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アイスブレイクの流儀
営業では、いや初対面の場ではアイスブレイクが今後の関係性を大きく左右すると言っていい。僕はアイスブレイクにとことんこだわり、商談を成立させてきた。
ちなみにアイスブレイクとは初対面の人同士が出会う時、その緊張をときほぐすための手法。集まった人を和ませ、コミュニケーションをとりやすい雰囲気を作り、そこに集まった目的の達成に積極的に関わってもらえるよう働きかける技術を指す。(wikipekiaより)
アイスブレイクを磨くということは、人を楽しませ会話を弾ませたり、自分を気になる存在としてマークさせたり、場の空気を仕切ったりと、あらゆるシーンで必要になるスキルが存分に詰まっている。
「今日は天気がいいですねぇ( ◠‿◠ )!社長は何か趣味とかあるんですか?」というような単純なものではない。
そしてアイスブレイクは初対面の場だけでなく
・会議で煮詰まった時
・社員のチームワークを強化したい時
・あと少しだけ頑張ってもらいたい時
などでも活用できる。
アイスブレイクを「ただ冗談を言う人」と思いがちだが、そんな浅いものではない。空気を読み相手が発言しやすい雰囲気を作り、本音を聞き話を引き出すスキル。冗談が好きな人と言うイメージを持たれながらも、実は”目的達成へ向けこちらがイニシアチブを取る”いわば戦略の一つなのだ。
アイスブレイクはスピーチのように目立つものではないが、このスキルを駆使する者の存在は企業にとって非常に重要で価値ある人物だと僕は確信する。
「なぜ僕がアイスブレイクにこだわるか?」だが、それは僕が営業戦争に勝つためにあらゆる思考した結果で「アイスブレイクには年齢や経験は関係ない」ということだった。
年齢が若ければ若いなりのアイスブレイクがあり、中年者には中年者のアイスブレイクがある。年齢に応じて対応ができ、自分が若手なら先輩に可愛がられ、後輩なら慕ってもらえる。
経験が無くても勝てる方法の一つと言っていい。
これ以上煽るとハードルが高くなりすぎるのでやめておくが、僕はアイスブレイクにこだわりを持つことを強く強調し、実践してきたのでここでまとめようと思う。
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アイスブレイクはスピーディーに相手との距離を縮める
まずは営業の永遠のテーマとして「初対面の場でどれだけ相手の気持ちと距離を縮められるか?」を話したい。
教わる姿勢は相手の気持ちを掴む
人は基本的に「教える行為」を好む。僕は小中と野球をしていたが、子供たちに「お兄ちゃん、野球教えて」と言われるとついテンションが上がってしまう。増してや真剣な顔で「それで?それで?」とぐいぐい話を聞かれると余計に力が入り教えてあげたくなる。
逆の立場でも考えて欲しい。あなたの部下でも上司でも友達でも誰でもいいが、相手が満面の笑みで「〇〇さん、これってどうやってやるんですか?」と言われたら多少不安定な精神状態でも教えてあげたくならないだろうか?
増してやメモなどを活用され、自分が話す言葉を相手が「うん、うん、なるほど〜!!」と頷きながら、「へぇ〜、凄いですね!どこでこんなスキルって習得したんですか??」と合いの手が入ると余計に相手の気持ちをこちらに引っ張ることができる。
野球の話に戻るが、真剣に話を聞いてくれた子供には「また機会を作って教えてあげよう」と思うようになる。そして「ずっと頭の片隅に残る気になる存在になる」
この心理は何が起きているのか?
僕の答えは「話を聞いてもらった人は承認欲求が満たされている」と感じる。自分の存在意義が分かり、その瞬間は自分を必要とされていると感じるのだと思う。
まず一つ目のポイントとして、お世辞を言うことがアイスブレイクではなく「今日は勉強させて頂きにきました」という姿勢が大切である。
相手の得意分野や専門分野などに会話を持っていき深堀をしていく。そして分からない部分があれば素直に「それってどう言う意味ですか?」と確認していく。
ポイントは野球少年ではないが「あなたの経験を聞かせて下さい」と前のめりになって話を聞くことが大切。
リードトークは相手の土俵で始める
雑談と言うと、
「今日はいい天気ですね!」
「HP見ましたが、かっこいいですね!」
「社長は休日は何をしていらっしゃるんですか?」
このようなリードは最悪で、相手も「で、何ですか今日は?」とさっさと本題へ行ってしまう。逆の立場でも「もういいから。早く済ませたいから」と内心は感じている。
理由は、ありきたりな質問は「お前、興味ないだろ」と相手に伝わってしまっているからだ。「あなたにあげる時間は無い!」と顔に書いてある。
まず始まりは相手の土俵でトークを始めましょう。
「社長(または担当者)うちの会社はご存知ですか?
