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アンニュイクリーム

曇りのち雨もよう。

わたしは、お友達を家に呼んだことが無い。

小学校に上がって、しばらくして
内気な私にも友達はできて。

学校帰りにお友達の家に遊びに行って、楽しく過ごしたので
私もお返しに家に招いてみたかったけれど。

我が家は貧しくて狭くて、家族4人で2間で寝る暮らし。
とてもじゃないけれど人様を呼べるような家ではなく。
母親からも鬼の形相で言いつけられた。
絶対に、友達に、家の場所を知られるな、と。

なので、お友達には苦しい言い訳をして、
公園で遊ぶ日々を送ったものだ。

そんな環境だったせいかは判らないが
どんなに仲良くなってもどこか、
心の内側を閉じている子供に成長し、
大人になった。

心の芯の部分で、打ち解けきることが出来ない人間になったのだ。

誰しもどこか、種類は違えど似たような部分はあるのかも。

他人様と比べて、自分は寂しい人間だと思い悩む時期もあったけれど。

私は、このくらいの自分を、悩んで。悩んで。

どうしようもなく、羨ましがっては、諦めて。

試行錯誤しつつ。育ててきたのだ。

この、ひどく小さな、自分の器を。

なので、これで充分なのである。

おかげさまで、
これまでの人生で、節目のイベントは1度もやらずにスルーしてきた。

ぜんぶ、冷めた心持ちでじっくり眺めれば。
私なんかにとっては、
全ていらないもの。

きちんと写真も撮ったことも無く。
清々しいほど残すものも無い。

いっそスッキリした気持ちで人生後半を生きている。

何か良いことありますように。
サッポロ1番塩ラーメンがすんごく美味しい、とかね。

では、また。

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