今日から使える!怖い話のキモ、怖い「オチ」とは?
はじめに
僕は何個かホラー小説を書いている。小説で怖さを伝えることはなかなか難しいもので、情景描写を使ってその場のおどろおどろしい雰囲気を読み手に伝えて鳥肌を立たせたり、感情描写で切羽詰まった雰囲気を伝えたりなどいろいろと方法があるが、僕が思うキモは「オチ」だと思っている。
なぜなら、オチで物語の結末が決まってしまうからだ。恐怖体験をした主人公やその周りの人々が最後どのような末路をたどるか、それは読み手が特に気になる箇所の一つであろう。
オチの例
人によって主観が異なるので、どのオチが一番怖いかとかはここでは問いませんが、例を出していきます。
まあこれはありきたりかな
まずはどんでん返しであろう。物語の魂胆を丸ごとひっくり返す、すなわち希望から絶望へとストンと落ちる。
例 善人が悪人だった。幽霊を祓ったと思ったら祓えていなかった。実はまだ憑りつかれていて招来が破滅した。
こういうどんでん返しはありきたりなものであるが、ある程度の恐怖は与えられる。だが、ただのどんでん返しでは足りないと思うのだ。
不審エンド
これもよくある。例えば友達と肝試しに行って、幽霊と遭遇して何とか逃げたけど、後日談で友達が死んだとか発狂したっていう不審すぎるエンドね。その幽霊に呪われるような特別な行為をやらかしてその報いを受けたとかそういった感じ。怖いんだけど、それはやらかした奴が悪いのであって冷たく言うと自業自得。そういった気持ちが芽生えてしまう僕みたいな人間には不向きなエンドかもしれない。まあそれはそれで怖いんだけれども。
理不尽エンド
理不尽に肝試しに行った人が全員死んだとか。これは気持ち悪いどころか「なんでやねん!」と怒りまでわいてくるエンド。まあ怪異が理不尽なことしてくるのは分からんでもない。まあ肝試しとか罰当たりな行為はやめましょう。
謎を残したまま日常に戻るエンド
これ気持ち悪いよね。霊がここに出現する所以とか、事情を知ってそうな人がいても明かしてくれない、とかが該当する。これ僕一番嫌いかも。モヤモヤして終わるのは非常に気持ち悪い。
万人にとって怖いオチとは
傑作と言われるホラー映画やホラー小説のオチ、先ほど挙げたものの中で一番衝撃度が大きいと思うのはやはりどんでん返しだと思う。でも、ただのどんでん返しだけじゃ足りない。じゃあそこに何を付け加えればいいかというと、ずばり…
オチを全く予想できないものにする
これに尽きると思う。ホラー映画、「ヘレディタリー/継承」とか「ミスト」とか「リング」とかのオチは多分予想できた人はとても少ないんじゃないかな。「リング」とかオチの前は、感嘆ものでまさかテレビから貞子が出てくるなんて誰も思わないでしょ?(小説版の「リング」、「らせん」の展開はもっと面白い。ざっくりいうと、ホラーにSFを混ぜた感じ。こんなのだれも予想できないじゃろ)
例えば、肝試しに行く内容で誰も予想できないオチを作るとしたら、肝試し先で、南京錠がかけられた箱を持ち帰ったとする。その箱の中身が曰くつきとか開けたら呪われて神社で祓ってもらったけど、まだ憑りつかれているとかがまあありきたりな展開などんでん返しであろう。しかし、これにひと工夫するなら、「自分の部屋に飾っていた自分の昔の写真が入っていた」など、自分に関するものが入っていたとか。その後は何も起きず、ただただ気持ち悪いエンディングを迎えるというのが物足りなさを残して後味悪く終われるような気がする。予想できる人は予想できるだろうが、ありきたりなものからしたらかけ離れているはずだ。
まあこういう感じで、僕のnoteが物書きさんたちの役に立てば幸いです。