきつけたとき、ジョバンニは右手でクリスを抑えて左手にナイフを持っていたのだけど、最後の闘いの中でナイフ投げるのは右手なの、なんか意図あったのかな? 利き手とか考えたら抑えるのは利き手、投げるなら利き手、なんだけど……それだけ? もしかしてためらう気持ちが籠ってたりもした?? とか思ったり。
でもアモルテにしたってさあ、ジョバンニとは金があれば成立する人間関係だったとしても一緒に過ごす時間はあったわけでしょう? 一緒に金稼ぎを成功させて祝杯をあげる日もあったんじゃないの? だからアモルテに「もう一度雇い主と話を」って情に訴えること言っちゃってさあ。金が全てと思いつつも情を棄てきれなかったのがジョバンニなんだろうな。優しいな。
初代のアモルテってなんか「盗賊団の頭領」みたいな印象があって、ジョバンニはアモルテに使われる駒の内の1人、って感じがしてたんだけど、2代目は年齢近そうな感じだからか「2人で悪いことしてました感」があったのよな。知らんけど。
初代のボロ布ばさって着ながらアモルテと密会するの格好良かったし、2代目のONE CHANCE後に剣をかざして表情変えるやつ格好良かった。
戌峰は今回もアドリブばちばちで賑やかでしたね~~!🤣🤣 オタクはアドリブのギャグパートがばちっと決まると拍手をする生き物なので👏👏
Welcome,Thank Youの早口口上は全体的に面白くて好きだったけど、上手席が多かったから毎回「今日はなにやるんだ……」って注目してた。ダイオウグソクムシはわからんて。
🏴☠️ティエラ/虎石
やっぱりティエラも初代ありき(高野くんだからできるだったり、アンサンブルがそもそもダンサーだったり)のNEVER LOSE CRUISINGだったと思うんですけど、めちゃくちゃその遺伝子受け継いでましたね……。しかも声音がぶれることなく歌ってる。ミュージカル俳優ってすげえよ。
ティエラは全てを知っている代わりに当事者ではないという性質上、どうしても他のキャラクターとの関わりは薄く見えるわけだけど、それでも13年も王子様たちと、特に年が近く秘密の共有ができるアルベールと一緒にいたわけだから、なんの情もないわけがないじゃないですか。今回その辺がすごく可視化されたなって思いました。特にTOP SECRETで。あそこでアンリを放ったらかしにしたな、という気持ちもあるけれど、それでも1番アルベールを大切にしてほしい(そしてアルベールから大切にされてきた)クリスに「全てはお前と祖国のために!」と激情をぶつけるティエラは間違えなくアルベールの大切な友人だよ。
虎石の方の話ですけど、初日まじでHoney!Honey!Trap!の「好きだよ」後がシーンってなっちゃって「わぁごめ~~ん!?!?」みたいな気分になってしまった。多分みんなで牽制し合ってしまった。やる……よね? やっていいんだ……よね? ってみんなで様子見しちゃった。そしてやりづらい空気を作ってしまった。体感だと8日から悲鳴が上がりだした気がする。私もようやく8日の公演に友だちと行って、「キャーーーーッ!ってやろ!?!?」って示し合わせて悲鳴上げられたので。ぼっちは悲鳴上げづらい。
あとこれも信じてほしいんですけど、目の前でファンサくらった後に「好きだよ」なんて言われたら、出てくる悲鳴は「キャーーーーッ!」じゃなくて「ヒェ……」です。子猫化します。
オタクもキャストも賑やかな方が嬉しいみたいなので2ndでは積極的に悲鳴上げていきたいですね……。
さて。
今回の舞台で1番良かったところ!
ちゃんと休演日を設けてすぐに終わらなかったところ!!!!
公演期間中、オタクは「また観られる!」って嬉しい気持ちを抱え続けられたし(観られない回があってもキャストのSNS追っかける楽しみがある)、キャストはその日の公演を振り返って演技プランを調整したり充分に体を休めたり、じっくり作品と向き合う時間があったじゃないですか。作品と向き合うのはオタクもそう。稽古期間とかないからオタクはなおさらこの時間しかないのよな。
過去、どうしても2日間・4日間という短い公演期間を駆け抜けたから、気持ちの乗せ方が刹那的な楽しみというか、ジェットコースターみたいなノリで楽しんだ気がするのだけど。今回はちゃんと舞台を観にきているという実感があった。別に前だって舞台を観ていたんだが。なんかこう、フィルハーマ○ック見てるか映画見てるかの違いみたいな。どっちも楽しいからオールオッケーです🙆
スタミュの女ならわかってもらえると思うんですけど、ミュージカル『Caribbean Groove』って奇跡の結晶みたいな作品じゃないですか。
最初はたった数秒のアニメ映像(静止画)から始まって、
OVAでMVがついて、
ミュージカル『スタミュ』でキャストが演じてくれて、
キャストの願いでレビュー公演が決まって、
それが更に発展して本公演が決まって、
ドラマCDでアニメキャストも演じてくれて、
で、また新キャストで公演が始まってる。
こんなことあります????
