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産業保健で使えるかも?な生成AI:(2)積極的傾聴法の実践事例を生成:Rev.20231003b

文章生成AIを産業保健で使えるかな?どうだろう?というシリーズ。今回は「積極的傾聴法の実践事例を生成AIに作って貰おう」その2です。


注意とお願い

  • 使用に関しては自己責任でお願いいたします。

  • ここで紹介するプロンプトの動作確認は、基本的にChatGPTのGPT-4(有料版)で行っています。ChatGPT-3.5(無料版)やMicrosoft Bing AI、Google Bardの場合だとうまく動いたり動かなかったりするので、その辺りは自分で色々いじってみて下さい。

  • タイトルのリビジョン番号(Rev.)は当該プロンプトを「ひとまずここで一区切り」と認定した日付(YYYYMMDD)です。同テーマで同一日に複数作成した場合は作成した順番に英小文字を付けます。

  • ここで紹介したプロンプトを例えば研修会等で活用する際は、私のnoteのURL(https://note.com/kuroshizu/)も一緒に紹介して下さると嬉しいです。それと当該記事へに「スキ」を頂けると、これまた励みになります。是非ともお願いいたします。

  • ご意見・ご感想はコチラのGoogleフォームよりお願いいたします。

マエセツ

前回のRev.20231003aと今回のRev.20231003bは、本日行った会社での全国労働衛生週間の衛生講話で管理職・リーダー級向けに積極的傾聴法の紹介をするにあたり、実践事例が必要だろうという事で作成したものです。

まず普通に「良好実践事例と不適切実践事例をそれぞれ示す」というプロンプト(前回のRev.20231003a)を作成したのですが、ふと「不適切な事例を先に示して、それを修正したものを示す」という順番の方が良いのではないかと思い立ち、今回のRev.20231003bを作った次第です。

プロンプト

今回のプロンプトは「積極的傾聴法の不適切実践事例を先に示し、その後にそれを良好実践事例へと修正したものを示す」というものです。シチュエーションは前回と同様、「新入社員が上司の課長に相談する、上司は積極的傾聴法で悩みを聴く」です。

今回のプロンプトは多段階に分かれています。まずはコチラのプロンプトを実行します。「積極的事例の不適切実践事例を作成し、ロジャースの3原則をどの様に適応すべきだったかを示す」もので、Rev.20231003aから少しだけ変えています。

積極的傾聴法が実践できていない、不適切な事例のシミュレーションを行ってください。
シミュレーションの後に、このシミュレーション内で共感的理解・無条件の肯定的関心・自己一致の要素がどの様に適用されるべきだったか明示してください。
相談元は新入社員、相談相手は上司である課長です。

回答が生成されたら、次にこちらのプロンプトを実行します。これは「不適切実践事例を積極的傾聴法を適切に実践したものに修正し、3原則の適用状況を明示する」ものです。

このシミュレーションについて、積極的傾聴法を適切に実践したものに修正してください。
修正したシミュレーションの後に、修正したシミュレーション内で共感的理解・無条件の肯定的関心・自己一致の要素が、どの様に適用されているか明示してください。

事例内での3原則の使い方についてもう少し詳しく知りたい場合は以下のプロンプトを実行します。

修正したシミュレーションにおける「共感的理解」の使い方についてもう少し詳しく教えてください。
修正したシミュレーションにおける「無条件の肯定的関心」の使い方についてもう少し詳しく教えてください。
修正したシミュレーションにおける「自己一致」の使い方についてもう少し詳しく教えてください。

生成事例

今回はChatGPT-4(有料版)の事例のみです。長くなっちゃうし、GPT-3.5ならば無料で試せますし。GPT-3.5での生成は自分で試してみてくださいませませ。

【不適切実践事例の生成】

シミュレーション: 不適切な積極的傾聴法

新入社員(A):「最近、業務が追いついていないんです。毎日遅くまで残業しているのに、どんどん積み上がっていく感じがして…」

課長(B):「それは大変だね。でも、他の新入社員たちは普通に業務をこなしてるよ。時間の使い方を見直した方がいいかもしれないね。」

A:「はい、それもそうですが、実は私、家の事情もあって、夜遅くまで残業するのが難しいんです。」

B:「家の事情っていうのも、入社前に知っていたはずだよね?それに、業務が遅れてるのは事実だし、それを先にクリアしないと。」


共感的理解・無条件の肯定的関心・自己一致をどの様に適用すべきだったか

  1. 共感的理解:

    • 不適切: 課長は新入社員の感じているストレスや焦燥感に共感していない。新入社員の業務の遅れを「他の新入社員たちは普通に業務をこなしている」と一般化してしまっている。

    • 適切: 課長は新入社員の感じているストレスや焦燥感を理解し、その気持ちに共感する言葉を選ぶべきだった。例えば「大変そうだね、それは心配だ」と言ったりする。

  2. 無条件の肯定的関心:

    • 不適切: 課長は新入社員の家の事情やその背景を尊重していない。「家の事情っていうのも、入社前に知っていたはずだよね?」と指摘することで、新入社員の感じているストレスを増幅させてしまっている。

    • 適切: 課長は新入社員の家の事情を無条件に尊重し、その背景を理解する努力をするべきだった。例えば「家の事情があるとは、それは大変だろうね」と言ったりする。

  3. 自己一致:

    • 不適切: 課長の言葉や態度が新入社員の内面やリアルな状況にマッチしていない。

    • 適切: 課長は新入社員の実情や感じていることに基づいて、助言や提案をするべきだった。新入社員の状況を理解した上で、共に解決策を考える姿勢が求められる。

以上の点を考慮して、課長は新入社員に対してもっと共感的に、無条件の肯定的関心をもって接し、新入社員の実情や感じていることに基づいてサポートする必要があった。


【良好実践事例への修正】

シミュレーション: 適切な積極的傾聴法

新入社員(A):「最近、業務が追いついていないんです。毎日遅くまで残業しているのに、どんどん積み上がっていく感じがして…」

課長(B):「それは大変そうだね。君の気持ちやストレスを理解するよ。どんな点が特に難しいと感じているの?」

A:「はい、特にプロジェクトの進捗が思うように進まず、それに家の事情もあって、夜遅くまで残業するのが難しいんです。」

B:「家の事情があるとは、それは更に心配だろうね。何かサポートや改善策を考えることができるかもしれないので、一緒に考えてみよう。」


共感的理解・無条件の肯定的関心・自己一致をどの様に適用されているか

  1. 共感的理解:

    • 課長は新入社員の感じているストレスや焦燥感を理解し、共感する言葉を選んでいます。「それは大変そうだね。君の気持ちやストレスを理解するよ」と言っています。

  2. 無条件の肯定的関心:

    • 課長は新入社員の家の事情を無条件に尊重しています。家の事情に対する課長の対応は、「家の事情があるとは、それは更に心配だろうね」という言葉で示されています。

  3. 自己一致:

    • 課長は新入社員の実情や感じていることに基づいてサポートを提案しています。「何かサポートや改善策を考えることができるかもしれないので、一緒に考えてみよう」という言葉は、新入社員の現状や困難に合わせた支援を示しています。

この修正されたシミュレーションでは、課長が新入社員の感じていることに対して共感的に接し、無条件の肯定的関心をもってサポートする姿勢を見せ、新入社員の実情や感じていることに基づいてサポートを提案しています。これにより、積極的傾聴法の要素が適切に実践されています。


【「共感的理解」の解説】

もちろん、「共感的理解」についてより詳しく説明いたします。

共感的理解は、相手の感情や考え、体験を深く理解し、それを受け入れることです。共感的理解をすることで、相手が受け入れられていると感じることができ、信頼関係を築く上で非常に有効です。

修正したシミュレーションにおいて、以下の部分で共感的理解が示されています:

  1. 「それは大変そうだね。」:

    • この言葉は、新入社員が業務に追われているという現状を理解し、その状況の大変さやプレッシャーを認識していることを示しています。

  2. 「君の気持ちやストレスを理解するよ。」:

    • 課長は新入社員の気持ちやストレスを深く理解しようとする姿勢を示しています。これにより、新入社員は自分の気持ちや悩みが認識されていると感じることができます。

  3. 相手の話を遮らずに聞くこと:

