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俺とドリームコースター@かみねレジャーランド

墓地と横Gと私

初乗車:2024年11月16日
好きなセクション:セカンドドロップ

 このところ仕事に忙殺され過ぎて、ジェットコースターに乗車する行為自体と遠ざかった生活をしていた。やれ長期出張だ、やれ新規プロジェクト立ち上げだのなんだのを繰り返していると、ストレスで爆発しそうになる。なんかよく分からないけど、ボンバヘッしそう。そう、俺がm.c.A・T。

 、毎度書いているような前置きは置いておいて、ストレス発散のため関東に点在する未乗車コースターを制覇して気分転換をするかと、未訪問だったかみねレジャーランドにやってきたというワケだ。

都内から約2時間30分 日立駅からのアクセスも良好
廃止された遊具も多く、すこし寂しい

 回のお目当ては、園の目玉遊具であるドリームコースターだ。乗車中の絶景、そしてアグレッシブな横Gを体験できる機種としてジェットコマニアの間ではそこそこ名が知られている。

コース全景

 みねレジャーランドがオープンした1983年当時から設置されており、当時は茨城県内初のコースターとして注目された。設計は豊永産業。ちなみに、オープン時の名称は何の捻りもなく”ジェットコースター”だった。

オープン当時の写真 今とほぼ変わらない風景[1]
最初期の車両[2]

 1990年代中ごろには開放感あふれる車両へ入れ替えを実施、名称もシースルーコースターへ改名を果たした。車両は宝塚ファミリーランドにあったツインライナープリズムによく似た形状。ただ、プリズムは1車両に2人乗りだったのに対し、シースルーは4人乗り。また車両デザインも一部異なることから、プリズムをベースに豊永がカスタムしたのではないかと推測する。また、デフォルトは5両編成で運行していたようなのだが、時期によっては4両編成で走行していたりと、フレキシブルに編成変更が可能だった。当時の”るるぶ”や”まっぷる”記載の写真を見ると、最初期の野暮ったい車両と比べてなかなかスタイリッシュだ。シティ派感覚の俺としてもなかなかイケてるデザインだと思う。は?

シースルーコースター時代[3]

 2010年代に入って3度目の車両変更。ここで園のマスコットであるカーミー君をドカンと先頭に配置し、ファンシーな車両デザインへとイメチェンを図る。シースルー時代は上記のように俺のようなヤングアダルト層(死語)をターゲットにしたようなスリル溢れる車両であったが、カーミー君を配置することでファミリー層へターゲットチェンジしたようだ。

現車両 ドヤ顔カーミー君

 両はシートベルト+ラップバーの典型的な安全装置。この黄色いバックル、全国色んなコースターで見るんですけどデファクトスタンダードなんですかね? 

座ると尾てい骨が痛い

 車すると太平洋を背に巻き上げを開始。高さは15mほどだが、この日は久々にコースターに乗ったせいか、ちょっと怖かった。ほんのちょっとだけ。まあ山の上にあるので、たかだか15mとは言え眺めは良い。

巻き上げ中 

 き上げを終え、左旋回しながらファーストドロップを駆け降りる。ドロップの最下点は駅舎より下に位置するため、15m+αの位置エネルギーをカーミー君は得ることが出来るのだ。スピードが乗るにつれて、車両の外側へ引っ張られそうな遠心力が掛かる。ファンシーな見た目のくせに、中々荒々しい。また、そこそこ地面に近い箇所を旋回するため、スピード感も相まって見た目以上のスリルを感じられた。イイネ

ファーストドロップ~セカンドドロップ入り口まで
枝越し1stドロップ

 るっと左旋回を終えると、セカンドドロップへ。全長560mの走路の中で一番の大ドロップだ。最後尾に乗れば引きずり込まれる感覚と、エアタイムとはいかないものの、フワッとした重力変化を感じることが出来る。また、雄大な太平洋と日立市の街並みを眺めながら降下していくこのセクションは、個人的に、鷲羽山スタンディング&チューピーに負けず劣らずの絶景。

目下には日立市そして太平洋
大ドロップ

 カンドドロップ後は、集団墓地とドラゴンコースターの狭間を急上昇。ドロップの底では少し振動アリ。まあ建設から40年は経過しているため多少の振動は無理もないが、そこまで激しい揺れではないので身構えなくてもモーマンタイだ。

右手には墓地が
グイッと上昇

 昇すると緩いキャメルバックだ。かなりスピードが落ちているので浮きはあまり感じられない。けどまあ、景色は良いよ。

キャメルバック でもエアタイムは無いぞ

 ース後半は丘陵地に沿ったようにループが設置されており、丘を滑るように2周旋回をする。斜面に沿ってループが引かれているため、俯瞰で見ると中々面白いレイアウトだ。キャメルバックの頂上からループ最下点まで一気に降下するため、かなりのスピード。また、支柱の間を旋回する区間もあるため、徐々に強くなる横Gと柱に接触してしまいそうな視覚効果との相乗効果でスリル抜群。

コース後半
街並みを背に
2周旋回すると無事駅舎へゴール

 群の景色とそこそこのスリルを感じられるので、前評判通りのコースターだった。横Gも、パルパル四次元のようにブラックアウト寸前!といったものではなく、十分に踏ん張りがきく安心設計。まあ、欲を言ってしまうとケーシングの低いシースルー時代の車両(※1)でも体験してみたかった、というのが本音ではある。

 られた園内と敷地内の斜面をどう活かすかを考えたとき、例えばバンデットは渓谷に沿ってキャメルバックを複数配置するという手法を取ったが、このドリームコースターは傾斜を絶妙に利用したループを配置するというアプローチを取ったワケだ。当時の設計者がどのように立地を活かしたのか考えを巡らせてみるのも、このジェットコ趣味の面白い所ではある。


注釈
※1 座席がややむき出しになった車両に対して使用される、2000年代の”るるぶ”特有表現。シースルーコースター以外にもFUJIYAMAに対して用いられていた。元は建築用語のようで窓や扉の枠組みを指すらしい。ぱっと聞いただけじゃ意味がよく分からない表現のため、今も昔も誰も使わないジェットコ用語となってしまった。(開放感がある、で十分じゃないですか?るるぶさん)

ワォ![4]

画像引用
[1]©アミューズメント通信社 新聞「ゲームマシン」1983年6月1日213号6面

[2]ひたち : 日立市制五〇周年記念要覧 1989年9月1日 P.28

[3]ぴあMAP 遊園地&テーマパーク 2001~2002 2001年3月20日 P.138

[4]るるぶ情報版 首都圏遊園地&テーマパーク2001 2001年3月15日 P.67


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