我が家の暖炉
2024年9月27日
我が家は1938年に建てられた昔ながらの家です。10年以上前に購入のための家探しをしていたころ、どうせだったらニュージーランドらしい家に住んでみたいと探していて、夫が「これだったらクロウタドリが気に入るのでは」と見つけてくれました。ニュージーランドではこの程度の古さは特に珍しくありません。今どきの水準からするとこじんまりとした、小さな家ですが、家の中も、外も、庭も、いろいろと手を加えて、お気に入りの居心地の良い我が家となっています。
リビングルームにはレンガ作りの古い暖炉がありますが、当初、なんだかうまく燃焼しませんでした。前の家にも暖炉はあったので、使い慣れていなかったというわけではありません。そこで、暖炉屋さんに来てもらいました。いかにも職人、という感じの彼は我が家の暖炉をじっくり見て、煙突の状態を鏡を使って調べ(煙突の上から雨が入り込んで、煙管がさびて、穴がぽっかり空いていた)、「煙管は交換しないとだめだが、暖炉自体は修理可能」と言ってくれました。こんな古い暖炉が直せるの!と驚いたら、「君は何千ドルもかけて、新しい暖炉を入れたいかね?」とのこと(もちろん英語ですが、口調がこんな感じだった)。「いえいえ、そりゃあ、直せるに越したことはないです。でも耐久性はどうですか?」と尋ねたら、「基盤はいたんでないから、煙管を交換すれば、煙突の耐久年数20年は大丈夫」とのことで、ハンドルなどを修理してもらい、彼の言葉どおり、古い暖炉を今でも使っています。
この暖炉には、謎があるのです。向かって右側の側面に穴の開いた木の輪っかが取りつけられているのです。直径が40センチほどで、レンガを切って取り付けるのは、なかなか手間だったはずですが、役目が分かりません。
暖炉を使うと煙突掃除が必要だし、薪を用意して、運び込むのが面倒です。火を付けるのもなかなか難しいです(私がやると、なかなか燃え上がらない。上手な夫によると、薪の組み方にコツがあるらしい)。また、燃焼時に発生する煙は、人体に悪影響を及ぼすPM10やPM2.5という粒子を発生させるとのこと。きちんと暖炉を掃除して、きちんと乾燥させた薪を完全に燃焼させることが大切です。私としては電気に頼らない暖房があった方が安心な気がするので、大事に使っていきたいです。それになんといっても、暖炉の温かさってじんわりととても気持ちが良いものですから。
煙管を替えた当時、「煙突の耐久年数20年は大丈夫」と言われて、遠い、遠い先の話しと思っていたけれど、あと10年足らずということに気づいて、月日の過ぎる早さに改めてびっくり。10年後にいったいどうなっているのか想像もつきませんが、その日、その日を楽しんでまいりましょう。