「英語にするとちょっとおしゃれ」というお話
ここはとある都市の繁華街の片隅に。
二件の居酒屋が並んでおりました。
この二件はお互いをライバル視していましてね。
こちらが新しいねじまきウィンナーなんてもんを出すと、こちらはツイストソーセージなんてもんを出したりして。
ライバルなんていうのもおこがましい、なんとも奇妙な泥試合を展開しておりました。
しかしながら不思議なもので、こんな醜い争いが人の好奇の目を引き寄せて、なかなかの人の入りを誇っておりました。
あるとき、一方の店主がこう言いまして。
「夏と言ったら、ビール。今年はビールグラス一杯サービスしちゃおう」
ってなことで、きたお客さんに振る舞い始めます。
それを見たもう一方の店主もまけちゃいられない。
「なーにー!向こうがビールグラスなら、こっちはビールジョッキ一杯サービスしちまえ!」
なんかね、もうやけくそですね。
あ、なんだか下品なんで言い直すと、Grilled Shitですね。
するとそれを聞いた最初の店主は心中穏やかじゃない。
「まーた真似しやがって。こうなったら、ビール洗面器だ!!」
洗面器にビールをすすいでサービスをして見せるドヤ顔。
こうなったらもうとまりません。
後の店主は洗面器よりも大きいものはないかと店の中を見渡します。
すると、「あった、これだ」と手にしたものは・・・
「うちは、ビール傘、無料だよ!」
並々と逆さにされた傘に注がれたビールは圧巻です。
これはもう勝ったと思ったその数日後。
保健所の手入れが入り、行政指導を受けた両店は人々に惜しまれながらもその姿を消しましたとさ。
めでたくない、めでたくない。