「海に眠るダイヤモンド」最終回の絶望と救い

最終回で突きつけられる「鉄平の人生」は絶句するものだった
どこにも救いがない
金も時間も厭わず執拗に潰しにくる蛇のような追手からの逃亡は果てがない絶望

それがね

あの昔の映像で鉄平が玲央と同じ顔じゃなかった、
神木隆之介くんの演じていた鉄平は朝子の記憶の中の鉄平だった、と知った時に
救われたの、私が←

演者が誰であれ鉄平の人生の悲惨さは何も変わっていないのに
視聴者である私はなぜか
「良かった…つらい思いを何年もして朝子への想いを抱えたまま亡くなった神木隆之介はいないのか…」ってドクターヒルルクみたいな心境になって、
救われた
すごくすごく、救われた

鉄平を神木隆之介くんが演じていたのは、ストーリー上のトリックでもあり、朝子の心情表現のひとつでもあるんだろうけど
私にとっては野木さんがくれた「救い」のようにも思えた

そんなのはもちろん勝手な解釈なんだけど
それもアリだよね！って思わせてくれるのは
朝子の子供たちが父・虎二郎の人生を勝手に肯定して救われてる描写があるから。
私たち視聴者が勝手に解釈して救われてもいいよね

鉄平が追われることなく穏やかに最期を迎えられた施設の庭のコスモス
そこで朝子は端島に思いを馳せ、端島の朝子を肯定してあげる
待ち合わせの場所にやってきた鉄平は神木隆之介くんの姿の鉄平
プロポーズをする時に手に持っているコスモス代わりの菊の花を挿しているのであろうギヤマン
「キラキラしとる」って朝子が指をさすのに画面には映らない
朝子が目にすることはなかったから

どこまでも朝子の中の世界
「あるわ、ここに、私の中に、みんな眠ってる」

ラストシーンの玲央は黒髪なのに 鉄平ではなく玲央のままなのが素晴らしいな神木隆之介くん

「お、禅問答！説教和尚だ」とか端島ネタが咄嗟に出てくるのが、鉄平の日記を通して朝子と端島で過ごしたような時間を共有できた玲央なんだよね

「見たはずのない景色を、夢に見る」

玲央の中には確実に鉄平がいて
未来を語る玲央が鉄平の救いにもなっている気がした

でも最終回で1番叫んだのは
サワダージの誠案件だったけどね！！！！

💎✨️