「申し訳ない、存じないね」
「そうですよね、うちはインターネットの広告会社なのですが、御社がどうしても気になって今回は来させてもらいました」
「そうなの?何が気になったの?笑」
「はい、営業で来たってのは口実で、実は御社のサービスを利用させて頂いたことがありまして、開発秘話なんかをできる範囲でお聞ききしたくて。」
「え?それで来たの?笑」
「はい、すいません!どうしても御社のサービスが気になって仕方なかったんです!できる範囲でいいので、ちょっとだけでもお聞きできませんか。。。」
「君、面白いね。実はあれは…」
これは実際に僕がやりとりがあったシーンです。約1時間ほど社長とお話しさせていただいた。
後は「教わる姿勢は相手の気持ちを掴む」で書いた通りで、相手の気持ちを最大限に汲み取り、学ばせて頂く姿勢で接すれば話はどんどん進んでいく。
社長はどのような感情になるだろうか?
「この小僧、かわいいな」と感じてもらえるだろうし、ビジネスとは?という大きなテーマを語って気持ちがいいはず。増してやこちらが前のめりで話を聞くと余計にかまいたくなり、次も会ってくれる確率は格段に上がります。(※本気で相手を尊敬すること。テクニック的な傾聴は相手に伝わるので、心底相手を尊敬できる自分になること)
これはあくまで一つの例なので、自分なりのやり方を見つけてもらえればと思う。
この意表をついた(失礼の無い質問にする)質問をだいたい6パターンほどあれば7割の人には対応できるようになる。
相手の心の扉を開けることさえ出来れば、どんどん話は弾んでいきタイミングが合えば成約に結びつく。
考えなければいけない質問はウザい印象を与える
代表ではなく部課長クラスと商談になった時は質問に気を遣いたい。避けたい質問は「考えなければいけない」「意味のない質問」である。
「創業何年ですか?」
「HPで見た企業理念に感動しました!」
これ、営業マンがよく使うランキング上位の質問である。「創業何年なんて知らんがな」「企業理念とか覚えてへんよ」と部課長クラスだと大半が思うだろう。
僕は営業を受けることが多いが、結構な割合でこのテーマの話がくる。訪問前にHPをチェックしたのだと思うが、企業理念などほとんどの人は知らない。知っていることはあっても「理念の理由」などはわからないケースが多い。
このような言葉をかけられて嬉しいのは”創業者”と”よほど会社が大好きな人”ぐらいだろう。また部課長クラスが知らないとなると返って「何が言いたいんだ?」と思われ距離が縮まるどころか返って遠のいてしまうことだってある。
もし、会話の中で「うちの企業理念はね」なんてワードが相手から出てきたら質問しよう。中小企業の法人だと部課長クラスが大きな権限を持っている場所も多いだけに大切な部分である。
③相手の気持ちを代弁し、的外れな回答をする
ここからはちょっと視点を変え、会社内部で使えるアイスブレイクを紹介する。
会議などで煮詰まった時、皆が斜め下を向き沈黙状態になる時がないだろうか?そんな空気では何も生まれない。時間の無駄使いである。
そんな時アイスブレイクを活用し空気を一変させる。
「皆が思ってること言おうか?もう何もでねーよ!!笑」と一声かけるだけで場はふわっと明るくなる。
黙っていた皆が
「だよねー笑」
「いや、考えてるんですけど、どうしたらいいかわかんないですよね」
と、内心を話し出す。
そうやって場をなごまし「で、みんなはどこまで考えてる?ちなみに俺はさ、〇〇〇まででさ!」とここであえて的外れなことを言う。
すると、先ほど立て直した空気から皆が発言しやすい環境になっているので、
「いや、それはどうなんだろう。私はこう思うんだけど・・・・・・」と的外れな意見を言った僕よりも良い意見があるのは当然なので話始める。
ポイントは、人は周りよりも自分の意見の方が”確実に”正しいと感じたら空気次第ではどんどん発言をするという性質を持っている。(僕が勝手に思っている。エビデンス無し)
そして出てきた意見に「おぉーすげーじゃん!考えてるじゃん!そのアイディアいんじゃないの?」と更に背中を押すことで、コミュニケーションがより円滑になる。
(※ただし、この方法は実践すると単純に「変な奴だ」と思われてしまうので、キーパーソンにはしっかりと根回しはしておこう。)