でも現実です。やったぜ!
私に限らず、この一連の流れをリアルタイムで追いかけ続け、なおかつ要所要所に挟まれる大量のコラボカフェやポップアップショップ、ことある毎に開催されるスタッフトークショーに参加したオタク、たくさんいるじゃないですか。
そんなオタクも中々ですけど、意地でもコンテンツを続けてやるという強い意志を感じさせる運営の熱は本当に凄まじかったなと。さすがは『明日からコラボカフェやります!』でお馴染みのスタミュくん。いやもっと早く告知してくれよな!?
ひどいときには同時に6ヵ所くらいでコラボカフェやってましたね。
『短期集中!スイーツ作り体験教室』もありましたねそういえばね(Whipコラボ)
でもそういうところ楽しくて好きだったよ🫶
team柊箱推し故に毎回大量にドリンク飲んでコースターをコンプしてたんですけど、コースターとミュミュのブロマイドを入れたアルバムの冊数はもう数えてない……
スタミュは公式の愛と執着。そしてオタクの愛と執着の結晶ですよ。
ね、栄吾?
でもそんな☆☆永遠★STAGE☆☆ことスタミュくんもさすがにコロナ禍には勝てなかったじゃないですか。………………いや、意外と勝ってたか?(カフェや舞台ストテラはあったな)
とはいえずっと勝ち続けるわけではなく、アニメが一区切りついて、ミュージカルも最終公演はできないで時間が止まってしまったわけだけど。
でもスタミュくんやっぱり☆☆永遠★STAGE☆☆だから復活したじゃないですかあ!!
新キャストでまた新しいスタミュミュを、という形ではあるけれど、でもまあ私そもそもはキャストじゃなくてスタミュのオタクだから。やってくれるなら見るから! やったあ!!
ってそんな簡単に受け入れられるかい!
と、思ってました。そりゃあね。
そして多分前代ミュミュに関わった人みんなそう思ったんでしょうね。
だからみんなでとんでもないプレッシャーをかけるような真似をしましたね。動画とか配信とか。
それだけの愛と執着。そして新キャストにとっての呪い。
読み方は「のろい」でも「まじない」でもいいよ。
ものの見事に呪いにかかった新キャストのみなさんはとても苦労したことと思います。でも背負ってもらいたかったんです。それだけ好きだったから。
あんまり中途半端な気持ちで演じられて宝物に傷をつけられたくなかったし、無自覚に傷つけたことに後から気付いてほしくもなかったから。
特に、Caribbean Grooveなんてね。
team柊推しの贔屓目で見て、確実にteam柊のオタクが一番思い入れ強いし、初代team柊キャストが一番熱量も絆も強かった。だからカリグルはこうやって世に出たし、2回も公演をしてきたわけで。2000人のキャパを埋めるだけの熱量と愛を受け継いでもらう必要があったんですよ。カリグルをやるのであれば。
たった5人のメインキャストで集客するんです。メインストーリーでも、主人公でもないのに。
どうしたって前例がある以上、数字も気持ちも比較されてしまうから。
その上で、いいものを演じてほしかった。
と、いう気持ちがあるんですけど、ごめんなさい、やっぱり初めは過去と完全に同じ熱量ではいられなかったです。私は。
スタミュミュはもうないと諦め、アニメも終わったと受け入れ、他のコンテンツに熱を上げ、飾ったグッズを仕舞い、整理して、ちょっとずつスタミュから離れていってたんです。たまーーーーーに思い出して曲聴いたりして「好きだわやっぱり!!!!!!!!!」ってなったりするくらいで。長いこと推す以上楽しいことばっかりじゃなかったし、多少なりとも「離れたい」と思う日があったりしたけれども。でも完全に離れられはしなかったし、嫌いにもなれなかったです。
そしてスタミュは☆☆永遠★STAGE☆☆だから終わらせてくれないんですよね。
だからもう、本当にただの執着心だけのつもりでした。
ただの執着心で、今回8回分のチケットを取りました。
当日券とかじゃなく最初の先行で行けるだけ取りました。えへ。…………離れがたいんですよね、ここまで最初っっから見てると。もはやこれも呪いかも。
それでめちゃくちゃ楽しかったし、1回1回違う部分を観て十全に味わって、日替わりに笑ったりストーリーに泣いたりしたんですよ。いっぱいチケットとってて良かった~~!!!!!って思いました。
