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テキトー日記『お花見と幽霊』2021年3月28日(日)

皆さん、こんにちは。黒てんこです。

今日は久しぶりの休日なので、一人寂しくお花見に出かけました。私が住む島は私以外に人間がいないので感染リスクは全くありあません。だけど、動物はいます。だから、一応マスクは付けています。

私がサクラの木を訪れると、一人の男性が立っていました。私は驚きました。先ほども書いたとおり、この島には私以外住んでいません。つまり、サクラの木の下に立っている男性は観光客ということになります。または旅人です。私はマスクを付けておいてよかったと思いました。

「こんにちは」

私は挨拶しました。礼儀は重要です。相手が観光客であろうと、旅人であろうと、挨拶は欠かせません。私の挨拶を受けて、その男性はこちらに振り向きました。その顔には驚きの表情が浮かんでいます。どうしたのでしょうか。この島に人が住んでいることに驚いたのでしょうか。

「私が見えるんですか?」

「見えますけど」

男性はよく分からないことを言い出しました。私には男性の姿がクッキリと見えています。「本来なら見えないはずなのになぜあなたには見えているのか」なんて、まるで自分が幽霊であるかのような言い方です。

「本当に見えているんですか」

男性は驚いた表情のまま、再び言いました。

「見えていますよ」

私も同じ返答をしました。

「私が見える人に会えるなんて、ここまで来た甲斐があったな。あっ、すみません。私、幽霊なんです」

やっぱり幽霊の方でした。私もさすがに驚きましたね。幽霊の方に会うのは初めてです。それにしても私幽霊が見えるんですね。霊的感覚なんて持っているとは思いませんでしたよ。

それからその幽霊の男性と小一時間ほど話しました。彼がどんな人生を歩み、どうして幽霊となったのか。すべての話を聞きました。予想以上に波乱万丈な生き方をしていたみたいです。

男性は話終えると満足がいったのか、そのまま成仏してしまいました。私も役に立てたのでしょうか。少しでも役に立てたのであれば嬉しいですね。それでは、また明日。

黒てんこ

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