他にも営業相手に
「この見積もりじゃあ高いよ!って感じですよね」
「お忙しそうなので、早めに失礼しますね!」
と、相手が感じているであろう気持ちを見極めこちらから話してあげることでリラックスした空気が生まれやすくなる。
また人の性質というのは面白いのもで「買って!」と言うと離れるし「買わないで!」というと近づいてくる。
この会議でのアイスブレイクには大きな価値があるので別の記事で紹介していきたい。
④飲み会での初めましてのアイスブレイク
他部署や関連企業との飲み会は意外に結構ある。知っている人がいないからつまらないは正直もったいない。
その人と仲が深まれば何か今後の仕事の付き合いになるかもしれないし、転職のきっかけになるかもしれない。要するに未来はわからないし、何がどうなるかわからない。ということは僕は少しでも信頼を深め、中を深めることが得策だと感じている感じている。
企業営業では会社の看板を背負うので、ある程度の礼儀は必要だが、身内での場合は先ほどの紹介例よりも、もっと崩していい。
では、今回は関連企業との飲み会を想定する。ゴールは電話番号、Line交換ぐらいにしましょうか。
つまらない人がしたがる会話は「共通の知り合いの上司の悪口や社内の待遇」の話題が多い。タチが悪いのが愚痴を吐かせて距離を縮めようとする人が一定数存在する。特に営業マンには多い。そんな時に愚痴に付き合って、「分かります」なんて合いの手を入れたりすると返ってこちらのイメージが悪くなる可能性があるので控えた方がいいです。
そこで使える言葉がある。どこでも誰にでも使えるオールマイティーな言葉。
【魔法の言葉】〇〇さんって絶対仕事できるでしょ
僕の経験で最も好反応が返ってくる魔法の言葉、
「○○さんって絶対仕事できるでしょ(できる方ですよね」
この言葉は非常にインパクトがあり相手にかなりの好印象を与えることができる。(本心で無いと意味が無いが)
初対面時など微妙な距離感があり、上辺の会話ばかりになってしまいがちに。それも悪いことではないが、どうせ同じ時間を過ごすなら極力仲を深めたい。
この言葉を言われ傷つくものはおらず、過剰に褒めているわけでもないので年齢問わずアサーティブな関係を作っていける。
言われた相手も「え?何でそう思うの?(笑)」と99%切り返してくる。その際に感じた相手の良い部分を伝えることで素早く距離を縮めることが可能になるのだ。
ここで感じるのは「いや、相手の事を知らないから仕事ができるもなにもないんじゃないの?」と思うだろう。
そう思うと相手を見ていない証拠である。
柔和な表情、ハキハキした話し方、上司や同僚などの注文、食事の取り分け、周りと話している際の協調性、自己主張、第一印象など10分程度で得られる情報は沢山ある。
決して自分が評価をしているわけではなく、そばで見ていて純粋に「凄いなぁ」と感じる部分を素直に伝えればいいのだ。
「○○さん、絶対仕事できるでしょ」という言葉を添えて。
アイスブレイクは邪な利己的でなく尊敬の精神がなければいけない
ただゴマをすり相手の顔色を伺いながら煽てることがアイスブレイクではない。
相手に関心をもち、信頼関係を構築するための武器である。
内心では相手を見下し、自分の想い通りにならなければ舌打ちをするような人柄では、いくら取り繕っても相手はこちらに振り向いてくれない。そのような営業マンを沢山見てきた。そのような人のほとんどはうだつが上がらず営業職を離れていった。
相手を尊重し、相手にとってベストを尽くしたいとの内面があるからこそ心を動かすのである。
終わりに
いかがだったでしょうか。アイスブレイクが上手い営業マンは成約率を上げる。
ここまでアイスブレイクのポイントを書いてきたが、相手を尊重する思いがあっての内容であることを最も強調したい。ただ相手を気持ちよくさせる為に使ってはいつかメッキが剥がれ大きな損失を生むことにもなりかねない。
相手企業がどうすれば仕事のお手伝いが出来るか?という真剣な思いを大切にする。その点は忘れないようにしていただければと思います。
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