やっぱりまだ愛もちゃんとあるのかもしれない。
でも。
これだけ執着も愛もあるけど、この5年間頭の片隅にマイナスな部分が残り続けてるんですよね。あれです。前作本公演の円盤の音響問題です。
どれだけ前回の公演が良い公演だったと思い出しても、特別ディスクで公演を見返しても、DMMで購入した映像を見返しても、CDで曲を聴いていたって、どうしても、あの円盤の音声が脳内から消えてくれないんですよね。5年間、『特別Disk』なんて特別でもなんでもないBlu-rayディスクをデッキに挿入する度に「なんでこっちじゃなきゃいけないんだろう」と考えてしまうんです。これから先、かつてのメンバーのカリグルを知ろうとしてくれた人は、あの円盤を手に入れることになるのかあ、と考えちゃうんです。もうあのディスクの入手方法ないですもんね。円盤自体は流通してても。
そうやって、好きなもののはずなのに嫌な思いをして、脳内でずっとあの音がリフレインしてるんです。
消えてくれなかったんですよ。
でもね。
今回の観劇で消えました。たぶん。
少なくとも、劇場で今の5人を見ている限りにおいては、その幻聴はしなかったです。そりゃ、違う人が歌ってんだから当たり前かもしれないですけど。でもCDのハニトラ聴いてても「千↑に」の幻聴はあったのであんまりそれは関係ないかも。
そして終演後に今回の思い出を反芻するためにCD聴いてても、円盤の音が脳内再生されることはなくなりました。
本公演の流通盤の映像を観たのなんてほんの数回なのにあれだけ脳にこびりついた音が、目の前にまたteam柊が現れたことで、またCaribbean Grooveを生で観られたことで、やっと浄化されることができました。
本当に嬉しい。ありがとう。
あれだけの執着と愛をたった一撃で台無しにされて、それでも公演自体は素晴らしいものだったからと自分をなぐさめていたものが、またたった一撃で覆されたんです。それで、初代のカリグルの後悔が消えるものではないけど、それでも。
個人的に新ミュミュになって気が付いたのは、私はやっぱりteam柊というキャラクターのファンだから、結局のところ誰が演じようとそれを受け入れることはできるんだなと。でもその上でキャストの人たちの人間関係を上乗せして楽しんでしまうわけで。だからキャス変は悲しいけれど、今回みたいな代替わりは積極的に応援もしていきたいと思った。サイレント卒業や単身の卒業は悲しい。
だからツイートもしたけれど、かつてメンバーの卒業公演であり、「サイレント卒業」に座長が自棄笑いをしたカリグルで、新座長が「全員続編続投です!」って言ってくれたのがとても嬉しい。これからも今よりもっともっとteam柊らしいパフォーマンスを魅せてほしいです。
で。こっから完全に自語りなんですけど、最近私ラノベ書いてたんですね。新人賞に応募するために。ずっと興味だけ抱いてて、でもそれがどんだけ難易度高いものかも知ってるからずっっと足踏みしてたんです。で、たまたまきっかけがあって「まあ……やるか……」みたいなノリで始めることにしました。やらなかったら一生「やってみたいなあ」の気持ち抱えることになるしな、ってくらいの気分です。逆に今までやらなかったのは、別に書きたかったらなろうでもpixivでもカクヨムでも載せたらいいじゃん、って思ってたからです。
ハードルが高いのは『小説を書くこと』じゃなくて『新人賞に応募すること』だったので。
なんというか、小説を0から書くのって時間かかるんですよ。慣れないからなおさら、数ヶ月とか余裕みてどこに応募するかとか決めたんですけど。好きなレーベルの締め切りがカリグルの公演前にあったんで、そこに目標を定めました。
で、新人賞に応募することがなんでハードル高いかって、本一冊分相当の長さの物語を完成させなきゃいけないんですよ。破綻なく、キャラクターを立たせて、他人が読んで面白いと思えるように。
そして当たり前ですけど、プロになるための賞レースなので明確な勝ち負けが存在するわけですね。でも現段階のクオリティや面白さだけで勝負するんじゃないんですよ。「今後この人の作品はきっと売れる」と思わせるだけの何かを提示する『可能性』をかけたオーディションなんだと思ってます。私は。
ミュージカル学科のオーディションかなあ!? って思って!!!!!!
