事業部CTOの役割と求められるリーダーシップ
写真は先日の日本CTO協会主催のThanksGivingDayのワークショップの様子です。このワークショップは自身の振り返りのきっかけにもなりました。
SUZURIのアドベントカレンダー3日目の記事です。今日は事業部CTOの話をしたいと思います。
事業部制と事業部CTO
まず事業部制について、簡単に説明しておきます。事業部制は企業を製品、サービス、地域などの軸で分割し、各事業部が独立した経営単位として機能する組織形態です。簡単にまとめると以下のようなメリット・デメリットがあります。
メリット
迅速な意思決定: 市場の変化に迅速に対応できる
責任の明確化: 各事業部の業績が明確になり、成果が評価しやすい
専門性の強化: 特定の領域に集中できるため、専門知識が深まる
デメリット
リソースの重複: 各事業部で同じ機能を持つ場合、非効率が生じる
全社的な統一感の欠如: 部門間の連携が不足し、シナジーが生まれにくい
事業成長のために各事業部門が裁量をもって事業活動を推進していきます。その中で事業部長は会社におけるCEO、事業部の技術部長のような人はCTOと考えることができます。
事業部CTOの役割
事業部CTOは、事業部における経営メンバーです。経営の中でも主に技術という軸で経営戦略の策定と実行を担います。
会社として複数事業を取りまとめる全社のCTOとは異なり、特定の事業領域にフォーカスした技術経営的なリーダーシップが求められます。全社CTOが関わっている複数事業の一部の領域を任されたCTOという役割でもありますが、CTOと名乗るからには事業を推進する責任者として、事業の成長のために力を発揮していくことが必要です。その中でも技術戦略を紐付けて成果を最大化する役割と考えられます。
求められるリーダーシップ
いくつか思いつくところを書き出してみると以下のようなことが挙げられます。
事業目標と技術戦略を結びつけ、中長期なビジョンを描きながらも、短期でモメンタムを生み出す
事業成長のために全社の経営メンバーや他部門との連携を円滑に行い、組織全体のシナジーを生み出す
技術トレンドの変化に対応し、組織やプロセスの改善をリードする
次世代リーダーの育成
他にもたくさんあるのですが、例えばこのようなことは役割として求められると思います。
私が4年前に書いた以下の記事では、エンジニアリングリードあるいはエンジニアリングマネージャーとして、運営するWebサービスが拡大していく中でエンジニアリングで課題解決を沢山できるようにする。技術で課題解決できる人を増やす。というような話を書いていることに振り返って気付きました。
今は事業部CTOとして、組織で求められる役割も変わりました。事業を成長させる意思を持った経営メンバーとして、中長期的な事業成長に向けたリーダーシップを発揮することを意識しています。経営メンバーの中でも一番技術を活用していける人として、すべてを自分ごととして捉え、100倍で考えて事業成長に向けて取り組みを進めていきます。
まとめ
事業部CTOは事業における経営幹部の1人として、事業戦略を考え、動かし、事業成長に責任を持つ存在です。技術革新が激しい現代において、事業部CTOは、事業の競争力を左右する重要なポジションであり、その役割を認識したリーダーシップを発揮することで、事業成長に貢献していきます。
最後に宣伝ですが、12月9日に事業部CTOのイベントをやるので、是非ご参加下さい!