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犬の消化器型悪性リンパ腫について〜犬の健康と笑顔ある最期を目指す〜

飼い犬である黒柴のクロスケが13歳でこの世を去り、主な死の原因である消化器型悪性リンパ腫について、どのように病気が進行していったか、何が原因だったか、どのような症状が出たかを下記に記載します。出来るだけ獣医さんの言葉、そして実際に起こった出来事に基づいて書いてます。

事前に知っておく事で、早い段階でこの病気かもしれないと察知できますし、何よりワンコのために取れる選択肢が増えるからです。ほんの少しでも、他の飼い主さん、ワンコ達の役に立てれば幸いです。

‪消化器型悪性リンパ腫の兆候、クロスケの場合は便の色が黒くなる血便(腸壁の出血のため)と、嘔吐(炎症で腸が動かなくなり、胃から下へ食べ物が落ちていかないため)でした。‬2日おき、1日おきぐらいに嘔吐、血便の症状が出ました。
‪黒くなるというのはタール色、灰色のような黒さ、或いは真っ黒、便の一部だけ黒いという事もありました。‬
‪嘔吐は空腹時に吐くオレンジ色の胃液のようなモノとは異なり、フードが未消化のまま出てきます。上記の通り、腸から下へ食べ物が落ちていかないので気持ちが悪くなり吐いてしまいます。嘔吐と、ご飯を食べなくなるのが連鎖的に起こりました。‬

‪8歳を超えてきて、これらの症状が出るなら、消化器悪性リンパ腫を疑うべきと‬、週に2回以上、この症状が出ているなら、すぐに精密検査を受けるべきだと獣医さんから言われました。
‪我々が考えるよりも遥かに進行が速い病です。‬

‪消化器型リンパ腫については検索すれば詳しい解説サイトがあるので説明は簡単にしますが、人間のガンとは違い完治はしません。‬進行が早く、臓器の損傷も激しかったです。
‪予後が良くないと言われるのは恐らくそのためではないかと思います。‬

‪勿論、単なる腸の炎症にすぎない事もありますが、悪性リンパ腫の進行が早いのを考えると、いち早く精密検査しても良いと思います。‬

‪まず、クロスケは3月の終わりに便の色が黒くなる症状が見られました。‬
‪最初の一週間で腸の腫れを引く薬(ステロイドではありません)を飲み、少しずつ腫れがひいていき、10日目ぐらいで収まりました。血便も収まりました。本人も元気になり、薬を止めました。‬

‪しかし問題は9月の半ばでした。約二週間、嘔吐、血便が治まらず、上記の薬を飲んでも腫れは引かず。ご飯が食べれなくなり、ぐったりするにようになりました。‬
‪4月に治った時とは様子が違うにもかかわらず精密検査に踏み切るのが遅れました。‬

‪ここから先、薬、治療法についても完全に素人知識なのでご了承ください。‬
‪治療の第一段階として、私達が提案されたのは、‬


‪1.ステロイド系の薬だけで腫れを引かせる‬。
‪2.細胞診という、お腹は開かずに針などで腫瘍部分を採取し、腫瘍を病理検査して、悪性リンパ腫かどうかを判断、確定次第、抗がん剤治療へと移るという方法の2択がありました。‬

いきなり抗がん剤治療を始めない理由としては、もし悪性リンパ腫でなかった時を考慮する必要があるからです。確定させた上で治療に移ります。

‪ステロイド系の薬は町の動物病院などでも処方されているそうで、腫れは収まり、元気も出ます。食欲も出ますが、副作用として大量の水を欲し、おしっこが出ます。‬
‪ただし、悪性リンパ腫による腫瘍でも腫れが引いてしまい、何が原因かは分からなくなります。‬
‪一般的に何も治療しなければ、消化器系悪性リンパ腫の場合、2、3か月が余命だとされています。ステロイド系の薬は腫れは引くがリンパ腫自体を治療するものではないみたいです。‬

‪自分は2を選択しましたが、腸壁の腫れが酷いため、確定診断が出るまでの間、ステロイド剤を飲みました。
‪細胞診は町の動物病院では難しく、設備の整った大学病院か、相応の医療センターではないと難しいようです。‬

‪細胞診で消化器系悪性リンパ腫が確定したその日、すぐに抗がん剤による治療を開始しましたが、腸の状態が悪く手術を行う必要が出てきました。
‪腸壁の状態が悪ければ穴があいてしまいます。リンパ腫に侵される前に、腹膜炎になってしまい、命の危機に陥るからです。
また、病巣除去の手術に踏み切り、上手くいったとしても、他の臓器が術後耐えられるかどうかです。高齢であるほど、耐える事が難しくなりますと言われました。

‪‪抗がん剤ですが、タイプが何種類かあり、試しながら処方を続けていく中で、その子に合ったモノを使っていく事になります。

中には苦いタイプもあり、嫌がる子も多いと聞きます。クロスケもそうでした。とにかく薬を噛んだり、唾液で溶かしたりしては効力を発揮出来ないので錠剤タイプは飲み込んでもらう事が第一です。‬