これの何が恐ろしいって、星谷みたいな基礎はあんまりでも突出した魅力を持ってる人はどんどん選考を突破していくし、初期の揚羽みたいに能力はあるけど人の真似してる人は落とされるんですよ。小器用なだけのやつは落ちるらしい(風の噂)。そして当たり前ですが月皇遥斗みたいな天才が大きめの賞を取っていきます。
だから自分がどれだけ上にいけるかなんて、やってみないと結果はわからないんですよ(1期1話の星谷状態)
と悟った上で、やると決めたわけですが。
ある程度の長さの物語を書くためには、それなりに材料が必要になりますね。キャラクターの目標とか能力とか性格とかそういうの。長編に耐えられるだけの設定を考えるのが苦手で長編避けてた(=新人賞には応募できなかった)んですけど、今回はもうなりふり構ってられなかったので(1回やったら満足してもう書かなくていいって思うかなって思ってた)、最終手段、自分の知ってる感情を使うことにしました。具体的な方法としては、Xの自分のツイートを振り返って、1番強いワードを採用します。
カリグルへの感情が1番強かったんですよね!!!!!
ポジティブもネガティブも全部含めて、パワーワードたりえるのはカリグルに向けたものが多かったです。まあもちろんそのまま流用できるものではないので別途用意したやりたい舞台設定に合わせて調整したわけですけど。
そして締め切り。別に破ったところで誰も何も言わないしラノベ新人賞なんてレーベル選ばなければ月一間隔くらいで締め切りがやってくるんですけど、それでも「ここで提出しなかったらカリグルを締め切りに追われながら観ることになるな……」という気持ちで無事目標の日までに書き上げました。仕事しながら書くのしんどすぎるのに仕事とかで小説から意識そらす瞬間ないと情緒ぶっ壊れるなと思った。
小説書いてたら音楽なんて聴けないんですけど、書き終わったあとにスタミュの曲を聴いたら、やたらと心にぶっささるんですよね。
「DREAMER」のサビとか特に。他作品だとあんスタの「Majestic Magic」とかアイプラの「The Last Chance」とか。
今まで、この手の「夢を追いかけるソング」を聴いても自己投影しなかったんであんまり響かないし、なんなら「でもやってもなあ……」みたいな否定的な考え方だったんです。「夢を諦める方法なんて知らない」って言うけど、夢に向けて何もやらなかったら、そもそも「諦める」とは無縁でいられるし。でも始めちゃったからにはそうもいかない。星谷マインド全開でやるしかない。だからなんか……"効く"なあって。
人生の中でこれを夢にしたつもりはなかったんです。本当に。興味だけ。選らばれし者だけが挑戦するやつかなって思っていたので。でも挑戦するだけなら必要なのは時間とデバイスだけなので他よりずっとお手軽な夢なんですよね、ラノベ新人賞。お手軽過ぎて逆にやらないまであった。ディ○ニーランドは近所にあればあるほど中々行こう!ってならない(諸説あり)。
でカリグル終わった後に結果出たんですけど、なんと一次選考は通過したんですよ!!!!!
初チャレンジでこれは普通に快挙👏👏
調子にも乗る。だからこういうことも書いてられる。そしてその上で聴く「Starship Runway」。泣いちゃう。歌詞というか、脳内で勝手に補完されるキャラクターたちの口上。夢は待ってるだけじゃ叶わねえ!
ははは、まじでそう。
何が言いたいって、スタミュとカリグルがなかったらここまで来てなかったってことです。まだなにも叶ってないですけどね。でも挑戦することに意味があるので。いや結果出さなきゃ後悔残るのでそれは嫌だが。スタミュはきっかけではないんですけど、とりあえず1歩だけと覚悟決めた私をここまで連れてきてくれたんです。
というわけで無事に『ミュージカル学科候補生』になったわけです(なってない)。ミュミュの「俺こそミュージック」のパートがめちゃくちゃ好きなのでずっと反芻されてる。「君たちはただの候補生!」「第一次選考を通過したに過ぎません」。はい。
ただひとつ言うとすれば、星谷みたいに急に人生の方向転換キメたわけじゃなくて、どちらかといえば那雪みたいな「ずっとやってるけど夢にするには自信がないしきっかけがない」だったので突然才能に目覚めたとかではない。だからこそ、ここまでやって無理なら無理じゃない? がずっと頭にあったのだけど。逆にちょっと希望持たされてやめるにやめられなくもなっている。夢を諦める方法なんて知らない……!
スタミュの1期の放送が終わったあと、team柊に人生キメられてしまった私はこんなツイートを残しています。
2016年3月。OVA制作発表すらまだの時期です。
それがここまで来たんですよ。
その時点で既にCaribbean Grooveに対する愛はすごいし、ちゃんと追いかけていったら応えてもらえて執着しちゃうし、最後だと思った瞬間にそれが呪いに変わっちゃうし。
でもまだ終わらないし。
だって来年になればまた新ミュミュ2でやってくれるんでしょ? 卒業セレモニー版のCaribbean Groove。
☆☆永遠★STAGE☆☆だなあ!
スタミュがそうであると証明してくれるのであれば、私もそうしなきゃいけない気がしてきた。なんかそんな話を書いた気がする。
なのでスタミュよ永遠であれ。
いつも心にCaribbean Groove!
また来年!