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「2040年の労働環境」をテーマにした小説をAIに考えて貰った:(0)説明と小説一覧

事情を知らない方は「突然お前は何を言い出すんだ!?」と思われるかもしれませんが、大真面目です。

第33回日本産業衛生学会全国協議会が山梨県甲府市にて2023年10月27日〜29日に開催されております(オンデマンド配信が2023年11月13日(月)正午~12月11日(月)正午に実施されるので、そちらも是非是非)。

ここで企画されているシンポジウムの1つ、シンポジウム7「学術委員会シンポジウム:2040年に向けたリサーチマップ作り」のシンポジストとして、私が登壇いたします(この記事を公開するのはシンポジウム開催のちょっと前なので、「登壇いたしました」ではなく「登壇いたします」だったりします)。

問題は私に与えられたお題です。「『2040年に労働現場でどのような課題が生じ、それに対して学会にどのようなことを期待するか』について、私のITリテラシーと専属産業医としての経験を活かして話題を提供する」。私はその辺にいくらでもいる、一介の産業医ですよ?買い被りも過ぎるというモノです。しかし依頼を受けた以上は突き進むのみです。

当日のスライドはシンポジウム後にこちらで公開しますが、今回の話題の流れを大雑把に説明すると、次の様な手法で話題を展開する事にしました。

  1. 2040年=17年後の労働現場の変化を予測するために、現在である2023年に注目されているテクノロジーを整理する、それが以下。

    • 人工知能(AI)

    • メタバース、仮想現実(VR)

    • 拡張現実(AR)、複合現実(MR)

    • アシストスーツ

    • バイタルセンサー

    • ドローン、ロボット

    • BMI(ブレイン・マシン・インターフェース)

  2. SF小説を文章生成AIにて作成する。

    • 新たなテクノロジーを活用している、2040年の労働環境を描写

    • 生成内容:題名、全体の章構成、一部の章の導入部

  3. 作成したSF小説の内容を基に、そこで描写された労働環境で生じうる産業衛生的な課題を整理する。

1.は良いとしましょう。何でこんな考え方をしたかというのは、当日の発表をご覧下さい。客観性も何もあったものではありませんが、とりあえず「こうなのだよ!」と無理矢理にでも決めないと話が進まないのです。

問題は2.です。「このテクノロジーを存分に使っていると、こんな感じの労働環境になっていると思います」とザックリ話しても良いのですが、それで本当に皆さんが想像しやすいのかなぁ?と悩みまして。そこで思い出したのが、解説記事を読んだ事がある「SFプロトタイピング」です。

「SFプロトタイピング」とは、超大雑把に言うと「目指したい or 避けたい未来をSF小説の形で描写して、そこを目指す or 避けるために必要な課題を検討する」というものです。

  • SF小説を執筆し、未来のシナリオを具体的に描写する

  • その中で描かれる様々な問題や課題を想定し具体化する

  • 想定された問題・課題への対処法を想定し具体化する

  • 未来予想図を活用し、現実の問題解決を目指す

本来のSFプロトタイピングでは、自分なり本職のSF小説家にお願いするなりしてSF小説を執筆するのですが、今回は複数の職業について検討するつもりでしたし、そもそも私に文才はないので早々に「自力で書くのは無理!」と判断して、生成AIにお願いする事にしました。

ちなみに今回の小説の作成はChatGPT-4(有料版)にお願いしました。だってBingAIにお願いしたらサイコホラーものばっかり書いてくるし、GoogleBardはクソつまんないものを書いてくるし…。まだ読めるレベルの文章を書いてくれたのがChatGPTだったのです。ちなみに準備中にClaude2が公開されたので試してみたのですが、これまたあんまり面白い話は書いてくれなかったのでボツにしました。

で、今回ChatGPTに作成してもらったのは「題名」「全体の章構成」及び「一部の章の導入部分」です。章構成を作成してもらう際に各章の大雑把な内容も記載してくれましたので、労働環境を描写している章について導入部分を書いてもらいました。とは言っても数をこなすべくプロンプトでの工夫はそれほど行わなかったので、あらすじ感満載でそんなに面白くない文章になってしまっています。プロンプトに凝ればもっと面白い文章を作れたと思うんですけどね。そこは手抜きと言われても仕方ないなぁと。

まぁそんな程度の小説ではあるのですが、せっかく作成したのに死蔵させるのももったいないなぁ…というわけで、今回作成した小説を公開する事にしました。皆さんもこちらの小説を読んでみて「こんな世界になっているんだったら、こんな産業衛生的課題があるだろうなぁ」と想いを馳せて頂けると嬉しいです。

しかも今回のシンポジウムはオンデマンド配信もライブ配信もないので、全容を知れるのは現地で参加した方のみです。何ともレアなお話になるわけですが、そんな中でこの小説だけ残るわけですよ。2040年を迎えた時に絶対赤面するヤツだったりするわけですよ(私はその頃にゃ前期高齢者直前です)。本当に難儀な話ですよ…。

そんな愚痴を言いながらも、せっかくなので各小説に合わせた挿絵も作成しました。初めはBing Image Creatorで作っていたのですが、その途中でChatGPTでも画像が作成できる様になったので、この2つを併用して作成しました。どっちもベースはDALL-E3ですね。

そうそう、小説の内容や挿絵について、実際の業務とは合わない様な表現もあると思いますが、今回に関しては「SFプロトタイピングという方法論の検証」がメインだということで、細かい点にはお目こぼし頂けると嬉しいです。


「鋼鉄の彼方」 造船所で働く溶接工

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「ヴァーチャル・ケア: 2040」 中核病院で働く看護師

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「結びつきの技術」 サービス付き高齢者住宅で働く介護士

→ 小説へのリンク

「未来のゆりかご」 保育所で働く保育士

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「炎の中のハーモニー」 消防署で働く消防士

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「仮想の現実: テレビ局の日常」 テレビ局で働くアシスタントディレクター(AD)

→ 小説へのリンク

「眼球の先にある世界」 ALS患者のカフェ店員とプログラマー

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