クロスケの場合、錠剤をオブラートで包み、少量のチーズや、クリームパンで包んでやるとパクっと飲み込みました。このやり方でも大丈夫だそうです。‬

‪お金はかかってしまいます。週に2万円と言われました。週に一回程度の通院も必要だそうです。‬
‪ただ、抗がん剤を使った方が圧倒的に長く生きられ、人間とは違い、副作用も酷くはありません。処方期間は二週間ぐらいでしたが、クロスケの場合は副作用無しでした。‬
‪実体験ではないですが、少しずつの投与でも十分な子もいるようです。月1万とか。試してみる価値は充分あると思います。

主観ですが元気になりました。散歩もご飯も普段通りです。嘔吐もなくなりました、朝に自分を叩き起こしにくるぐらい食欲も出て、便も抗がん剤の作用で黒くはなりますが、色はかなり普段通りに近づき、毎日出るようになりました。

ただ、一週間後の検査で別の箇所で腸壁に穴があきそうなので、そこを取り除く手術をしました。‬簡易的な手術だ聞いていましたし、良くなってきていると、あれだけ元気なら大丈夫だろうと。承諾しました。
‪しかし術後、僅か2日後の10月23日夕方、状態が悪化し、何度も心停止を繰り返し、同日深夜息を引き取りました。‬
‪病名は分かりません。恐らく、全身麻酔手術により、腸以外の臓器に支障がでたのではないかと思います。強心剤など対応しても血圧が最後まで戻らなかった事、おしっこなどが出なかった事は記憶しています。‬執刀医の方の話では臓器の状態は予想よりも悪かったそうです。
‪腎不全、心不全のどれかなのではないかと…‬いずれにしても悪性リンパ腫が引き金である事は間違いないと思います。

‪事前に、腸壁の状態、他の臓器状態はお腹を開いてみないことには何とも分からない事は町のお世話になっている動物病院、そして大学病院の担当の先生から話を聞いていました。
‪悪性リンパ腫と診断された時点で実質の余命宣告ですが、病巣を取り除けば抗がん剤の効果もより良くなる、長く生きれるという診断でした。‬
‪術前のステロイド&抗がん剤の効果もあり、いつもの元気が戻ってきてましたし、手術も事前の検査を経て、状態を把握した上で積極的な治療をした結果でした。‬‪

クロスケは、術前は心配かけまいと、痛い素振りを見せず、気合と根性で普段通り振る舞っていただけで本当は限界に近かったのか、手術をしなくとも、もう少し元気でいれたのかは分かりません。4月にすでに悪性リンパ腫だったとも考えられます。そうなれば完全に自分達、飼い主の責任です。‬

もしここまで読んでいる飼い主の方がいて、ワンコが高齢なら、普段とは違うサイン、異常が見られたら、どうか些細な事と思わずに目一杯に考えてあげてください。自分と母はもっと早くに気づいてあげればと、4月の段階で細胞診をやっていればと、9月も細胞診の判断が遅れてしまった事が悔やんでも悔やみきれないのです。

‪また自分勝手な懺悔と自慢、お礼を言わせてください。自分自身の心の整理のため、そして13年間のクロスケ生涯に関わってくれた人の目に触れて欲しいからです。

‪苦しい最期になってしまった、最期を家で過ごさせてやれなかったのが本当に心残りです。自分と母が駆けつける前と合わせたら計4回の心停止から戻ってきて、最期は力尽きるように、本当に苦しそうに逝ってしまいました。
‪こんなにも不甲斐なかった飼い主で、クロスケには本当に申し訳ない、申し訳ない気持ちで一杯です。‬他の飼い主方々にはこんな思いはして欲しくありません。‬

‪執刀医、担当医の方、獣医さん達には本当に良くしていただいたと思います。‬
‪クロスケが幼き頃から病院と聞くと喜んで行こう行こうと自分や母を急かし、いつもスタスタと平然と病院の自動ドアをくぐり、若い女性のスタッフさんがいたら、喜び勇んで病室に入っていくクロスケを見て、自慢であり、頼もしくあり、何だこいつと思う事もあり、同時に病院の方々に本当に良くしてもらっていたのだなと、改めて思います。‬
‪あれほど病院を嫌がらない犬も珍しい、見たことがないと、多くの獣医さん、スタッフさんが仰っていました。今も昔も感謝しかありません。‬
‪幼き日のクロスケがお世話になっていた獣医さん、スタッフさん、ありがとうございました。アマノさんの3文字を聞くと、クロスケがニコッとするのは、引っ越して、もうお伺い出来なくなってからも変わりませんでした。‬しっかりと覚えていたと思います。クロスケが生涯病院にポジティブなイメージしかなかったのは、本当に皆さんのおかげです。‬
‪こんな形でしかお礼を伝えられない事、お許しください。‬

‪深夜までクロスケと共に闘ってくれた大学病院の皆さん、ありがとうございました。度重なる心停止から、回復を信じて何度も懸命に蘇生を試みてくださった姿が、何度も意識を取り戻したクロスケの根性とともに、自分の目に焼き付いております。おかげで自分と母はクロスケの最期に間に合い、看取る事が出来ました。‬

‪最後に、現場で頑張っている獣医、スタッフの皆様、これからもワンコ、他の動物たちをよろしくお願いします。‬

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