重伝建地区の旅 その二
重伝建地区について説明が足らないのでもう少し書き連ねます。
重伝建地区の旅(その一)はこちらをご覧下さい。
選定基準
重伝建地区には文化庁によって以下の3つの選定基準が設けられています。
(一) 伝統的建造物群が全体としてよく意匠的に優秀なもの
(二) 伝統的建造物群及び地割りがよく旧態を保持しているもの
(三) 伝統的建造物群及びその周囲の環境が地域的特色を顕著に示しているもの
このいずれかに該当する街並みが重伝建地区に選定されます。
重伝建地区の種別
概ね重伝建地区はかつて栄えていたが産業構造の変化や交通の進歩によって寂れたり再開発から取り残されてタイムカプセルのようになった場所が多く見られます。
ただ、一概に「古い街並み」ではなく、その成り立ちによって城下町や宿場町、商家町など様々な種別分けがされています。
種別は大きく以下の8つに分かれます。
集落(山村、農村、漁村、在郷町、城下町、門前町)
宿場町
港町
商家町
産業町(鉱山町、養蚕町など)
社寺町
茶屋町
武家町
8つに分かれると言っても複合的に成り立っている場所も多く見られます。
種別リスト
令和3年現在選定されている全国126地区を種別分けした数は以下の通りです。
集落 34地区
宿場町 8地区
港町 11地区
商家町 24地区
産業町 12地区
社寺町 3地区
茶屋町 3地区
武家町 13地区
複合
集落・産業町 5地区
集落・宿場町 2地区
集落・港町 1地区
集落・社寺町 4地区
港町・産業町 1地区
宿場町・産業町 1地区
商家町・産業町 2地区
商家町・社寺町 1地区
商家町・武家町 1地区
集落には様々なタイプがあるので多いのは分かりますが、商人が集まって出来た商家町も結構あるんですね。
都道府県別の地区数
都道府県別に見て行くと
北海道 1地区
青森県 1地区
岩手県 1地区
宮城県 1地区
秋田県 2地区
福島県 3地区
茨城県 1地区
栃木県 1地区
群馬県 2地区
埼玉県 1地区
千葉県 1地区
新潟県 1地区
富山県 5地区
石川県 8地区
福井県 3地区
山梨県 2地区
長野県 7地区
岐阜県 6地区
静岡県 1地区
愛知県 2地区
三重県 1地区
滋賀県 4地区
京都府 7地区
大阪府 1地区
兵庫県 6地区
奈良県 3地区
和歌山県 1地区
鳥取県 3地区
島根県 3地区
岡山県 5地区
広島県 4地区
山口県 5地区
徳島県 3地区
香川県 1地区
愛媛県 2地区
高知県 2地区
福岡県 5地区
佐賀県 4地区
長崎県 4地区
大分県 2地区
宮崎県 3地区
鹿児島県 4地区
沖縄県 2地区
となっています。こうして見ると西高東低ですね。
このリストの中には、山形県、東京都、神奈川県、熊本県の4都県が入っていません。
東京都が無いのは何となく分からないでもないですが、山形県と熊本県が無いのは意外です。
山形なら鶴岡市とか米沢市、熊本なら山鹿市や人吉市あたりが選定されてもおかしくはないと思うのですが。
また、神奈川県も鎌倉市だとか小田原市あたりに古い町並みが残っていないのでしょうかね。
なお、各地区の一覧は文化庁「重要伝統的建造物群保存地区一覧」をご参照下さい。
では、訪れたエリアを追々紹介して行きたいと思います。