    • 課長は新入社員が話している間、遮ることなく聞いています。これは、新入社員の話を尊重し、理解しようとしていることを示しています。

共感的理解を行う際のポイントは、単に相手の話を聞くだけでなく、相手の立場や感情に寄り添い、その感情や考えを尊重することです。また、共感的理解は、相手の話を受け入れるだけでなく、それを言葉で表現することも重要です。これにより、相手は自分の気持ちや考えが理解されていると感じることができます。

総じて、共感的理解は、相手の感情や考えを深く理解し、それを受け入れることによって、信頼関係を築くための重要な要素となります。


【「無条件の肯定的関心」の解説】

もちろんです。「無条件の肯定的関心」とは、相手の価値観や感情、経験を条件なしで受け入れ、尊重する態度を指します。この概念は、カウンセリングの分野で特に重要とされており、相手に安心感や受け入れられているという感覚を与えることができます。

修正したシミュレーションにおいて、「無条件の肯定的関心」がどのように適用されているかを具体的に見ていきましょう。

  1. 「家の事情があるとは、それは更に心配だろうね。」:

    • このコメントは、新入社員の家の事情をただ受け入れるだけでなく、その状況に対する課長の心配や関心を示しています。課長は、新入社員の家庭の状況を問題視するのではなく、それを無条件で受け入れ、その上でどのようにサポートできるかを考えています。

  2. 非批判的な態度を保つ:

    • 課長は、新入社員の業務の遅れや家の事情について、批判や非難の言葉を使わずに受け入れる態度を取っています。このような非批判的な態度は、無条件の肯定的関心の基本的な要素となります。

  3. 受け入れの姿勢を継続する:

    • 課長は、新入社員の話を聞く過程で、その話を遮ることなく、尊重する姿勢を保ち続けています。これにより、新入社員は自分の話や気持ちが課長に無条件で受け入れられていると感じることができます。

無条件の肯定的関心を持つことで、相手は自己受容の感覚を強化でき、自分の考えや感情を開放的に表現することが容易になります。また、相手との信頼関係を築くための重要なステップとなります。


【「自己一致」の解説】

了解しました。「自己一致」とは、相手の内的な経験や感情、考えを真摯に理解し、それを正確に反映した言葉や態度で応えることを指します。この概念は、相手の現在の実感や状態に合致するように対応することの重要性を強調しています。

修正したシミュレーションにおいて、「自己一致」がどのように適用されているかを具体的に見てみましょう。

  1. 「どんな点が特に難しいと感じているの?」:

    • 課長はここで、新入社員が具体的にどのような問題に直面しているのか、そしてその問題にどのような感情を抱いているのかを探るための質問をしています。このような質問を通じて、新入社員の現在の状況や感じていることをより深く理解しようとする姿勢が見られます。

  2. 「何かサポートや改善策を考えることができるかもしれないので、一緒に考えてみよう。」:

    • 課長は新入社員の家の事情や業務に関する悩みを理解した上で、その状況に合わせた支援を提案しています。これは、新入社員の現在の実感や困難に合致した対応を示しており、自己一致の要素が強く反映されています。

  3. 相手の感情や考えを尊重する:

    • 課長は新入社員の話を遮ることなく聞き、新入社員の感情や考えを尊重しています。これにより、新入社員は自分の話や感じていることが課長に理解されていると感じることができます。

「自己一致」のポイントは、相手の実情や感じていることを深く理解し、その上で適切な反応や対応をすることです。相手の話をただ受け入れるだけでなく、その話に基づいて具体的なアクションや提案をすることが重要となります。これにより、相手は自分の話や感じていることが真摯に受け止められていると感じることができます。


終わりに

いかがでしょうか。生成AIで作成する事のメリットは「シチュエーションを変えていくらでも作成できる」事です。質については「オヤオヤ?」と思う事もないわけではないのですが、まぁそれなりにちゃんとした事例が生成されるので一安心でした。

ちなみに会社での研修では無料で誰でも使えるツールで紹介する必要がありましたので、Microsoft Bing AI(創造的)での作成について紹介しました。Bing AI(創造的)でも結構良い感じで作ってくれましたよ。

「たくさんの実践事例を読む事」がよい聴き方を身に付ける事の手助けになると思いますので、皆さんの積極的事例の学習の一助となれば幸いにございます。

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